最近話題のトラックボールマウス「MX Ergo S」。名前は聞いたことがあるけれど、「実際どうなの？」と思っている人も多いはず。僕自身、長時間のPC作業で手首の疲れに悩んでいたこともあり、思い切って導入してみました。今回は、実際に使って感じたリアルな使い心地や特徴を、できるだけわかりやすくお伝えします。
MX Ergo Sとは？──ロジクールのハイエンドトラックボール
MX Ergo Sは、ロジクール（Logicool）が展開するハイエンドシリーズの最新トラックボールマウスです。従来の「MX Ergo」をベースに、より快適な操作性と静音性を追求したモデル。
一番の特徴は、本体を動かさずに親指でボールを転がしてカーソルを操作できるという点です。
この仕組みのおかげで、狭いデスクでもスムーズに作業できるし、腕を動かす必要がないので肩や手首への負担がぐっと減ります。特に、長時間PCに向かう人にはありがたい構造です。
手首に優しい設計と角度調整の秘密
MX Ergo Sを手に取るとまず感じるのが、「あ、自然に手が置ける」というフィット感。
人間工学に基づいた形状で、手のひらから前腕までのラインが自然に沿うよう設計されています。
さらに特筆すべきは、傾斜角度を20度まで調整できること。
通常のマウスは水平に置くため、手首を少しひねる姿勢になりますが、この角度のおかげで腕のねじれが軽減。初日はその違いをあまり意識しなかったものの、数時間作業を続けると「確かに疲れが少ない」と感じました。
トラックボールの操作感は「慣れ」がカギ
正直、最初は少し戸惑いました。親指でボールを転がす感覚が、従来のマウスとまったく違うからです。
しかし、2〜3日もすればスッと指が動くようになり、いまでは普通のマウスよりも快適に感じるほど。
カーソルの動きは非常に滑らかで、ポインタの精度も高め。Photoshopなどの細かい作業も問題なくこなせました。
また、**Logi Options+**という専用ソフトを使えば、感度やスクロールの速度を細かく調整でき、自分好みにチューニングできます。
接続性と充電まわりも抜かりなし
MX Ergo Sは、Bluetoothと**Logi Bolt**の両方に対応。
デバイスの切り替えもワンタッチで、ノートPCとデスクトップを併用している人にはとても便利です。
充電はUSB-Cポートを採用。旧モデルのMicro-USBと比べて圧倒的に扱いやすく、ケーブルの向きを気にするストレスがなくなりました。
バッテリーの持ちは優秀で、公式では最長約4か月の連続使用が可能。実際、2週間ほど使ってもバッテリー残量はほとんど減っていません。
ボタン配置とカスタマイズの自由度
ボタンは左右クリック、ホイール、進む・戻るボタンなど、標準で7つほど。
それぞれのボタンに好きな機能を割り当てられるのがこのマウスの大きな強みです。
たとえば、ホイールの横スクロールを「音量調整」に設定したり、サイドボタンに「タブ切り替え」を割り当てたり。
この柔軟さが、作業効率を大きく引き上げてくれます。
また、静音クリック仕様なので、図書館やカフェでも気兼ねなく使えるのも嬉しいポイントです。
デザインと質感──シックで落ち着いた印象
見た目は、いかにも“高級マウス”という雰囲気。
マットなグラファイトカラーが上品で、指紋もつきにくい質感です。
ボール部分はややメタリックな光沢があり、デスク上でも存在感を放ちます。
サイズはやや大きめで、持ち運びには向いていませんが、その分しっかりとした安定感があります。
据え置きのメインマウスとして考えると、むしろこの重さが心地よい。
実際の使い心地：長時間作業での違い
僕は日常的に文章作成やデザイン作業をしていますが、MX Ergo Sを使い始めてから、手首のだるさが大幅に軽減されました。
特に感じたのは「肩の張り」が減ったこと。
通常のマウスだと無意識に腕を動かしていたのが、トラックボールでは指だけで完結するため、体全体の負担が減ったように思います。
また、マウスパッド不要というのも地味に便利。狭いカフェのテーブルやソファの上でも快適に使えます。
MX Ergo Sのメリットまとめ
・腕や手首への負担が少なく、長時間の作業でも疲れにくい
・机を動かさずに操作できるため、省スペース
・USB-C充電対応で取り回しが良い
・ボタンのカスタマイズ性が高く、作業効率を上げられる
・静音仕様で周囲に配慮できる
・高級感のあるデザインと安定した質感
このあたりが、実際に使って感じた主な利点です。
デメリットや注意点も正直に
もちろん、完璧というわけではありません。
まず、慣れるまでに少し時間がかかる。
普通のマウスから乗り換えると、カーソル操作の感覚が違うため、最初の1〜2日は「狙った位置に止めづらい」と感じるかもしれません。
ただ、これは誰もが通る“慣れ”の問題で、使っていくうちに自然と馴染んでいきます。
次に、定期的なメンテナンスが必要です。
トラックボールは構造上、ホコリや皮脂が内部にたまりやすく、時々ボールを外して掃除をする必要があります。
といっても、1分もかからず終わる簡単な作業です。
また、持ち運びには向かないサイズ感。
外出先での使用よりも、自宅やオフィスの固定環境での使用に最適です。
旧モデルMX Ergoとの違い
旧モデル「MX Ergo」と比べると、MX Ergo Sは以下の点で進化しています。
・USB-Cポートの採用
・クリック音の静音化
・水平スクロール対応
・接続の安定性向上（Logi Bolt対応）
使い勝手の基本部分は大きく変わっていませんが、細部の改善で日常の快適さが確実に上がっています。
特にUSB-C化と静音化は、ユーザーからの要望が多かったポイントです。
どんな人におすすめか
・一日中PC作業をする人
・肩こりや手首の痛みに悩んでいる人
・デスクスペースを広く使いたい人
・マウス操作の効率を高めたい人
MX Ergo Sは、こういったニーズにしっかり応えてくれる製品です。
「トラックボール＝特殊」という印象があるかもしれませんが、実際に使ってみると、その快適さに驚くはず。
MX Ergo Sを使って感じた“作業の質”の変化
作業効率が上がるというより、「作業時間のストレスが減る」感覚に近いです。
クリック音が静かで、動作もなめらか。
トラックボールを転がす動作がクセになるほど気持ちいい。
PCと向き合う時間が多い人ほど、この恩恵を強く感じるでしょう。
MX Ergo S レビューまとめ
MX Ergo Sは、単なるマウスの進化形ではなく、「手や腕の健康を考えた入力デバイス」と言えます。
慣れは必要ですが、それを超えた先には圧倒的な快適さがあります。
静音性、カスタマイズ性、安定した操作感。
すべてがバランスよくまとまっており、トラックボール初心者にも自信を持っておすすめできます。
長時間作業で手首が疲れる、デスクが狭い、そんな悩みを抱えているなら、ぜひ一度試してみてください。
きっと、「もう普通のマウスには戻れない」と感じるはずです。
