こんにちは!家計の強い味方、業務スーパーが大好きな皆さん。最近、買い物に行って「あれ?鶏もも肉、以前より高くなってない?」と感じたことはありませんか?
私自身、夕食のメインを何にしようかと店内を歩いていると、ふと目に入る価格タグにちょっとした驚きを覚えることがあります。特に、家族全員で楽しめるボリューム食材として人気の鶏もも肉は、家計への影響も大きいですよね。
そこで今回は、「業務スーパーの鶏もも肉が値上げしているのか?」という疑問を起点に、最新の価格動向とその背景にある複雑な理由を、できるだけ分かりやすく探ってみたいと思います。
実は、業務スーパーだけじゃない?広がる鶏肉価格の値上げ傾向
まず、大前提として押さえておきたいのは、価格の上昇は業務スーパーに限った現象ではないということです。2025年末から2026年初頭にかけて、日本の鶏肉価格は全体的に上昇基調にあります。
例えば、東京の卸売市場では、2025年9月の国産鶏むね肉の平均価格が、前の年と比べてなんと5割以上も上昇し、過去最高値を記録したという報道がありました。小売の現場でも、横浜市のスーパーでは国産鶏もも肉の店頭価格が前年より約2割上がっているという声が聞かれます。
この流れは、業務スーパーにも当然影響を及ぼしています。低価格を強みとする同店ですが、原材料の調達コストが全体的に上がれば、それは最終的に商品の価格にも反映せざるを得ません。
つまり、私たちが目にする鶏もも肉の値上げは、一つの店舗や企業の都合ではなく、日本全体、さらには世界の市場が絡んだ大きな流れの一部なのです。
なぜ上がる?鶏もも肉の価格を押し上げる3つの要因
それでは、なぜこんなにも価格が上がってしまっているのでしょうか。主な理由は大きく3つに分けられます。
第一の要因は、飼料の値段が高騰していることです。
鶏が育つために必要なエサ、つまり飼料(トウモロコシや大豆かすなど)のほとんどは、海外から輸入されています。ここで大きな影響を及ぼしているのが「円安」です。飼料は通常、アメリカドルで取引されるため、日本円の価値が下がると、同じ量を買うのにより多くの円が必要になります。この増えたコストは、養鶏農家から食肉処理業者、小売店へと伝わり、最後に私たち消費者の負担となるのです。さらに、戦争や気候変動による干ばつなど、世界の不安定な情勢も穀物の供給や価格を不安定にさせ、日本の養鶏業を揺るがしています。
第二の要因は、鳥インフルエンザの発生です。
ニュースで「養鶏場で鳥インフルエンザが発生し、〇万羽を殺処分」といった見出しを目にしたことはないでしょうか。例えば、2025年には鳥取県の養鶏場で発生し、約7万5千羽の鶏が処分される事態が起きました。こうなると、その農場からの出荷は完全にストップし、地域全体の流通量がガクンと減ります。さらには、日本が多くを頼っているブラジルなどの輸入元でも発生すれば、海外からの入ってくる量も減ります。当然、市場に流通する鶏肉全体が少なくなり、価格が上昇するのです。農家さんたちも、ウイルスが入らないよう消毒を徹底したり、厳重な管理をしたりと、防ぐためのコストも増えています。
第三の要因は、止まらない物流・人件費などの上昇です。
飼料を農場に運び、大きく育った鶏を処理場へ運び、お肉を店舗に届ける——このすべての過程で、トラックの燃料代や運転手さんの人件費がかかります。燃料価格は変動しますし、運送業界は深刻な人手不足に悩まされています。また、養鶏場で働く人を確保するのも簡単ではなく、適正な賃金を支払う必要があります。こうした「持続的なコスト増」が、鶏肉の価格にじわりじわりと効いてきているのです。
面白い変化:もも肉よりむね肉が高騰?健康ブームの影響
ここで、非常に興味深い市場の変化があります。実は、価格上昇の勢いが特にすごいのは、実は「もも肉」ではなく「鶏むね肉」なのです。
