カワサキの新型「エリミネーター400」は、2023年に登場して以来、ミドルクラスのクルーザーとして高い注目を集めています。今回は、実際の走行性能と乗り心地に焦点を当て、街乗りからツーリングまで実体験に基づいたレビューをお届けします。
この記事では、スペックだけでなく、ライダーが感じるリアルなフィーリングを中心に解説していきます。
スポーツとクルーザーの融合、エリミネーター400の基本構成
まず注目すべきは、エンジン。エリミネーター400は、スポーツモデル「Ninja 400」譲りの398cc並列2気筒エンジンを搭載しています。
水冷DOHC4バルブという仕様は、クルーザーらしい低回転トルクを確保しつつも、高回転域までスムーズに吹け上がる設計。つまり、「街中で扱いやすく、高速でも楽しめる」バランス型のキャラクターを持っています。
このエンジンは、低速域では粘り強く、中速から一気に伸びるトルク特性が特徴。クルーザー特有の「ドコドコ感」よりも、リニアでスムーズな加速フィールを重視しており、Ninjaベースのエンジンらしさを感じます。
また、クラッチ操作が軽く、渋滞時でもストレスが少ない点もポイント。街乗り中心のユーザーや、久しぶりにバイクに乗るリターンライダーにも扱いやすい印象です。
実際の走行性能:低速の安定感と中速の爽快さ
実際に走らせてみると、まず感じるのは「軽快さ」です。
車重は約176kg(SEモデルは178kg)と、クルーザーとしては非常に軽量。低重心設計のおかげで取り回しも簡単で、信号待ちやUターンでも不安を感じません。
走行中の安定感も抜群で、直進性に優れつつ、軽快にコーナーへ入っていけます。特にワインディングでは、他のクルーザーにはない「倒し込みの軽さ」が際立ちます。
それもそのはず、フレーム構造はスポーツバイク譲りのトレリスフレーム。剛性と柔軟性のバランスが良く、コーナリング時にねじれにくいのです。
加速時のフィーリングは非常にスムーズ。2,500rpmあたりでもトルクがしっかり出ており、街中ではほとんどギアチェンジを意識せずに走れます。
一方で、5,000rpmを超えると明確にパワーが立ち上がり、スポーティな走りへ変化。クルーザーでありながら、軽くスロットルを開けるだけで爽快な加速が味わえます。
乗り心地の印象:快適性と軽快感のバランスが絶妙
エリミネーター400の魅力の一つが、乗り心地の良さです。
まずシート高は735mmと低く、足つき性が非常に良好。身長160cm台のライダーでも両足がしっかり接地できるため、安心して扱えます。
ライディングポジションは自然で、背筋を伸ばしたアップライトな姿勢になります。ミッドコントロールのステップ配置が絶妙で、足を前に投げ出すこともなく、膝が自然に曲がる角度で安定。
このため、長時間乗っても疲れにくく、ツーリング時の快適性も高いです。
サスペンションは、フロントがテレスコピック、リアがツインショック。
街中の段差や荒れた舗装を走行しても、突き上げ感が少なく、程よい柔らかさで衝撃を吸収してくれます。
ただし、体重が重めのライダーや、荷物を多く積んだ状態では、リアの沈み込みがやや強く感じることもあるため、プリロード調整で対応すると良いでしょう。
街乗りでの印象:扱いやすくストレスフリー
街乗りメインで使用した際の印象は、「軽くて静かで楽」。
発進時のクラッチミートがスムーズで、低速での安定感も高いので、信号が多い都市部でもストレスがありません。
また、ステアリングが軽く、車体の重心が低いため、すり抜けや取り回しも容易。大型クルーザーにありがちな“取り回しの重さ”とは無縁です。
さらに、熱対策もよくできており、夏場でも足元が熱くなりにくい設計。
停車時もアイドリングが安定しており、振動は少なめ。マイルドで扱いやすい印象が強いモデルです。
ツーリングでの快適性と航続距離の課題
長距離ツーリングでは、快適性の高さが際立ちます。
500km程度の走行でも、シートの硬さや振動による疲労が少なく、休憩を挟みながら無理なく走り切れる印象です。
風防がない分、高速道路では風圧を受けますが、ライディング姿勢が自然なため、上半身への負担はそれほど大きくありません。
ただし、燃料タンク容量が12Lと小さめなのが唯一の弱点。
実燃費はリッター20〜25km前後のため、航続距離は200〜250kmほど。長距離ツーリングでは給油ポイントを意識して走る必要があります。
それでも、軽量な車体と安定したハンドリングのおかげで、疲労度はクラス随一といえます。
カスタム性と実用性の両立
エリミネーター400は、純正でも十分完成度が高いモデルですが、カスタムの余地も大きいバイクです。
SEモデルでは、USB Type-C電源ソケットやスマートフォン連携可能なTFT液晶メーターなど、現代的な装備を搭載。
これにより、ツーリングや通勤時の利便性も高く、デイリーユースにも向いています。
また、シートやハンドルの交換でポジションを調整しやすいのも魅力。
クラシックスタイルからスポーティなカフェカスタムまで、オーナーの個性を出しやすいベースバイクでもあります。
LEDヘッドライトやABSなど安全装備も標準で備えており、機能面でも抜かりがありません。
購入を検討している人へのアドバイス
エリミネーター400は、これからクルーザーに挑戦してみたいライダーにとって最適な1台です。
扱いやすいエンジン特性、足つきの良さ、軽快なハンドリングなど、初心者でも安心して楽しめる要素が揃っています。
一方で、ベテランライダーからは「肩の力を抜いて乗れるセカンドバイク」として支持されており、幅広い層に適したモデルと言えるでしょう。
気を付けたいのは、燃料タンク容量と荷物積載性。
ツーリングメインで使う場合は、シートバッグやタンクバッグを活用すると快適性が大幅に上がります。
また、カワサキ純正アクセサリーも充実しており、ライディングスタイルに合わせた拡張が容易です。
エリミネーター400の実際の走行性能と乗り心地のまとめ
エリミネーター400は、カワサキの技術と現代のライダー志向を融合させた完成度の高いクルーザーです。
スポーツバイク由来のエンジンは扱いやすく、それでいて十分なトルク感を持ち、街乗りでもツーリングでも頼もしい存在。
さらに、足つきの良さと快適なポジション設計によって、初心者からベテランまで幅広く楽しめるバイクに仕上がっています。
「軽くて扱いやすいクルーザーが欲しい」「街乗りでもツーリングでも快適に走りたい」
そんな人には、エリミネーター400は間違いなく有力な選択肢になるでしょう。
乗るたびに発見がある、懐の深い一台です。
