2024年9月、私たちがおなじみのサブスクリプションサービスに大きな変化がありました。楽天が提供する電子雑誌読み放題サービス「楽天マガジン」の料金が改定されたのです。これは、多くの利用者にとって身近なニュースだったのではないでしょうか。普段から雑誌を読むのが好きな方、お得に情報を得たいと考えている方にとって、この変更は気になるポイントですよね。
今回の記事では、なぜ楽天マガジンが値上げに踏み切ったのか、新料金は具体的にどう変わったのか、そして私たち利用者としては今後どう向き合っていけばいいのか、についてわかりやすくお伝えしていきます。サービスを続けるべきか、それとも他の選択肢を探すべきか、判断するための材料としてぜひ参考にしてみてください。
気になる新料金の具体的な中身
まずは、実際にどのように料金が変わったのかを確認してみましょう。今回の価格改定は、2024年9月1日に実施されました。
楽天マガジンの標準的なプランである一般向けの料金は、以下のように変更になりました。
月額プランでは、以前の418円(税込)から572円(税込)に変更となり、154円の値上げとなりました。年額プランでは、3,960円(税込)から5,500円(税込)へと1,540円アップしています。率にして、どちらも36~39%程度の値上げ幅となっています。
一方、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」をご利用の方には、従来通り割引が適用されます。その割引料金も、基準価格の変更に伴い調整されています。月額プランは293円から422円に、年額プランは2,772円から4,070円へと、それぞれ値上げとなりました。
気になるのは、すでに楽天マガジンを利用している既存ユーザーの扱いです。2024年8月31日までに契約していた方については、次の契約更新時から新料金が適用される仕組みとなっています。つまり、すぐに値上げの影響を受けるわけではなく、現在の契約期間が終わるタイミングで新しい料金になるということです。
競合サービスと比べてどうなの?
値上げを知ると、「他のサービスと比べてどうなんだろう?」と比較したくなるのが自然な感覚ですよね。そこで、楽天マガジンの主要な競合と見られる「dマガジン」(NTTドコモ提供)との比較をしてみましょう。
値上げ後の楽天マガジンの月額プランは572円です。dマガジンの月額料金は580円ですから、両者はほとんど同じ水準だと言えます。ここで注目したいのは年額プランの有無です。dマガジンには年額プランが用意されておらず、月額払いのみとなります。1年間利用すると、総額で6,960円を支払うことになります。
これに対して、楽天マガジンの年額プランは5,500円です。dマガジンの月額払いと比べると、年間で1,460円、1カ月あたりに換算すると約121円お得になる計算です。つまり、10ヶ月以上続けて利用する予定があるなら、楽天マガジンの年額プランを選ぶ方が依然として経済的だと言えるでしょう。
なぜ値上げが必要だったのか? その背景を探る
「どうして値上げしなければならなかったの?」という疑問を持たれる方も多いと思います。この値上げは、単に利益を増やすためではなく、サービスを継続し、より良いものにするための措置だと考えることができます。その背景には、大きく分けて3つの要因があると思われます。
まず、提供されているコンテンツの圧倒的な拡充です。楽天マガジンはサービス開始当初、約200誌からスタートしました。それが今では、別冊やムックを含めて1,600誌以上、バックナンバーも合わせると8,000冊以上という膨大なラインナップになっています。出版社に支払う権利料など、コンテンツを維持するコストは想像以上に大きいのです。
次に、サービスの品質や機能の向上があります。たとえば、1つのアカウントで複数の端末(スマホ5台、PCブラウザ2台まで)を利用できるマルチデバイス対応、雑誌をダウンロードしておけば通信環境の悪い場所でも読めるオフライン閲覧機能、PCの大画面で快適に読めるWebリーダーの導入など、ユーザーの利便性を高めるための継続的な投資が行われてきました。
3つ目は、楽天経済圏との統合による付加価値の提供です。楽天マガジンの利用で楽天ポイントが貯まり、そのポイントで料金を支払うこともできます。また、楽天モバイルユーザー向けの割引を維持しているだけでなく、2025年4月からは楽天モバイルユーザー限定で、月に3冊まで無料で読める「楽天マガジン ライト」というサービスも始まっています。こうした他のサービスとの連携を深めることにも、当然コストがかかっています。
サービスを始めた当初と比べると、提供する価値の量と質が格段に向上しています。その価値を維持し、さらに発展させていくためには、ある程度の料金見直しは避けられない判断だったと言えるかもしれません。
新規ユーザー獲得に向けた大胆なキャンペーンが進行中
