ランニングシューズ選びって、本当に奥が深いですよね。軽さを取るか、クッション性を取るか、スピードを優先するか──。
そんな中で、トレーニングでも本番でも頼れる万能型として注目されているのが「スーパーコンプトレーナーv3(New Balance FuelCell SuperComp Trainer v3)」です。
今回は、実際に履いて感じた履き心地や他モデルとの違い、走行感のリアルな印象をもとに、このシューズの魅力を徹底的に掘り下げていきます。
スーパーコンプトレーナーv3とは?厚底×カーボンの安定系ハイブリッド
スーパーコンプトレーナーv3は、ニューバランスの「FuelCell」シリーズに属するカーボンプレート搭載の厚底トレーニングモデル。
名前に“トレーナー”と付くだけあり、フルマラソン本番向けのスーパーシューズというよりも、日常の走り込みやロング走に最適な万能シューズです。
ミッドソールにはPEBAとEVAをブレンドしたFuelCellフォームを採用。柔らかさと反発性のバランスが絶妙で、着地のたびにふわっと沈み込みながらも、前へと押し出してくれる感覚があります。
ヒール高は約40mm、前足部は34mmと、いわゆる「合法限界厚底」。このボリュームがもたらすクッション性こそ、v3最大の特徴です。
さらに、内部にはEnergy Arc(エナジーアーク)構造のカーボンプレートを搭載。単なる反発プレートではなく、エネルギーを貯めて放出するように設計されており、スムーズな重心移動を助けてくれます。
実際に履いて走ってみた感想:やわらかさの中にある安定感
履いた瞬間に感じるのは、「包み込まれるような柔らかさ」。
FuelCellフォーム特有の低反発な沈み込みが心地よく、地面からの衝撃をかなり抑えてくれます。
ただ、柔らかいだけではなく、着地から蹴り出しまでの流れがスムーズで、足が自然と前に運ばれていくような感覚がありました。
数キロ走ると、このバランスの良さがさらに際立ちます。
他のカーボンシューズのように“跳ねる”感覚は控えめですが、代わりに脚を守りながらペースを保つ安定感が際立ちます。
ペースを上げすぎず、ロングランを気持ちよくこなしたい日には理想的な走り心地です。
特に印象的だったのは足首周りのサポート。
アッパーは通気性の高いエンジニアードメッシュで、ホールド感がありつつも圧迫感が少ない。長時間走っても足が蒸れず、フィット感が持続します。
軽快なテンポ走にも対応できるほどの安定性と快適性があり、「万能型トレーナー」としての完成度はかなり高いと感じました。
他モデルとの違いを比較:スーパーエリートv4との棲み分け
ここで気になるのが、同じニューバランスの「スーパーエリートv4」シリーズや、他社のカーボンシューズとの違いです。
まず、スーパーエリートv4などのレース向けモデルは、PEBA100%フォームを使い、より軽量で爆発的な反発力を誇ります。
そのため、スピード走や本番レースでは「跳ねる感覚」が強く、脚を積極的に使う上級者向け。
一方、スーパーコンプトレーナーv3は安定性と保護性能を優先しており、反発よりも“守りながら走る”感覚が強いです。
また、前作のv2と比べると、v3はフォーム素材の改良によってより軽く、弾むような履き心地になりました。
それでも依然として、他社の軽量カーボンモデルよりはやや重量がありますが、その分だけ脚への負担が少なく、疲労を翌日に残しにくいのが最大の魅力です。
長距離・ジョグ・LSDに最適な一本
スーパーコンプトレーナーv3の真価が発揮されるのは、20km以上のロングランやマラソン練習。
厚底クッションが脚への衝撃を吸収し、後半になってもフォームが崩れにくい。
柔らかすぎないので、接地の安定感も高く、特に後半の疲労局面でその効果を感じやすいです。
また、LSD(ゆっくり長く走るトレーニング)にも相性抜群。
「反発が強すぎると足が疲れる」という人には、v3のほどよい推進力が心地よく感じられるでしょう。
一方で、スピード練習やインターバルには少し重さを感じる場面もあるため、練習の目的に合わせて使い分けるのが理想です。
サイズ感とフィット感のポイント
サイズは通常のランニングシューズと同じで問題ないケースが多いですが、足幅が広めの方は2E(ワイド)モデルを選ぶと安心です。
アッパーのメッシュは伸縮性があり、甲高の人でも圧迫を感じにくい作り。
履き始めの数キロで少し硬さを感じることがありますが、馴染んでくると柔らかく、快適なフィット感に変化します。
また、ヒールカップの形状がしっかりしているため、かかとの浮きやブレも少なく、安定したフォームを維持しやすいです。
このあたりの作り込みは、トレーニング用として非常に信頼できます。
スーパーコンプトレーナーv3のメリットと注意点
メリット
- 柔らかいのに安定感がある、FuelCellフォームのバランス設計
- 長距離でも脚が疲れにくい優れたクッション性
- 通気性の良いアッパーと快適なホールド感
- カーボンプレートの自然な推進力で、ペース維持がしやすい
- 初心者〜上級者まで幅広く使える万能さ
注意点
- 軽快さより安定性重視のため、スピード練習にはやや不向き
- 他社のPEBA100%系シューズと比べると反発は控えめ
- ソールの厚みゆえに地面感覚は薄く、好みが分かれる
実際の使用シーン別おすすめ度
- ジョグ・LSD用:★★★★★(理想的なクッションと安定性)
- ペース走・ビルドアップ:★★★★☆(テンポ走にも対応可能)
- スピード練習・レース本番:★★★☆☆(もう少し軽さと反発が欲しい)
日々の走り込み用としてはこれ以上ない安心感があり、マラソンの仕上げ期に「距離を踏みたいけど脚を守りたい」というランナーにはぴったりの一足です。
総評:万能トレーナーの完成形、スーパーコンプトレーナーv3
総合的に見て、スーパーコンプトレーナーv3は「速く走るため」ではなく、「長く走り続けるため」のシューズです。
柔らかさ・安定性・反発のバランスが高水準で、フォームを崩さずに距離を積める安心感があります。
シリーズを重ねるごとにブラッシュアップされており、v3はその完成形と言っても過言ではありません。
普段のトレーニングで脚を守りながら質を上げたい人。
厚底シューズを試したいけど反発が強すぎるのは苦手という人。
そんなランナーにこそ、このモデルをおすすめしたいです。
スーパーコンプトレーナーv3レビューまとめ
柔らかいクッションの安心感と、程よい推進力のバランス。
これこそがスーパーコンプトレーナーv3の魅力です。
他のスーパーシューズとは一線を画す“安定感のある厚底”として、練習にもマラソン準備にも大活躍してくれるでしょう。
長距離練習の相棒を探しているなら、一度この履き心地を体感してみる価値があります。
