「えっ、ボルス スロージンが終売って本当?」——そんな声がSNSでも増えています。長年カクテル好きに愛されてきたこのリキュール、いつの間にか店頭から姿を消しているのです。今回は、その終売の背景や理由、今後の再販の可能性、そして代わりに楽しめるリキュールについて、詳しく掘り下げていきます。
ボルス スロージンとは?老舗ブランドが誇るフルーティなリキュール
まずは「ボルス スロージン」というお酒の正体から。
オランダの老舗蒸留酒ブランド「Bols(ボルス)」は、なんと1575年創業。世界最古級のリキュールメーカーとして知られています。その膨大なラインナップの中でも、スロージンは特にカクテル愛好家から支持されてきた一本です。
スロージンとは、ブラックソーン(スローベリー)という果実をスピリッツに漬け込んで作られる、鮮やかなルビー色のリキュール。
ボルス版は、甘酸っぱい果実味とほんのりとした苦味、そしてジンらしいジュニパー香が絶妙なバランスで調和していました。アルコール度数は24〜33度ほど。口当たりは柔らかく、ソーダやトニックで割っても、フルーツカクテルに混ぜても映える万能タイプでした。
このボルス スロージン、特に「スロージン・トニック」や「スロージン・フィズ」などで愛用するファンが多く、バーでも定番的な存在だったのです。
終売はいつから?販売終了の経緯と現状
現在、国内の酒販サイトでは「終売」「販売終了」「在庫限り」といった表記が並んでいます。
一部の専門店では「終売(98-0)」という注記がされ、旧ボトルの在庫を細々と販売している状況です。楽天市場やYahoo!ショッピングでも「売り切れ」「再入荷予定なし」となっており、実質的に流通在庫のみの状態といえるでしょう。
SNS上では、「久々に探したら全然売ってない」「ボルスのスロージン、終売してたのか…ショック」という投稿も。つまり、公式発表がないまま静かに市場から姿を消した、いわゆる“フェードアウト型の終売”です。
終売が確認されたのは、2023年ごろから徐々に。2024年にはほぼすべての主要通販サイトで入手困難になっています。今では一部のバーや個人ストックで見かける程度。メルカリなどのフリマサイトでは「終売品」「希少ボトル」としてプレミア価格で取引されています。
ボルス スロージンが終売となった理由を探る
メーカーからの正式な理由説明はありませんが、いくつかの要因が考えられます。
1. 輸入コストや流通コストの上昇
ボルスは海外ブランド。輸入酒の取り扱いには為替の変動や輸送コストの高騰が大きく影響します。特にコロナ禍以降、物流費の上昇やコンテナ不足により、一部の輸入酒がラインナップ整理される傾向にありました。
その流れの中で、売上規模が限定的なアイテムから優先的に終売となるのは自然なことです。
2. 国内需要の変化
スロージンは、ウイスキーやジンのようなメジャー酒に比べて niche(ニッチ)なカテゴリー。家庭用需要がそれほど大きくないため、業務用・バー用途中心の販売でした。カクテル文化の変化や若年層の低アルコール志向が進む中で、販売数が減少したと考えられます。
3. ブランドラインナップの整理
Bolsブランドは世界中で100種類以上のリキュールを展開しています。日本市場向けの輸入代理店は定期的にラインナップを見直しており、「売れ筋を残し、回転率の低い商品を終了させる」動きがあります。
スロージンもその一環として整理対象になった可能性が高いです。
4. 原料や法規制の影響
スローベリー(ブラックソーン)はヨーロッパ原産の果実で、収穫や輸出条件によって原料価格が変動します。さらに日本国内では酒税区分やリキュール表示基準の変更などもあり、製造・輸入コストが上がる要素が複数存在しました。
ボルス スロージンの味わいと人気の理由
このリキュールが愛された理由は、なんといってもその“上品な果実味とジンらしいキレ”の絶妙なバランス。
一般的なベリーリキュールに比べて甘さが控えめで、飲み飽きしないのが特徴です。ほんのり渋みがあり、果実の深みを感じさせる味わいは、ソーダ割りでもカクテルでも万能。ボルスの製品らしい安定感と華やかさがありました。
バーでの定番カクテル「スロージン・トニック」「スロージン・フィズ」はもちろん、オレンジジュースやジンジャーエールとの相性も抜群。家庭でも簡単に作れることから、「おうちカクテル」の隠れた人気アイテムでもあったのです。
終売後の現状:価格高騰と希少化
2024年以降、終売の影響で価格が急上昇しています。
以前は1,800〜2,000円前後で買えた700mlボトルが、今では10,000円前後のプレミア価格になるケースも。中古市場では未開封ボトルが高値で取引され、「幻のスロージン」として扱われつつあります。
在庫が残っている店もわずか。旧ボトルや海外版を並行輸入で取り扱うショップもありますが、数は非常に限られています。いわば“見つけたら即買いレベル”の希少品です。
再販や復活の可能性はあるのか?
