「NASを導入したいけれど、HDD選びで失敗したくない」「できるだけ安く、でも壊れにくいHDDが欲しい」と悩んでいませんか?
写真や動画、仕事の大切なデータを守るNAS(ネットワークHDD)において、心臓部となるのがHDD(ハードディスク)です。しかし、いざ探してみると「NAS専用」や「デスクトップ用」、さらには聞き慣れない専門用語が並んでいて、どれが本当にお得なのか判断するのは難しいですよね。
2026年現在、HDDの価格推移や技術は大きく変化しています。かつての常識で選んでしまうと、数年後に後悔することになりかねません。
この記事では、NAS用HDDのコスパを徹底追求。初心者の方でも迷わない選び方のポイントから、今買うべきおすすめモデルまで、納得のいく情報を凝縮してお届けします。
なぜ普通のHDDではなく「NAS用HDD」を選ぶべきなのか
まず最初に解決しておきたいのが、「安いデスクトップPC用のHDDではダメなのか?」という疑問です。結論から言うと、大切なデータを守りたいなら、必ずNAS専用設計のモデルを選んでください。
24時間365日の連続稼働に耐える設計
デスクトップPC用のHDDは、1日8時間程度の利用を想定して作られています。一方でNASは、基本的に電源を切りません。24時間休まず動き続けることを前提としたNAS用HDDは、軸受けの摩耗対策や熱への耐性が格段に高められています。
振動によるエラーを防ぐ「RVセンサー」
NASの中に複数のHDDを並べて入れる場合、隣り合うドライブの振動が互いに干渉し、読み書きの速度低下や故障の原因になります。NAS用HDDには、この振動を検知して制御するRVセンサーが搭載されており、安定したパフォーマンスを維持してくれます。
RAID構成での相性問題
複数のHDDを1つのドライブとして扱う「RAID」を組む場合、エラー復旧のタイミングが重要になります。一般向けHDDではエラーが起きた際に修復を試みすぎて、NAS本体から「故障」と誤認され切り離されてしまうことがありますが、NAS用HDDはNAS側の制御と連携して適切に振る舞うよう調整されています。
失敗しない!コスパ最強のNAS用HDDを見極める3つのポイント
「コスパが良い」とは、単に価格が安いことではありません。「1TBあたりの単価が安く、かつ長く安心して使えること」が真のコスパです。選定時に必ずチェックすべき3つのポイントを整理しました。
1. 「CMR方式」であること(SMRは避ける)
これが最も重要です。HDDの記録方式には「CMR」と「SMR」があります。SMRは安価で大容量化しやすい反面、データの書き換えを繰り返すと極端に速度が低下する弱点があります。特にNASでRAIDを再構築(リビルド)する際、SMRのHDDだと処理が終わらずにエラーになるリスクが高いため、必ずCMR方式のモデルを選びましょう。
2. 容量単価(1TBあたりの価格)を計算する
2026年現在、最もお買い得なのは8TB、12TB、16TBあたりのモデルです。4TB以下のモデルは、HDD本体の製造コストや物流費の比重が大きくなるため、1TBあたりの単価で見ると割高になる傾向があります。「少し予算を足して8TBにしたほうが、将来的にHDDを買い足す回数が減って安く済む」という視点を持つのが賢い買い方です。
3. 保証期間とデータ復旧サービスの有無
一見高く見えるモデルでも、メーカー保証が5年付いていたり、無料のデータ復旧サービスが付帯していたりすることがあります。万が一故障して業者に復旧を依頼すれば、10万円以上の費用がかかることも珍しくありません。この「安心代」を含めて比較することが、トータルコストを下げる鍵になります。
2026年最新版:コスパで選ぶNAS用HDDおすすめ10選
ここからは、信頼性と価格のバランスに優れたおすすめのHDDを具体的に紹介していきます。
定番中の定番!Western Digital(WD)シリーズ
WDは世界シェアトップクラスの安心感があります。特にRedシリーズはNAS用HDDのパイオニア的存在です。
- WD Red Plusもっともバランスの良い選択肢です。5400rpm(回転数)のモデルが多く、消費電力と騒音が抑えられています。家庭用NASや、静かな部屋に置くNASに最適です。もちろんCMR方式なので安心です。
- WD Red Proより高い信頼性を求めるならこちら。7200rpmの高速回転で、保証期間が5年と長いのが特徴です。中規模オフィスや、頻繁に大容量データをやり取りするクリエイターに向いています。
- WD Goldもともとはエンタープライズ(企業サーバー)用ですが、実はNAS用よりも1TBあたりの単価が安くなるケースがあります。最高峰の耐久性を持ちながらコスパが良い「隠れた名機」です。
独自サービスが強力!Seagate IronWolfシリーズ
