「T598って実際どうなんだろう?」
レーシングシムが好きな人なら、一度は気になる名前ですよね。
本格的なドライビングを味わいたいけれど、いきなり高額な機材に手を出すのは不安…そんな人のために登場したのが、Thrustmaster T598です。
この記事では、T598の特徴や使用感、他製品との比較、購入前にチェックしておきたい注意点まで、実際のレビューや技術情報をもとに詳しく解説します。
T598とは?最新のレーシングホイールセットをざっくり紹介
T598は、Thrustmasterが2024年に発表したレーシングシム用のステアリング&ペダルセット。
PS5/PS4/PCに対応し、家庭用ゲーム機でも「ダイレクトドライブ」に近い感覚を体験できるモデルとして注目を集めています。
これまでのThrustmaster製品といえば、Thrustmaster T300RSやThrustmaster T248など、ベルトドライブ方式のミドルレンジモデルが主流でした。
しかしT598は、それらを一段上に押し上げる存在です。理由は、独自の「Direct Axial Drive(ダイレクトアキシャルドライブ)」という新技術にあります。
Direct Axial Driveとは?T598の中核をなす新技術
T598の心臓部であるモーターには、アキシャルフラックス構造を採用。
これは、従来のラジアルフラックス(円周方向に回転する)モーターとは異なり、磁場がステアリング軸と平行に作用するタイプです。
この構造によって、
- 回転のムラ(コギング)をほぼ解消
- スムーズで繊細なフィードバック
- 発熱を抑えた高効率な駆動
- コンパクトかつ軽量な設計
といったメリットが得られています。
特に、コーナー進入時や縁石を踏んだ瞬間など、微妙な路面情報を指先で感じ取れる感覚は、ベルトドライブ方式では味わえなかったレベルです。
トルクは定常で約5Nm、瞬間最大で10Nm前後とされています。
数値だけ見れば上位のダイレクトドライブモデルには及ばないものの、トルクの「質」が非常に良いため、実際のドライビングではよりパワフルに感じることも多いです。
ハンドルの質感と操作性:軽量だけど実用的
付属のハンドルは直径約30cmの着脱式タイプ。マグネット式のパドルシフトを備え、操作感はカチッとしていて反応が速いです。
プラスチック主体の構造なので高級感は控えめですが、そのぶん軽く、長時間プレイでも疲れにくいのがポイント。
また、Thrustmasterのエコシステムに対応しており、別売のThrustmaster Ferrari Wheelやラリータイプのステアリングへの交換も可能。
「まずはT598で始めて、後から好みのハンドルに差し替える」なんて拡張のしやすさも魅力です。
ペダルセットの仕上がり:調整幅と拡張性に注目
同梱されるペダルは2ペダル構成。アクセルとブレーキがセットになっています。
スプリングの硬さ調整ができ、感触を好みに合わせてカスタマイズ可能です。
ブレーキペダルはやや硬めで、最初は違和感を覚えるかもしれませんが、キャリブレーション次第でリアルなブレーキフィールを得られます。
また、将来的にはクラッチペダルを追加できるアップグレードキットの販売も予定されています。
センサーはThrustmasterおなじみの「Thrustmaster H.E.A.R.T.技術」を採用。これにより、入力精度は非常に高く、長期間使っても劣化しにくいのが特徴です。
実際の走行フィール:フォースフィードバックの完成度
T598を実際に使ったレビューでは、「とにかく滑らか」「繊細な情報が手に伝わる」という声が多く見られます。
特に、ハンドルセンター付近での微妙な力の変化や、グリップが抜ける瞬間の挙動をしっかり感じ取れる点が高く評価されています。
PS5版『グランツーリスモ7』や『Assetto Corsa Competizione』では、フォースフィードバックの最適化が進んでおり、路面の凹凸や縁石の質感まで感じ取れるレベル。
PC版ではさらに調整幅が広く、Force Feedback設定を詰めれば、より自然なトルク感を引き出せます。
反応の速さも秀逸です。ラグがほとんどなく、ステアリングを切った瞬間の挙動が直感的。
このレスポンスの良さが、T598の“ダイレクトドライブ的な体験”を生み出しているといえるでしょう。
他モデルとの比較:価格と性能のバランスが絶妙
Thrustmaster T598の価格はおよそ7万円前後(実売想定)。
これを聞くと高く感じるかもしれませんが、同クラスのダイレクトドライブ製品(Fanatec DD Proなど)が10万円を超えることを考えると、T598のコスパはかなり良好です。
Thrustmaster T300RSと比較すると、
- トルクが約2倍強化
- レスポンス速度が向上
- モーターの静音性も改善
と、総合的な進化が見られます。
また、セット販売のため別途ペダルを用意する必要がなく、「すぐに遊べる」点も初心者にはありがたいポイントです。
注意点とデメリット:完璧ではないリアル志向
良い点ばかりではなく、注意しておきたいポイントもあります。
まず、付属のハンドルとペダルは「入門〜中級者向け」の作りです。
上位モデルに比べると素材感や剛性感は控えめ。
高級志向のユーザーには物足りなさを感じるかもしれません。
また、PS5やPS4で使う場合、対応タイトルのフォースフィードバック設定に依存する面もあります。
ゲームによっては挙動が強すぎたり弱すぎたりすることがあり、細かい調整が必要になることも。
さらに、Thrustmaster T598の性能を最大限発揮するには、ファームウェア更新が重要です。
最新バージョンを適用しないと、微妙なフィードバックのズレが出る可能性があります。
購入後はThrustmaster公式サイトから定期的にアップデートを確認しておくと安心です。
T598はどんな人に向いているか?
T598は、次のようなユーザーにおすすめできます。
- PS5やPCで本格的なレースシムを楽しみたい人
- ベルトドライブからワンランク上の操作感を求める人
- 初心者だけど将来的に拡張を考えている人
- 高トルクすぎるDDホイールは扱いづらいと感じている人
一方で、「最上位モデルに匹敵する絶対性能」を期待する人にはやや物足りないかもしれません。
T598は“リアル志向への入口”という立ち位置がぴったりです。
購入前に知っておきたいチェックポイント
- 対応環境
PS5/PS4/PCで動作。Xboxには非対応。 - 接続方式
USB接続で簡単セットアップ。追加アクセサリもThrustmasterエコシステムで統一可能。 - 拡張性
ペダル、ホイール、シフターを後から買い足してアップグレードできる。 - 価格
コスパ重視で本格体験を求める層に最適。 - メンテナンス
定期的なファームウェア更新で安定性を維持。
これらを理解したうえで選べば、後悔のない買い物ができるでしょう。
まとめ:T598の性能や魅力をレビューして感じたこと
T598は、Thrustmasterが満を持して投入した「中価格帯の革命児」といえます。
Direct Axial Driveによる滑らかなフィードバック、十分なトルク、手軽なセット構成。
どれを取ってもバランスが良く、レーシングシム初心者から中級者まで幅広く対応できる実力を備えています。
もちろん、ハンドルやペダルの素材感など改善の余地はありますが、総合的には「手頃な価格でリアルなドライビング体験を得たい人」にとって理想的な選択肢です。
これからシムレーシングを始める人にも、次のステップを探している人にも、T598は確かな満足をもたらしてくれるはずです。
最後にもう一度。
T598の性能や魅力をレビュー!購入前に知るべきポイントをまとめるなら、
「最新技術で進化したリアルな操作感を、手の届く価格で体験できるレーシングホイール」――それがT598の本質です。
