「千と千尋の神隠し」の主題歌で流れる、あの優しくてどこか懐かしい音色。耳にするだけで心がすーっと軽くなるような不思議な魅力を持つのが「ライアーハープ(竪琴)」です。
最近では、おうち時間で手軽に始められる癒やしの楽器として、SNSや動画サイトでも注目を集めていますよね。でも、いざ自分でも始めてみようとネットショップを覗いてみると、数千円から数万円まで価格もバラバラ。弦の数も7本だったり24本だったりと、どれを選べばいいのか立ち止まってしまう方も多いのではないでしょうか。
「せっかく買ったのに、難しくて弾けなかったらどうしよう」「安物を買ってすぐに壊れたら嫌だな」そんな不安を抱えているあなたのために、今回は失敗しないライアーハープ選び方のポイントを、初心者さんの目線に立ってどこよりも分かりやすく解説します。
ライアーハープと普通のハープ、実はこんなに違います
まず最初に、多くの人が混同しがちな「ハープ」との違いを整理しておきましょう。オーケストラなどで見かける大きなグランドハープや、アイリッシュハープとは、見た目は似ていても構造が少し異なります。
一般的なハープは、弦が楽器の本体(サウンドボード)に対して斜めに突き刺さるような形で張られています。それに対して、ライアーハープは弦が本体と平行、あるいは枠の中に収まるように張られているのが特徴です。
音色の違いもはっきりしています。ハープはナイロンやガット(羊の腸)の弦を使うことが多く、ポロンと柔らかくふくよかな音が鳴ります。一方、現代の主流である小型のライアーハープは、ギターのようなスチール(金属)弦が張られていることがほとんどです。
そのおかげで、オルゴールや風鈴のような、キラキラとした透明感のある高い音が響きます。サイズも1kgから2kg程度と、片手でひょいと持ち上げられるほど軽いので、場所を選ばず膝の上でリラックスしながら奏でられるのが最大のメリットです。
迷ったらこれ!後悔しない弦の数の選び方
ライアーハープ選びで最も頭を悩ませるのが「弦の数」ですよね。結論から言うと、大は小を兼ねますが、多すぎると調律(チューニング)が大変になるというジレンマがあります。
- 7弦タイプもっともシンプルな形です。多くの場合、レミソラシといった「ペンタトニック(五音音階)」で構成されています。これのすごいところは、適当に弦を弾くだけで、なんとなく心地よいメロディに聞こえること。音楽理論を知らなくても、瞑想やリラックスのために音を楽しみたい方、あるいはお子さんへのプレゼントに最適です。
- 10弦〜12弦タイプ少しだけ音域が広がります。簡単な童謡や短いメロディなら弾けるようになりますが、J-POPやジブリの曲を弾こうとすると「あ、この音が足りない!」という場面が出てきがちです。あくまで「導入用」として割り切る必要があります。
- 16弦〜19弦タイプここが初心者さんに一番おすすめの「黄金ゾーン」です。2オクターブ以上の音域があるため、有名な曲のほとんどをカバーできます。メロディを弾きながら、もう片方の手で簡単な伴奏をつけることも可能です。市販されている初心者向けの楽譜も、この16弦や19弦を基準に作られていることが多いので、一冊の本で長く楽しめます。
- 21弦〜24弦以上本格的にピアノ曲をアレンジして弾きたい方向けです。音域が広い分、表現力は抜群ですが、弦の間隔が狭くなるため、指が太い方やつま弾く感覚に慣れていない方は、隣の弦を触ってしまうことがあります。また、弦が多い分だけ調律に時間がかかることは覚悟しておきましょう。
これから趣味としてしっかり楽しみたいなら、まずは「16弦」か「19弦」からスタートするのが、コスパ的にも満足度的にも間違いありません。
音の響きが決まる!「ボディ構造」と「木材」の秘密
弦の数が決まったら、次は楽器本体の「形」と「素材」に注目してみましょう。ここをチェックするだけで、自分好みの音色に出会える確率がぐんと上がります。
板状か、箱型か
ライアーハープのボディには大きく分けて2つのタイプがあります。
一つは「ソリッドタイプ」。これは一枚の厚い木の板に弦を張ったタイプです。音量は控えめですが、音が非常にクリアで、一つ一つの音が濁らずに長く響きます。夜静かな部屋で自分一人で楽しむには、この繊細な響きがぴったりです。
もう一つは「ホロウタイプ」。ボディの内部が空洞になっていて、真ん中にサウンドホール(穴)が開いているタイプです。アコースティックギターと同じ仕組みで、空洞の中で音が共鳴するため、音量が大きく豊かな響きになります。家族に聞かせたい場合や、少し広い空間で弾くならこちらが向いています。
