ウイスキー好きの間で長年愛されてきた「マッカラン12年」。その芳醇な香りとシェリー樽由来の奥深い味わいで、シングルモルトの定番として多くのファンを魅了してきました。ところが最近、「マッカラン12年が終売したのでは?」という噂が広がり、愛飲家の間でざわつきが起きています。果たして本当に販売終了なのか、そして今後どこで手に入るのか。今回はその真相と、マッカラン12年の魅力を改めて掘り下げていきます。
マッカラン12年は本当に終売したのか?
結論から言えば、「マッカラン12年」という名前のウイスキー自体が完全に終売したわけではありません。ただし、同じ「12年」でもシリーズによっては生産終了や流通終了になっているものがあり、結果的に「見かけなくなった」「買えなくなった」と感じる人が増えているのです。
マッカラン12年には、主に次の3種類があります。
- マッカラン シェリーオーク12年
- マッカラン ダブルカスク12年
- マッカラン トリプルカスク12年(旧ファインオーク)
このうち「マッカラン トリプルカスク12年」はすでに多くの市場でディスコン(販売終了)となり、入手困難になっています。一方、「マッカラン シェリーオーク12年」と「マッカラン ダブルカスク12年」は現在も一部の地域や正規代理店ルートで販売が続いています。ただし、国内での流通量は減少傾向にあり、「終売のように見える」状態が起きているのです。
つまり、マッカラン12年=終売ではなく、一部シリーズが終了・統廃合された結果、入手しづらくなっているのが現状といえます。
終売の噂が広がった理由
マッカラン12年が「終売」と言われるようになった背景には、いくつかの要因があります。
まずひとつは、世界的な原酒不足です。スコッチ業界全体で熟成年数の長い原酒が足りず、年数表記付き(Age Statement)ウイスキーの生産量が限られています。マッカラン12年も例外ではなく、若い原酒をブレンドしたノンエイジ(NAS)製品へのシフトが進んだことで、12年表記のボトルが希少化しました。
次に、シリーズのリニューアルも影響しています。かつて「マッカラン ファインオーク12年」として販売されていた商品が「マッカラン トリプルカスク12年」に変更され、その後このトリプルカスク版も一部地域で販売終了となりました。こうした仕様変更が重なった結果、「マッカラン12年が終売になった」と誤解されやすくなったのです。
さらに、流通経路の変化も見逃せません。正規代理店の取り扱い縮小や免税店限定ボトルの消滅、並行輸入の減少によって、一般消費者が目にする機会が減少。これも「終売」の印象を強めた要因となっています。
マッカラン シェリーオーク12年の特徴と魅力
マッカランといえば、やはり「シェリー樽熟成」。その伝統を最も体現しているのが「マッカラン シェリーオーク12年」です。
スペインのヘレス地方でシーズニングされたヨーロピアンオークのシェリー樽を使用し、12年以上熟成させたこの一本は、ドライフルーツやレーズン、ジンジャー、ナツメグといった香りが広がります。口に含むと、まろやかな甘みの中にスパイスとオークの深みが感じられ、余韻には温かみのあるジンジャーが残るのが特徴です。
愛飲家の間では、「レーズンチョコのような甘み」「シナモンのような余韻」「しっかりとしたボディ」といった表現で語られることが多く、マッカランの象徴的な味わいとして高く評価されています。
価格帯は以前より上昇しており、かつては1万円前後で手に入ったものが、現在では1万5,000円〜2万円台まで上がっているケースもあります。それでも、「これぞマッカラン」と言われる完成度の高さから、根強い人気を保ち続けています。
マッカラン ダブルカスク12年の魅力とシェリーオークとの違い
「マッカラン ダブルカスク12年」は、2016年に登場した比較的新しいシリーズです。ヨーロピアンオークとアメリカンオーク、どちらもシェリーでシーズニングした樽を使うことで、クラシックなマッカランらしさを保ちながらも、より柔らかくモダンな印象に仕上がっています。