価格が上がったことで「新規のユーザーは減ってしまうのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、楽天マガジンは値上げ後も、新規の方を獲得するために非常に積極的なキャンペーンを展開しています。
特に目を引くのが、期間限定で年額プランを実質的に無料同然の価格で提供するキャンペーンです。たとえば、2025年12月1日から2026年1月13日までの間は、新規で申し込む方を対象に、通常5,500円の年額プランがなんと990円で利用できるキャンペーンが実施されています。これは、通常料金の約82%オフという破格の安さです。
このキャンペーンの仕組みを詳しく見てみましょう。対象期間中に初めて楽天マガジンに申し込むと、まず31日間の無料お試し期間が設けられます。その後、初年度の1年間に限り、年額990円でサービスを利用できます。ただし、この超お得な価格は初年度のみの特典で、2年目からは自動的に通常の年額プラン料金(一般向けは5,500円、楽天モバイルユーザーは4,070円)に移行します。また、過去に楽天マガジンを利用したことのある方や、「楽天マガジン ライト」のユーザーはこのキャンペーンの対象外となります。
このような大胆なキャンペーンを値上げ後も継続している背景には、料金は上がったがサービスの質には自信があり、一度使ってみればその価値を実感して継続してくれるユーザーが増えるだろう、という楽天の考えがあるのかもしれません。
値上げ後の時代を賢く乗り切る活用法
料金が変わった今、私たち利用者はどう対応すればいいのでしょうか。賢く活用するためのポイントをいくつかご紹介します。
まず、これからも長期的に楽天マガジンを利用していくつもりなら、迷わず「年額プラン」を選びましょう。月額572円を1年間続けると合計6,864円になりますが、年額プランは一括で5,500円です。この差額1,364円は、月額プランの約2.4ヶ月分に相当します。1年間継続するなら、年額プランが圧倒的にお得です。
まだ利用したことのない方は、先ほどご紹介したような「年額990円キャンペーン」を大いに活用すべきです。31日間の無料お試し期間と合わせると、実質13ヶ月間を1,000円以下で楽しめることになります。特に雑誌が好きな方にとっては、これほどコストパフォーマンスの高い機会はなかなかないでしょう。
気をつけたいのは、キャンペーン価格は初年度だけだということです。2年目からは通常料金になるので、忘れずにスケジュールを管理しましょう。解約する場合は、更新日の前に手続きを済ませる必要があります。
値上げをきっかけに、他のサービスも検討してみる価値はあります。雑誌に特化した読み放題サービスとしては、先に比較したdマガジンがあります。楽天マガジンとラインナップが異なる雑誌もあるので、自分の読みたい雑誌がどちらにあるか確認してみるといいでしょう。
また、Amazonの「Kindle Unlimited」は月額980円で、雑誌だけでなく一般書籍や漫画、洋書など約200万冊が読み放題になります。雑誌だけではなく、幅広く読み物を楽しみたい方には魅力的な選択肢です。さらに、KDDIが提供する「auブックパス」のマガジンコースは月額418円と、値上げ後の楽天マガジンより安い料金設定ですが、取り扱い雑誌数が300誌以上と比較的限定的です。
サービスを選ぶ時に考えるべき本当に大事なこと
楽天マガジンの値上げは、単なる「値段の引き上げ」というだけでなく、コンテンツや機能、他サービスとの連携といった「提供する価値」の成長に合わせた、ある意味で必然的な価格の再設定だったと捉えることができます。
確かに値上げは、すでに利用している方にとっては嬉しいことではありません。しかし、楽天マガジンの本質的な価値は、業界トップクラスの雑誌数を、年額プランを選べば依然として比較的低コストで読み放題にできるという点にあります。
サブスクリプションサービスを選ぶ時、私たちはつい「1ヶ月あたりの料金」だけを見て判断しがちです。でも本当に考えるべきは、「自分が実際にどれだけのコンテンツを楽しむのか」と「1年を通して支払う総額」です。月に数誌以上は雑誌を読むという方、特に年額プランや新規キャンペーンを活用できる方にとって、楽天マガジンは今でも高い費用対効果を提供する選択肢の一つであることに変わりはありません。
楽天マガジンの値上げを理解し、自分に合った選択を
値上げのニュースは一見するとネガティブに感じるかもしれません。でもその背景を理解し、新料金の詳細を知り、そして自分自身の利用スタイルを見つめ直すことで、もしかしたらそれまで以上にサービスを楽しむきっかけになるかもしれません。
サービスが成長し、私たちに提供してくれる価値が増えていく過程で、時には料金の見直しも起こり得ます。大切なのは、提供される価値と支払う対価のバランスを、自分の目で確かめ、納得した上で選択を続けていくことではないでしょうか。今回の記事が、あなたにとって一番ぴったりの雑誌との付き合い方を見つけるためのヒントになれば嬉しく思います。
