こんにちは。長年PORTERのバッグを愛用している、○○と申します。みなさん、最近ポーターのお値段、びっくりしませんでしたか?特に定番の「TANKER」シリーズの価格が大きく変わったことで、SNSやバッグ好きの間で「え、マジで?」「これはエグい…」と話題になっていますよね。
私自身、ショップで新品の価格タグを目にした時は、思わず二度見してしまいました。今日は、そんなポーターの大胆な価格改定について、愛用者として感じる率直な影響と、なぜこんなにも値上げが行われたのか、その背景を深掘りしてみたいと思います。
愛用者に直撃!「エグい」値上げの具体的な中身
まずは、実際にどのくらい値段が変わったのか、具体的な数字を見てみましょう。これが、多くのファンが「エグい」と感じる理由です。
一番衝撃が大きかったのは、1983年に誕生した看板シリーズ「TANKER」の全面リニューアルです。2024年春、このシリーズは「ALL NEW TANKER」として生まれ変わりましたが、その価格は従来と比べて約2倍に引き上げられました。例えば、人気のヘルメットバッグは7万2600円、ダッフルバッグは9万9000円へ。かつては3万円台、5万円台で手に入れられたことを考えると、これは確かに大きな変化です。
しかも、この値上げはTANKERだけにとどまりません。2024年6月には多くのシリーズで5〜15%の価格改定が実施され、さらに2025年1月からは「NEWTON BAG」シリーズの一部モデルで、実に50%近い値上げが告知されています。例えば「NEWTON DAY PACK S」は、32,000円から48,500円へ。これは、一般的な物価上昇の枠をはるかに超える、非常に思い切った変更と言えるでしょう。
なぜこんなに値上がりしたの? 二つの大きな背景
では、なぜここまで大胆な価格改定が行われたのでしょうか。背景には、大きく分けて二つの理由があると見られます。
背景その1:避けられなかったコストの上昇
一つは、多くの製造業が直面している、現実的な経済環境の変化です。ブランドを展開する吉田カバンも、公式に「度重なる原材料の価格高騰」を値上げの理由として挙げています。世界中で続くインフレの影響や、円安の進行、国内の人件費の上昇など、さまざまなコスト増が重なっています。
ポーターは創業以来、「職人の技術を守る」ことを大切にして、安易な値下げを避けてきたブランドです。だからこそ、素材や職人の技にかかるコストが上がれば、どうしても製品の価格に反映せざるを得ない部分があったのでしょう。これは事業を続けていく上での、ある意味で「覚悟」の決断だったのかもしれません。
背景その2:ブランドの大きな方向転換「プレミアム化」と「サステナビリティ」
しかし、単なるコストの転嫁だけでは、TANKERが約2倍になるほどの大幅な変更は説明しきれません。ここには、ポーターというブランドの未来を見据えた、戦略的な「方向転換」があるのです。
まず顕著なのが、「販売チャネルの劇的な絞り込み」です。以前のTANKERは全国約500店舗で購入できましたが、新生ALL NEW TANKERの取り扱いはわずか34店舗に限定されました。これは、商品の背景にある物語や価値を、きちんと理解してくれるお店だけに販路を集約したためです。一部の愛好家からは、「一般向けの良いカバンから、違いのわかる人だけに向けたプレミアムブランドへ変わった」という声も聞かれます。
そして、何よりも大きな変化が「素材」です。新生TANKERは、東レと共同開発した「100%植物由来ナイロン」を世界で初めてカバンに採用しました。原料はトウモロコシとヒマ。従来の石油由来素材から、地球環境に配慮した持続可能な素材へと、大胆に舵を切ったのです。
この決断には、「石油という有限資源に依存せず、50年後、100年後もこのアイテムを作り続けたい」という、ブランドの長期的な思いが込められています。開発に携わった技術者の話によれば、この新素材は強度や耐久性において従来品に引けを取らず、カバンに適した特性も備えているそうです。つまり、値上げの理由は「高いから高い」のではなく、「未来のために持続可能な素材に変え、その価値を理解してくれる人に届けるため」という、深い戦略に基づいているのです。
私たち愛用者に降りかかる、嬉しくも複雑な影響
この急激な変化は、私たちのような長年の愛用者に、さまざまな影響を与えています。
まずは、やはり「購入のハードル」が一気に高くなったこと。 かつては「ちょっと奮発すれば手が届く」憧れのブランドでしたが、今ではかなり計画的な買い物になりました。「2か月待ってやっと買った」というような気軽な気持ちでの購入は、難しくなってきていると感じます。
その一方で、「中古市場」への関心が以前よりも高まっているようです。状態の良い過去のモデルは、買取価格も堅調で、個人間の売買も活発です。新生TANKERの高価格化や在庫の限定化によって、「かつての定番モデルを中古で手に入れ、その良さを再認識する」という新しい楽しみ方をするファンも増えているように思います。
また、愛用者の間には、複雑な思いが交錯しているのも事実です。特に、90年代のヘルメットバッグブームを経験した世代からは、「みんなが憧れたあのポーターが、一部の人のためのブランドになってしまったのかも…」という寂しさや疎外感の声も聞こえてきます。
ブランドの生き残りをかけた挑戦だと理解し応援する人と、親しみやすさと実用性を失ったと感じる人の間で、ファンの温度差が生まれているように感じます。私自身、新品を即決で買うのにはためらってしまいますが、素材を環境配慮型に全面刷新するブランドの覚悟には、敬意と期待も抱いています。
市場はどう反応?ポーターの未来と私たちの選択
この「社運を賭けた」ような大幅な値上げと刷新に対して、市場はどのように反応しているのでしょうか。現時点の情報では、予想以上の成果を上げているとの見方もあるようです。
プレミアム化と販路の限定によって、一つひとつの商品の単価と利益率は向上するでしょう。その代わり、以前のような「誰もが知っている」大量販売の道は選ばなかった。これは、「広く浅く」ではなく、「狭く深く」愛される、真のラグジュアリーブランドを目指す選択だと解釈できます。
今後、ポーターにとっての最大の課題は、この高価格帯をずっと維持し続けられるだけの「価値」を、これからも生み出し続けられるかどうかでしょう。100%植物由来ナイロンは強力な第一歩ですが、革新は一度きりでは終わりません。デザイン、機能、そして何より「物語」において、私たち消費者が「納得できる」と思えるような進化を、これからも示し続けてほしいと願っています。
まとめ:愛し続けるために、変わらなければならない時
今回のポーターの「エグい」値上げは、単に世界経済の波に流された結果ではなく、100年先の未来を見据えた、能動的で大きな「決断」であったように思います。
私たち愛用者にとっては、手が届きにくくなる寂しさや悔しさは確かにあります。でも同時に、環境のために素材を根本から見直す姿勢や、「変わらずに在り続けるために、あえて大きく変わる」という覚悟には、心を動かされるものもあります。
ポーターは、「誰もが一度は憧れるカッコいいカバン」という普遍的な存在から、「その背景にある思想や技術を理解し、共感する人が選ぶ、持続可能なライフスタイルのパートナー」へと、その姿を更新しようとしています。
この賭けが成功するかどうかは、私たちのようなかつてのファンを含む、すべての消費者が、この新しいポーターの「物語」と「価値」を、どこまで自分のものとして受け入れ、支持し続けられるかにかかっています。時代も環境も、そして私たちの意識も確実に変化している今、ブランドもまた、変わらなければならない時が来たのでしょう。
