ガンプラファンの間で長く語り継がれる存在、PG ウイングガンダムゼロカスタム（パーフェクトグレード）ウイングガンダムゼロカスタム。2000年の発売から20年以上経った今でも、その圧倒的な造形美と存在感は多くのモデラーを魅了し続けています。この記事では、その完成度や組み立ての難易度、可動性能、そして展示したときの迫力まで、実際の体験をもとに徹底レビューします。
PG ウイングガンダムゼロカスタムとは？名機の魅力を再確認
ウイングガンダムゼロカスタムは、OVA作品『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』に登場する主人公ヒイロ・ユイの機体。劇中では天使のような白い翼を広げて戦場を舞う姿が印象的で、「美しいガンダム」として多くのファンに愛されています。
その姿を1/60スケールという巨大サイズで立体化したのがPG ウイングガンダムゼロカスタム版です。PG ウイングガンダムゼロカスタム（パーフェクトグレード）は、バンダイのガンプラブランドの中でも最高峰に位置するシリーズ。細部の再現性、構造、素材、ギミックすべてが当時の技術の粋を集めた作品でした。
完成時の全高は約28cm、翼を広げると幅70cmを超えるスケール。組み立ててみると、部屋の中で圧倒的な存在感を放ちます。
圧倒的スケールとディテールの再現度
まず目を引くのは、ウイングガンダムゼロカスタムを象徴する巨大な羽。外側と内側の羽はそれぞれ可動し、角度を変えることでさまざまな表情を演出できます。
羽根の構造は14枚のユニットで構成されており、組み立てるだけでも数時間はかかるほどのボリューム。PG ウイングガンダムゼロカスタムらしい細かなモールドや分割ラインもあり、無塗装でも十分に迫力があります。
内部には“ゼロフレーム”と呼ばれるフルフレーム構造が採用され、人間のような自然な関節可動を再現。金属ネジやダイキャストパーツが各部に使われており、重量のある羽やツインバスターライフルをしっかり支えます。
また、頭部と胸部にはLED発光ギミックを搭載。ボタン電池を入れると目と胸のカメラアイが光り、劇中の「覚醒したゼロ」を再現できます。
組み立ての難易度と作りごたえ
PG ウイングガンダムゼロカスタムシリーズの中でも、このウイングゼロカスタムはやや難易度が高め。理由は主に3つあります。
- パーツ数の多さ：数百点に及ぶランナーがあり、1日では完成しません。
- 金属ネジの組み込み：ドライバー作業が多く、強度調整に注意が必要です。
- 古い設計：2000年発売のため、最新PG UNLEASHEDシリーズのようなスナップフィット精度はなく、パーツの合わせ目処理や表面処理が重要です。
ただし、この難しさこそがPG ウイングガンダムゼロカスタムの醍醐味。丁寧に組み上げるほど完成時の満足度が高く、工作好きにはたまらない体験となります。
特に羽根やライフルの組立は繊細ですが、仕上がった瞬間に「ここまでやってよかった」と思える迫力が待っています。
可動性と安定性のリアルな評価
PG ウイングガンダムゼロカスタムは内部フレームの可動域が広く、腕や脚、腰を大きく動かせる構造です。立ち姿だけでなく、ツインバスターライフルを構えたポーズ、羽を広げて舞うようなシルエットなども再現可能。
一方で、重量バランスには注意が必要です。巨大な翼の重量が背面に集中しているため、自立させるときは慎重に調整を行う必要があります。
飾る際には専用スタンドやサポートパーツを使うと安定します。特に羽を大きく広げた状態では、重心が後方にずれるため、転倒防止策は必須です。
可動部の保持力は高めですが、経年によるネジの緩みや関節の摩耗にも注意。メンテナンスを行いながら、長期的に飾れるように調整するのが理想です。
外観の完成度と存在感
PG ウイングガンダムゼロカスタムの最大の魅力は、完成後の存在感にあります。
その大きさ、造形の密度、そして羽の優雅な曲線は、ただ「かっこいい」を超えて芸術的な美しさを感じさせます。
塗装を施すと、さらに見応えがアップ。ホワイトの装甲をパール塗装にすれば、光を受けて輝く姿はまるで劇中そのもの。青・赤・金の差し色を丁寧に塗り分けることで、質感に深みが生まれます。
また、パネルラインのスミ入れやデカール貼りを丁寧に仕上げることで、情報量の多いリアルな外観に。PG ウイングガンダムゼロカスタムならではの「完成品の重厚感」を実感できます。
展示時は羽を広げて立たせると、まるで天使が降り立ったかのような迫力。
ガンプラ棚の中でも一際目立ち、コレクションの中心にふさわしいモデルです。
古いPGでありながら、今も評価される理由
PG ウイングガンダムゼロカスタムは、今のPG UNLEASHEDシリーズと比べると設計が古く、ABS素材や関節保持の技術も今ほど進んでいません。それでも多くのファンから支持され続けているのは、「造形と存在感の完成度」が非常に高いからです。
近年のPG UNLEASHEDシリーズはリアル志向の分割やメカ構造を重視していますが、ウイングガンダムゼロカスタムは「魅せるための造形美」に全振りしています。つまり、最新技術にはない“デザインの完成度”があるのです。
20年以上前の設計ながら、今なおガンプラ展示会などで飾られるほど人気を維持しているのは、この美しさとスケール感のバランスが秀逸だからでしょう。
組み立てた後の楽しみ方
完成したPG ウイングガンダムゼロカスタムは、飾るだけでなく、撮影して楽しむのもおすすめです。
羽の角度や光の当て方で印象がまったく変わるため、フォトジェニックなガンプラとしてSNSでも人気があります。
特にLED発光を活かした暗所撮影では、カメラアイが光る姿が幻想的。
アクションベースを使って浮遊ポーズを撮ると、まさにエンドレスワルツの名シーンを再現できます。
また、カスタム塗装に挑戦して自分だけの“ゼロカスタム”を作るのも一つの楽しみ。メタリック塗装やウェザリングを加えると、作品の印象がぐっと変わります。
総評：PG ウイングガンダムゼロカスタムは「組む芸術品」
PG ウイングガンダムゼロカスタムは、単なるプラモデルではなく“組み立てるアート”といっても過言ではありません。
最新PG UNLEASHEDほどの可動や分割精度はないものの、その造形美と存在感は今でも第一線級。
完成させた瞬間に味わえる達成感は、他のガンプラではなかなか得られないものです。
組立経験者の多くが「時間を忘れて没頭できた」「完成後に感動した」と語るように、PG ウイングガンダムゼロカスタムシリーズの魅力を存分に感じられる一作。
これから挑戦する人にとっても、間違いなく一生記憶に残るガンプラになるでしょう。
PG ウイングガンダムゼロカスタムの完成度を徹底レビュー【まとめ】
PG ウイングガンダムゼロカスタムは、古いながらもその完成度と存在感で今なお特別な地位を保っています。
巨大な羽、繊細な内部フレーム、そしてLED発光による演出。どれを取ってもPG ウイングガンダムゼロカスタムらしい豪華仕様です。
確かに組立は大変ですが、完成した瞬間の感動は格別。
“美しさ”と“重厚さ”を兼ね備えた究極のウイングゼロを、自分の手で完成させる。
それこそが、このキットが20年以上経っても愛され続ける理由なのです。
