みなさん、こんにちは。いつもの食卓を彩るあの白い調味料、マヨネーズについて気になるニュースが続いていますね。2025年、そして2026年にかけて、主要メーカーから相次いで価格改定の発表がされているのです。
マヨネーズ価格上昇の波:各社の具体的な動向
まずは、実際にどのメーカーがどのような値上げを行っているのか、具体的に見ていきましょう。どうやらこれは一部の企業だけの問題ではなく、業界全体に広がっている流れのようです。
味の素株式会社は、2026年4月1日納品分から、ピュアセレクト マヨネーズをはじめとする家庭用・業務用の合計21品目について、約6%から10%の価格改定を行うと発表しました。主力商品である「ピュアセレクト マヨネーズ」が対象となっていることで、多くの家庭に直接的な影響があると言えるでしょう。
キユーピー株式会社も2026年3月2日出荷分から、調理食品と素材食品の一部28品目の価格を改定すると公表しています。こちらは明示的にマヨネーズ製品に言及されていませんが、マヨネーズを主原料とするドレッシングなどの関連商品を含む可能性が高いため、やはり無関係とは言えません。
一方、ケンコーマヨネーズ株式会社は2025年4月1日納品分から、すでに大規模な価格改定を実施しています。マヨネーズ・ドレッシング類やタマゴ加工品など、実に約1200品目を対象としており、値上げ率も約3%から最大45%と幅広く設定されました。この値上げは同社の中間決算に大きく貢献し、価格改定効果として約103億円の増益をもたらしたと報告されています。
なぜマヨネーズが値上げされるのか?背景にある複数の要因
ここまで各社の動向を見てきましたが、そもそもなぜこれほどまでにマヨネーズが値上げされるのでしょうか?理由は一つではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。
原料価格の高騰が直撃
マヨネーズの主原料といえば、食用植物油と鶏卵ですよね。実はこの二つが大きな問題になっています。
食用植物油については、ロシアとウクリフナの情勢が大きな影響を与えています。両国は世界のひまわり油輸出量の約7割を占めており、供給不安から価格が大きく上昇しました。
さらに鶏卵の価格も深刻です。鳥インフルエンザの発生や飼料費の高騰により、2024年末には過去最高値を更新。業界内では「エッグショック」とも呼ばれるほどの状況で、あるすき焼き店では、仕入れている高級卵が1パックあたり約150円も値上がりしたという報告もあります。
国内コストもじわり上昇
原料だけではありません。日本国内での様々なコストも確実に上昇しています。
・物流費:ドライバー不足と燃料費の高騰が重なり、運送コストが増加
・人件費:働き手不足の中、雇用を維持するためのコストが増大
・エネルギー・資材費:製造に必要なエネルギーやプラスチックなどの包装資材の価格上昇
これらすべての要因が重なり、メーカーは「企業努力だけで吸収することは極めて困難」と表明するに至っています。
消費者動向と業界のバランス感覚
値上げを考える際、メーカーは消費者の反応を無視できません。2025年は食品全体で2万品目以上が値上げされましたが、値上げ後の販売数量が落ち込むケースが相次ぎました。このため、2026年は価格転嫁のペースを抑える動きも見られています。帝国データバンクの調査によれば、2026年の値上げ品目数は約1万5000品目程度と、2025年より減少するとの見通しが示されています。
値上げが私たちの生活に与える影響
では、これらの値上げは実際に私たちの生活にどのような影響を与えているのでしょうか?
消費者の購買行動に変化が
まず、消費者の購買行動には明らかな変化が見られます。
・値上げ前の駆け込み需要:味の素の値上げ発表(2025年12月)のように、実施前に一時的に需要が伸びるケースが見られます。
・プライベートブランド(PB)へのシフト:スーパーやディスカウントストアの自社ブランド商品への需要が高まっています。価格が比較的抑えられているため、節約志向の消費者に選ばれています。
・健康志向の高まり:価格が上がることで、低カロリーや卵不使用(ビーガン)など、付加価値のある商品への関心も同時に高まっています。
飲食店の苦悩と工夫
外食産業にも大きな影響が出ています。
あるお好み焼き店では、マヨネーズの無料かけ放題をやめ、有料化するという対応に迫られました。多くの飲食店が、仕入れコストの上昇をメニュー価格に転嫁することの難しさを訴えています。
ただし、業務用市場では高付加価値商品が成長の契機となることも。ケンコーマヨネーズの薫るトリュフシリーズのように、少量でメニューに高級感を付与できる商品は、外食業界から好調な支持を受けています。
マヨネーズ市場の新たな潮流
短期的な値上げの動きとは別に、マヨネーズ市場には中長期的な構造変化も進行中です。
健康と環境への意識の高まり
消費者の健康意識や環境意識の高まりを受け、低脂肪、オーガニック、植物性原料を使用した商品への需要が世界的に拡大しています。
味の多様化とプレミアム化
ニンニク、チポトレ、トリュフ、わさびなど、風味を付加した「グルメマヨネーズ」が新たな市場を形成しています。値段は高くなっても、特別な味わいを求める消費者に支持されています。
アジア市場の成長
食の多様化や外食産業の発展に伴い、アジア太平洋地域が世界で最も成長が速い市場となっています。日本のメーカーもこの動向を注視し、対応を進めているところです。
メーカーの戦略:値上げだけではない対応策
各社は単純な値上げだけでなく、様々な戦略でこの困難な状況に対応しています。
・生産効率の向上:ケンコーマヨネーズは生産ラインの効率化によりコスト削減を実現し、業績向上に貢献させています。
・商品力による差別化:キユーピーはマヨソテーなど新しい使い方を提案し、万能調味料としての価値を訴求して使用頻度向上を図っています。
・市場の細分化:健康志向層向けの低カロリー商品や、業務用向けの高付加価値商品など、特定のニーズに応える商品開発を進めています。
これからの展望と私たちの選択肢
2026年は2025年ほどの大規模な値上げラッシュは収まる見込みですが、原材料高や国内コストの上昇は続くため、値上げそのものが止まるわけではないと予想されています。
専門家は、2026年が「値上げに慣れ始めた年」になる可能性を指摘しています。では、私たち消費者はどのように対応すればよいのでしょうか?
・プライベートブランドを選択肢に入れる:国産ブランドと比較し、価格が抑えられている場合があります。
・まとめ買いを検討する:適切な買いだめを検討するのも一つの方法です(ただし、浪費には注意が必要です)。
・代替品を探してみる:家庭で手作りするなど、マヨネーズに代わる調味料の活用を試みてみましょう。
・付加価値で選ぶ:健康機能など、自分にとっての付加価値が値頃感と感じられる商品を選ぶのも賢い選択です。
マヨネーズが2025年に値上げへ?各社の価格改定の行方
マヨネーズの値上げは、世界的な原料高という外部要因と、国内の物流費・人件費高といった内部要因が複合的に作用した結果と言えます。
各メーカーは2026年に向けて価格改定を実施または検討しており、私たちの家計や外食業界に影響を与えています。
しかし、市場では消費者の節約志向に応えるプライベートブランドの台頭や、健康・グルメ志向を捉えた新商品の開発など、新たな動きも生まれています。
これからも、コスト圧力と消費者の購買意欲の間で、メーカーの戦略的な価格設定と商品開発が重要な役割を果たしていくことでしょう。私たち消費者も、単に値上げを嘆くだけでなく、変化する市場の中で自分に合った選択をしていくことが大切なのかもしれません。
次にマヨネーズを手に取るとき、その背景にある様々な事情に思いを馳せてみるのも、現代の消費社会を理解する一歩になるのではないでしょうか。