ここが多くのファンが気になるところ。
現時点で、ボルス日本公式(輸入代理店)から再販予定の発表はありません。ただし、いくつかの希望が持てるポイントもあります。
- 海外では今も製造されている可能性がある
海外の通販サイトでは「Bols Sloe Gin」の在庫が確認できる地域もあります。つまり、生産自体は継続している可能性があります。国内供給が止まっているだけで、世界的には生産ラインが残っているかもしれません。 - リキュール市場の復刻トレンド
最近では、終売したクラシックリキュールが限定復活する例もあります。ファンの声やバー業界からの需要が強ければ、輸入再開の可能性もゼロではありません。 - SNSでの人気再燃
終売報道後に話題化した商品が、SNS人気を受けて再導入された例も多々あります。ボルス スロージンも、ユーザーの投稿やカクテル写真が広がることで、再販検討の動きが起こるかもしれません。
とはいえ、当面は国内で正規ルートによる再販売は予定されておらず、実際に飲みたい場合は海外輸入品を探すか、代替リキュールで楽しむのが現実的です。
ボルス スロージンの代替リキュールおすすめ
「もう手に入らないなら、似た味のリキュールを知りたい!」という方へ。
完全に同じ味わいは難しいものの、スロージンらしさを感じられる代替リキュールはいくつかあります。
1. ゴードン スロージン
スローベリーの酸味とジンのキレが調和した、正統派スロージン。ボルス スロージンよりやや甘めで、初心者にも飲みやすいタイプです。入手性も比較的安定しています。
2. プリマス スロージン
果実感が豊かで深みがあり、カクテル用途にも最適。ボルス スロージンに比べて香りが複雑で、クラシックカクテルに向く味わいです。バーでの採用率も高め。
3. サンジェルマンやカシス系リキュールで代用
スローベリーではないものの、果実の酸味や香りを生かしたカクテルには、エルダーフラワー系やカシス系リキュールを代用するのもおすすめ。特に色味を生かしたい場合には近い雰囲気を出せます。
また、自家製の“なんちゃってスロージン”を作る人も。ジンにスローベリーシロップやプラムシロップを少量加えれば、雰囲気を再現できます。
愛用者の声:惜しまれる名リキュール
SNSやレビューをのぞくと、ボルス スロージンに対する愛着の深さが伝わってきます。
- 「あの絶妙な甘酸っぱさ、他にはない」
- 「スロージン・トニックが好きで常備してたのに」
- 「バーのマスターが最後の1本を大事に使ってた」
こうした声からも、終売が惜しまれているのがよくわかります。
ボルス スロージンは単なるリキュールではなく、思い出や感情と結びついた存在。長く親しまれた味が消えていくのは、やはり寂しいものです。
ボルス スロージン終売のまとめと今後の楽しみ方
ボルス スロージンの終売は、確かに残念なニュースです。
しかし、代替リキュールを探す楽しみや、自分で“スロージン風カクテル”を作ってみるきっかけにもなります。
また、海外版や復刻版が登場する可能性もわずかながら残っています。
見つけたらラッキーなボトルとして、今後ますます価値が上がっていくでしょう。
終売は「終わり」ではなく、むしろこのお酒が愛されていた証。
いつか再びボルス スロージンが日本のバーに戻ってくる日を、静かに期待しながら待ちたいですね。
ボルス スロージン 終売 まとめ
ボルス スロージンは、長い歴史を持つオランダの名門ブランドが手掛けた果実系リキュールの名作でした。
しかし現在は日本国内で終売となり、在庫限りの希少な存在に。
理由は輸入コストや市場縮小、ブランド戦略の変更などが重なった結果と考えられます。
再販の可能性は残されていますが、現時点では代替リキュールでの楽しみ方を探すのが現実的。
カクテル好きの方は、今ある1本を大切に味わいながら、その香りと記憶を心に留めておきましょう。

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