韓国ビールの代表格として知られる「ハイトビール」。一時期は韓国料理店や輸入食品店でよく見かけたこの銘柄ですが、最近「見かけなくなった」「もう売っていない」と感じる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ハイトビールが日本で終売といわれる理由や、販売終了の背景、さらに再販や代替商品の可能性について、できるだけわかりやすく解説していきます。
韓国を代表する「ハイトビール」とは？
ハイトビール（HITE）は、韓国の大手酒類メーカー「ハイト眞露（HiteJinro）」が製造するラガービールです。
1993年に誕生して以来、韓国国内では長く“国民的ビール”として親しまれてきました。軽やかでクセがなく、どんな料理にも合う飲み口が特徴。韓国焼肉やチキン、キムチチゲなどと一緒に飲む定番の組み合わせとして、現地では広く浸透しています。
韓国旅行の経験がある人なら、コンビニやスーパーで必ず見かけたはずです。それほど生活に溶け込んでいるビールでした。
日本で人気が高まったきっかけ
日本でハイトビールが知られるようになったのは、2010年前後。韓流ブームや韓国料理ブームの広がりとともに、韓国の食文化をまるごと楽しむ人が増えたことが背景にあります。
当時は韓国食材専門店や一部の輸入食品店、韓国料理店などを中心に流通しており、「現地そのままの味が楽しめる」と人気を集めました。
また、軽くて飲みやすい味わいが日本人の口にも合い、「アサヒスーパードライやキリン淡麗に近い感覚で飲める」と好評だった時期もありました。
ハイトビールが日本で見かけなくなった理由
それでは、なぜハイトビールが日本で“終売”といわれるようになったのでしょうか。
公式な「販売終了」の発表は確認されていませんが、複数の飲食店や輸入業者の情報から、実質的に日本での流通が止まっている可能性が高いと考えられます。
理由はいくつかあります。
1. 輸入・流通コストの高騰
海外ビールを日本で販売するには、輸送費・関税・酒税・保管コストなどが発生します。
特にコロナ禍以降、物流コストが上昇し、輸入ビール全体の価格が上がりました。採算が合わなくなり、販売を続けるのが難しくなった可能性があります。
2. ブランド戦略の変更
韓国国内では近年、「TERRA（テラ）」という新しいラガービールが大ヒットしています。ハイト眞露はこのTERRA（テラ）を主力商品として大々的に展開しており、ハイトビールの生産・輸出比率が下がっているとみられます。
実際、日本の韓国料理店でも「ハイトビールが手に入らなくなったので、代わりにTERRA（テラ）を扱っている」という声が複数見られます。
つまり、メーカー側がハイトビールからTERRA（テラ）へと主軸を移した結果、日本向けの輸入が自然と縮小した可能性が高いのです。
3. 日本市場での販売体制が縮小
ハイトビールはもともと限られた輸入業者が扱っていました。全国のスーパーやコンビニに常時並ぶような大規模展開ではなく、韓国食品店や専門輸入ルートが中心。
こうした流通構造では、少しでも供給が途切れると店頭から一気に消えてしまいます。特に2020年前後には「在庫が切れて注文できない」という報告が相次ぎ、結果的に“終売状態”と認識されるようになりました。
4. 日本のビール市場の変化
日本のビール市場は、クラフトビールや糖質オフ系・発泡酒など多様化が進んでいます。
消費者の嗜好も「軽い味」から「個性的な香りやコクのある味」へとシフトしており、ハイトビールのようなライトラガーは存在感を保ちにくくなりました。
国内大手メーカーの新商品ラッシュも続いており、輸入ビールにとっては厳しい市場環境といえます。
実際に「終売」といえるのか？
ここで重要なのは、「終売＝メーカーが販売を完全に終了した」という公式発表があるかどうかです。
ハイト眞露や日本の輸入代理店から“終売宣言”は出ていません。しかし、少なくとも日本市場では一般流通ルートで入手できない状態が続いており、実質的には「販売終了に近い状況」と考えられます。
つまり、「公式には終売とされていないが、実際には入手困難」というグレーな立ち位置です。