木材の種類で変わる音の性格
使われている木材(トーンウッド)によっても、音のキャラクターは変わります。
- マホガニー初心者向けモデルに最も多く使われています。非常に温かみのある、柔らかくて丸い音が特徴です。トゲのない優しい音を求めているなら、マホガニー製ライアーハープを選べば間違いありません。
- スプルース(松)ギターの表面材としても有名です。音の立ち上がりが良く、パッと明るい音が響きます。レスポンスが良いので、軽快な曲を弾きたい方におすすめです。
- メープル(楓)非常に硬い木材です。音も硬めで、キラキラとした高音が美しく、輪郭のはっきりした音色が楽しめます。
- ウォルナット(胡桃)落ち着いたダークな色合いが人気ですが、音も少し低重心で深みがあります。大人っぽい、しっとりした演奏に向いています。
自分の部屋のインテリアに合う色味で選ぶのも楽しいですが、どんな雰囲気の曲を弾きたいかをイメージして素材を選んでみてくださいね。
ネット通販で買うときに確認したい3つのチェックリスト
最近はライアーハープ 初心者セットのように、届いたその日から始められる便利なセットが人気です。ただ、あまりに安すぎるものの中には、作りが甘いものも混ざっています。購入ボタンを押す前に、以下の3点だけは必ず確認してください。
- チューニングペグ(弦を巻きつける金具)の精度ライアーは弦の張力が強いため、金具がしっかり固定されていないと、すぐに音が下がってしまいます。レビューを読んで「すぐにチューニングが狂う」「ネジがゆるゆる」といった書き込みがないかチェックしましょう。
- 必要な付属品が揃っているか特に「調律用レンチ」は必須です。これがないと音を合わせることすらできません。また、スチール弦は細いので、慣れないうちは調律中にプツンと切ってしまうこともあります。予備の弦が1セットついているものを選ぶと、いざという時に安心です。
- 音名ステッカーの有無初心者にとって、どの弦が「ド」なのかを見分けるのは至難の業です。弦の横に貼れる音名シールが付属していると、練習のハードルが劇的に下がります。もし付いていない場合は、自分でマスキングテープなどを切って代用する準備をしておきましょう。
演奏を続けるための最大のコツは「調律」にあり
ライアーハープを手に入れた後、多くの人が最初にぶつかる壁が「調律(チューニング)」です。実はこれ、ライアーハープ選び方と同じくらい大切な知識なんです。
ライアーハープは温度や湿度の変化にとても敏感です。さらに、新品の弦はゴムのように伸びようとする性質があるため、届いたばかりの数週間は、弾くたびに音がズレてしまいます。「壊れているのかな?」と不安になるかもしれませんが、これは楽器の特性なので安心してください。
毎日少しずつレンチで音を合わせていくうちに、だんだんと弦が安定して、音が狂いにくくなっていきます。
最近は便利なスマホアプリがたくさんあります。「楽器チューナー」や「ギターチューナー」といった無料アプリをダウンロードすれば、専用の機械を買わなくても、スマホを横に置くだけで簡単に音合わせができます。この手間を「楽器との対話の時間」として楽しめるようになると、上達も早くなりますよ。
憧れの曲を奏でるために!ライアーハープ選び方の総まとめ
ここまで、ライアーハープの構造から弦の数、素材まで詳しく見てきました。最後に、あなたのライフスタイルに合わせた選び方を整理しておきましょう。
もしあなたが「癒やしの時間が欲しいけれど、音楽の経験はあまりない」というのであれば、まずは16弦 ライアーハープのソリッドタイプを選んでみてください。コンパクトで扱いやすく、澄んだ音色にきっと驚くはずです。
「ジブリやディズニーの曲をしっかり演奏してみたい」という意欲があるなら、19弦〜21弦のホロウタイプがベスト。表現の幅が広がり、長く愛用できる相棒になってくれるでしょう。
ライアーハープは、技術を競うための楽器というよりは、自分の心を整えるための道具に近い存在です。完璧に弾こうとしなくても、その音色に身を委ねるだけで、日常のストレスがふっと消えていくような感覚を味わえます。
この記事を参考に、あなたにとって最高のパートナーとなる一台を見つけてください。指先から広がる美しい響きが、あなたの日常をより豊かなものにしてくれることを心から願っています。
素敵なライアーハープ選び方のヒントが見つかりましたか?自分にぴったりの一台を手に入れて、憧れのメロディを奏でる第一歩を踏み出しましょう!