これには明確な理由があります。それは近年の健康志向や筋力トレーニングブームです。鶏むね肉は、高タンパクで脂質が少ない「理想的な食材」として、特に健康や体型管理を気にする層から熱い支持を集めています。ジムに通う若者からは「値段は上がったけど、トレーニングには欠かせない」といった声も聞かれるほど。需要が強く、多少値段が上がっても買い続ける人が多いため、価格がどんどん押し上げられているという側面があります。
かつては、もも肉の価格の7割程度が鶏むね肉の相場でしたが、今ではその差がどんどん縮まっています。私たちの食と健康への意識の変化が、そのまま市場価格の変化につながっている、生きた例と言えるかもしれません。
私たちにできること:賢く買い物を続けるためのヒント
ここまで、少し厳しい現実をお伝えしてきましたが、嘆いていても始まりません。少しでも家計に優しい買い物を続けるために、今からでも実践できるヒントを考えてみましょう。
まずは部位の特徴を理解して、料理で使い分けることです。もも肉はジューシーでコクがあり、煮物や照り焼きに向いています。一方、鶏むね肉はパサつきやすいですが、蒸す、茹でる、薄く切って炒めるなどの調理法でおいしく食べられます。その日の献立に合わせて選ぶだけで、無理なくコストを調整できます。
業務スーパーの最大の強みである大容量パックを活用したまとめ買いも有効です。家に帰ってから一度に下処理をし、1回分ずつラップやフリーザーバッグに分けて冷凍保存すれば、単価を抑えられ、買い物の頻度も減らせます。
また、他のスーパーとの価格を時々チェックしたり、業務スーパーの特売日を把握したりするのも良いでしょう。業務スーパーは低価格を掲げていますが、全ての商品が常に最安値とは限りません。目利き力が、より一層問われる時代になったと言えます。
飲食店や小売店も苦労している?現場の工夫
実は、値上げに頭を悩ませているのは私たち消費者だけではありません。唐揚げ専門店や焼き鳥屋さんなど、鶏肉を主要な食材とする飲食店、そしてスーパーなどの小売店も、大きなジレンマに直面しています。
店側としては、お客様に喜んでいただくためには品質を落としたくない。かといって、すべてのコスト上昇を価格に転嫁すれば、お客様が離れてしまうかもしれない……。そんな中、様々な工夫が生まれています。例えば、高騰している骨付きもも肉の代わりに、比較的値頃な鶏むね肉を使った新メニューを開発したり、少量でも満足感のある調理法を研究したり。あるいは、「平飼い」や「特定の産地」など、素材そのものの付加価値を前面に出して、価格に見合う価値をしっかり伝えようとする動きもあります。
私たち消費者も、こうした現場の努力を知ることで、単なる「値上げ」という表面だけではない、ものづくりの大変さを理解できるかもしれません。
業務スーパーの鶏もも肉が値上げ?これからの展望と向き合い方
さて、最後に気になる今後の見通しです。専門家の分析によると、2026年は2025年のような急激な値上げの波は一段落する可能性があると言われています。しかし、飼料価格の高止まりや物流コストの問題など、根本的なコスト増の要因がすぐになくなるわけではありません。つまり、値上げそのものが「常態化」し、私たちは以前のような低価格が当たり前の世界には戻れないという覚悟が必要なのかもしれません。
そのような時代において、業務スーパーには、これまで以上に「低価格の最後のとりで」としての役割が期待されます。そのためには、独自の輸入ルートをさらに強化したり、プライベートブランド(PB)商品を開発してメーカー品に代わる選択肢を増やしたり、あるいは値上げの背景にある事情(円安や国際情勢)をお客様に分かりやすく伝える努力が必要になるでしょう。
私たち消費者にできることは、情報に振り回されず、必要なものを必要な分だけ賢く購入する「意識的な消費」を心がけること。そして、時には食卓の主役を鶏肉から魚や豆製品などにチェンジしてみるなど、柔軟な発想を持つことではないでしょうか。
業務スーパーの鶏もも肉が値上げしている背景には、世界と日本が直面する経済的、環境的な課題が凝縮されています。それを理解した上で、これからもおいしく、楽しく、食卓を囲み続けていきたいですね。