たとえば韓国現地では今も生産されているため、旅行者が現地で飲むことはできますし、個人輸入などで手に入れる人もいるようです。
再販・復活の可能性はある？
ファンとしては「もう一度飲みたい」「また日本で買えるようになってほしい」と思うところですよね。
では、再販の可能性はあるのでしょうか。
可能性は“ゼロではありません”。
韓国本社や日本の輸入代理店が再び販売を再開することは理論上ありえますし、流通ルートの再構築や限定輸入という形なら実現も可能です。
ただし、現時点ではメーカーが日本再導入を進めているという情報は確認されていません。むしろ「TERRA（テラ）」や「KLOUD（クラウド）」といった後継・新ブランドの輸入が拡大しているため、ハイトビール単体が再び日本で復活する可能性は低めといえます。
ハイトビールの代わりに楽しめる韓国ビール
「もうハイトビールがないなら、他の韓国ビールは？」という人も多いでしょう。
いま日本で比較的入手しやすい韓国ビールをいくつか紹介します。
- TERRA（テラ）：ハイト眞露が2019年に発売した新世代ラガービール。麦芽100％で、爽快な炭酸感と透明感ある味が特徴。日本でも正規輸入が始まり、韓国料理店やネット通販で見つかります。
- KLOUD（クラウド）：ロッテ系列のビールブランドで、ハイトよりコクと香りが強め。韓国コンビニでも定番です。
- CASS（カス）：韓国最大手「OBビール」の代表商品。軽くてスッキリとした味わいで、韓国ドラマや映画でもよく登場します。
これらはいずれも「韓国の今」を象徴するビールであり、ハイトビールを懐かしむ人にも親しみやすい選択肢といえます。
韓国ビール人気はまだ続いている
ハイトビールが姿を消しても、韓国ビールそのものの人気はむしろ高まっています。
韓国料理ブームは続いており、チキン店や韓国居酒屋が日本各地で増加中。韓国ビールは料理との相性が抜群で、食文化とともに再評価されています。
最近では、オンラインショップや輸入食材サイトで韓国ビールをまとめて購入する人も増えており、再び韓国系ブランドの流通量が伸びているとも言われます。
そのなかで「TERRA（テラ）」や「CASS（カス）」が新たなスタンダードになりつつある一方で、「やっぱりハイトビールが一番好きだった」という声も根強く残っています。
ハイトビールを探す方法
もし「どうしてももう一度飲みたい」という場合は、以下のような手段が考えられます。
- 韓国旅行や韓国スーパーでの購入（現地ではまだ生産・販売中）
- 輸入食品を扱う専門店での在庫確認
- 海外通販サイトを利用した個人輸入（※アルコール輸入に関する法令・規制を必ず確認）
ただし、ネット上での転売品や長期保管品は品質劣化の可能性があるため、信頼できる販売元から購入するのが安心です。
ハイトビールが残したもの
ハイトビールが一世を風靡した時代、日本の韓国料理ブームを支えた立役者のひとつでした。
シンプルで軽快な味わいは、韓国の食文化そのものを象徴していたともいえます。
いまは姿を消してしまったとしても、韓国ビールの歴史の中では確かな存在感を放ち続けています。
そして、新たに登場したTERRA（テラ）やKLOUD（クラウド）などのブランドが、そのバトンを引き継いでいる。
ハイトビールの終売は、ひとつの時代の終わりであると同時に、韓国ビールの進化の過程でもあるのです。
ハイトビール 終売の真相とこれから
改めてまとめると、ハイトビールは日本ではほぼ流通が止まり、実質的に終売状態です。
理由は、輸入コストの上昇やブランド戦略の転換、そして市場環境の変化など複数の要因が重なった結果。
とはいえ、韓国本社が完全に製造をやめたわけではなく、今も現地では販売が続いています。
もし再び日本で復活することがあれば、懐かしさとともに“韓国ビールの原点”をもう一度味わえる日が来るかもしれません。
それまでの間は、TERRA（テラ）やKLOUD（クラウド）などの後継ブランドを楽しみつつ、あの頃のハイトビールの爽やかな喉ごしを思い出してみるのも良いでしょう。
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