味わいは、はちみつやトフィー、バニラの甘さが前面に出ており、マッカラン シェリーオーク12年よりも軽やかで親しみやすい口当たり。初めてシングルモルトを飲む人にも受け入れやすいバランス感が魅力です。
一方で、マッカランらしい濃厚さを求める層からは「ややライトすぎる」という意見もあります。とはいえ、食中酒としても楽しめる飲みやすさがあり、女性ファンやウイスキー初心者の入門ボトルとしても人気が高まっています。
マッカラン トリプルカスク12年の終売と希少価値
かつて「マッカラン ファインオーク12年」として親しまれたシリーズがリニューアルされたのが、「マッカラン トリプルカスク12年」。ヨーロピアンオーク・アメリカンオークのシェリー樽に加え、バーボン樽で熟成した原酒をブレンドすることで、柑橘やバニラの爽やかさを加えた新しいマッカランとして人気を博しました。
しかしこのシリーズは、近年ディスコン(販売終了)となり、現在では一部の並行輸入店やオークションでしか見かけません。終売の背景には、原酒の供給問題やブランド戦略の再編があるとみられます。
そのため、マッカラン トリプルカスク12年は今やコレクターズアイテムの一つ。状態の良いボトルはプレミア価格で取引されることも多く、「今後さらに入手困難になる一本」として注目されています。
今後の入手ルートと注意点
マッカラン12年を手に入れる方法は、主に以下の3つです。
- 正規代理店・専門酒販店での購入
国内の一部店舗では、マッカラン シェリーオーク12年やマッカラン ダブルカスク12年の在庫が残っていることがあります。正規ルートは安心ですが、在庫が限られており価格も高めです。 - 並行輸入・海外通販を利用する
海外ではまだ流通している国もあり、通販サイトで購入できる場合もあります。ただし、個人輸入には関税や送料、そして偽物リスクも伴うため注意が必要です。 - オークション・二次流通市場を活用する
終売となったマッカラン トリプルカスク12年や旧ボトルを探す場合は、ヤフオクや専用オークションサイトが有力です。ただし、保管状態や真贋の確認が難しいため、信頼できる出品者からの購入を心がけましょう。
いずれの場合も、価格が以前より大幅に上昇しているため、「飲むために買うのか」「コレクションとして保管するのか」を明確にしておくことが大切です。
愛飲家が語るマッカラン12年の価値
マッカラン12年の魅力は、単なる味わいだけではありません。長年変わらないブランドの世界観、そして時代とともに移り変わるボトルデザインや熟成の個性。それらが一体となって、愛飲家にとって特別な存在となっています。
「初めてのシングルモルトがマッカラン12年だった」という人も多く、12年ボトルは“原点”として記憶に残る一本です。また、終売の噂によって希少価値が高まり、「今のうちに手に入れたい」と考える人も少なくありません。
マッカランの魅力を語る上で欠かせないのは、その一貫した品質管理と熟成哲学。シェリー樽へのこだわりやナチュラルカラー(無着色)への姿勢は、他の蒸溜所にはないブランドの矜持を感じさせます。時代が移り変わっても、「12年」のボトルにはマッカランの魂が宿っているのです。
マッカラン12年が終売?その真相と今後の楽しみ方
マッカラン12年は、世界的に見ても依然として高い人気を誇るシングルモルトです。確かに一部シリーズは終売しましたが、「マッカラン シェリーオーク12年」や「マッカラン ダブルカスク12年」はまだ入手可能であり、ブランドの象徴として健在です。
ただし、今後も原酒事情や戦略変更により、販売形態が変わる可能性はあります。もしこのウイスキーに思い入れがあるなら、手に入るうちに1本確保しておくのも良いでしょう。
飲みながら、時代を超えて続くマッカランの歴史と哲学に思いを馳せる。そんな贅沢な時間こそが、ウイスキーを愛する人にとって最高の楽しみ方ではないでしょうか。
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