Seagateは、NASの状態を細かく監視する独自機能「Health Management」が有名です。
- IronWolfWD Red Plusのライバル機種です。多くのモデルでデータ復旧サービスが3年間付帯しているのが最大の特徴です。「物理的に壊れてもデータを助けてもらえる可能性がある」という安心感は、他社にはないコスパの源泉です。
- IronWolf Pro全容量で7200rpmを採用しており、高いパフォーマンスを発揮します。多ベイ(HDDを4台以上入れる)NASでの使用を想定した強力な振動対策が施されています。
- Seagate Exosデータセンター向けの超大容量モデルです。18TBや20TBといった巨大な容量を求める場合、専用のNASモデルよりもこのExosシリーズの方が安く手に入ることが多く、上級者に非常に人気があります。
高い技術力と低価格が魅力!東芝(Toshiba)シリーズ
国内メーカーとしての安心感と、スペックに対する価格の安さで選ぶなら東芝が有力候補になります。
- 東芝 N300NAS向けの高耐久モデルです。東芝のHDDは全体的に動作音がやや大きめと言われますが、その分、書き込み速度の安定感には定評があります。コスパ重視の自作NASユーザーによく選ばれています。
- 東芝 MGシリーズエンタープライズ向けのモデルですが、Amazonなどのセールで非常に安くなることがあります。とにかく壊れにくいHDDを、NAS専用ラベルよりも安く手に入れたい場合に最適です。
注目すべき最新の大容量モデル
- WD Ultrastar元々はHGSTブランドの流れを汲む、信頼性に定評のあるモデルです。現在ではWDブランドとして販売されており、20TBを超える超大容量帯でのコスパが際立っています。
- Synology Plus Series HDDSynology製NASを使っているなら、純正HDDも選択肢に入ります。ファームウェアの更新がNASの画面から直接行えるため、運用管理のしやすさという点でのコストパフォーマンスが高い一台です。
容量別:どれを買うのが一番「お買い得」か?
2026年の市場価格をベースに、容量ごとのコスパを分析します。
4TB〜6TB:初期投資を抑えたい方向け
一人暮らしのバックアップや、ドキュメント中心の保存なら十分です。ただし、1TBあたりの単価は高め。
8TB〜12TB:現在のもっとも「美味しい」ボリューム帯
動画保存や家族全員のバックアップを考えるならここ。容量単価がもっとも安くなりやすく、長く使えるためコスパは最高クラスです。
16TB以上:動画編集や本格的なデータサーバー向け
4K/8K動画を扱うなら、一気に大容量を積んでしまったほうが、将来HDDを入れ替える手間(工数コスト)を削減できます。
NAS用HDDの寿命を延ばし、トータルコストを下げるコツ
せっかくコスパの良いHDDを買っても、すぐに壊してしまっては意味がありません。運用面での工夫も「コスパ」の一部です。
温度管理を徹底する
HDDの最大の敵は熱です。NASを風通しの悪い棚の中に押し込んでいませんか? 本体の温度が上がると故障率は急上昇します。NASのファン設定を「冷却優先」にするか、周囲に十分なスペースを確保しましょう。
UPS(無停電電源装置)の導入
UPS 無停電電源装置急な停電や雷による電圧の変化は、HDDの基板を破壊します。数万円のHDDを何台も守ることを考えれば、1万円程度のUPSを導入しておくのは非常に効率的な投資です。
定期的なスクラブ(データ整合性のチェック)
NASのOSには、データの不整合を自動で修復する機能があります。月に一度程度のスケジュールで実行するように設定しておくだけで、「いざデータを開こうとしたら壊れていた」という悲劇を防げます。
まとめ:NAS用HDDコスパ最強の選び方で快適なデジタルライフを
いかがでしたでしょうか。NAS用HDD選びで迷ったときは、以下の3点を思い出してください。
- 「CMR方式」のNAS専用モデルを選ぶこと。
- 8TB〜12TB前後の、容量単価が安いモデルを狙うこと。
- 保証や復旧サービスの有無を確認し、トータルコストで判断すること。
家庭での思い出保存から、ビジネスにおける重要データの管理まで、HDD選びはそのままデータの安全性に直結します。
まずは自分がどのくらいの容量を必要としているかを把握し、予算に合わせてWD Red PlusやIronWolfといった信頼できるブランドから選んでみてください。
一見、初期費用が高く感じるかもしれませんが、数年間の安心と安定した動作を考えれば、NAS専用HDDこそが最も賢い選択になります。あなたにとって最適な一台を見つけて、大切なデータを末永く守っていきましょう。
この記事が、あなたのNAS用HDDコスパ最強の選び方の助けになれば幸いです。
