フランスの老舗調味料ブランドとして知られる「ポメリーマスタード」。独特の粒感と陶器のような瓶のかわいらしさで、料理好きの間では長年愛されてきました。ところが最近、「ポメリーマスタードが終売になったらしい」「どこにも売っていない」という声が相次いでいます。
この記事では、ポメリーマスタードの終売・販売終了の真相や、今でも購入できる店舗、代替品について詳しく調べてみました。
ポメリーマスタードとは?長く愛されてきたフランスの伝統調味料
まずは「ポメリーマスタード」というブランドについておさらいしておきましょう。
ポメリー(Pommery)はフランス・ムーズ地方のメスにある老舗マスタードメーカーで、創業は18世紀とも言われる歴史あるブランドです。中でも代表的なのが「ポメリー 粒マスタード」。丸い陶器瓶に封蝋が施され、まるでワインのような高級感があります。
一般的なチューブ入りのマスタードよりも酸味がまろやかで、粒のぷちぷちした食感が特徴。肉料理やサラダ、ソース作りにも使いやすく、プロのシェフから家庭の料理愛好家まで幅広く支持されてきました。
ポメリーマスタードが終売?ネットや店舗で確認された動き
ここ数年、SNSや通販サイトなどで「ポメリーマスタードが終売になった」「どこにも売っていない」という声が増えています。
実際に業務用・一般向けの販売チャネルを調べてみると、次のような情報が確認できました。
- 食品卸サイトでは「ポメリー 粒マスタード 500g 販売終了のため商品番号を変更」と記載。
- 食材専門ECサイトでは「終売」と明記されており、在庫がなくなり次第販売終了。
- 一部卸業者の資料には「終売理由:メーカー」との注釈があり、製造元側での生産終了を示唆。
つまり、少なくとも一部の販売ルートではすでに「メーカー終売」として扱われているのが現状です。
長年定番だった商品が突然姿を消してしまった背景には、何があったのでしょうか。
終売・販売終了の背景にある「原料不足」と「供給不安」
ポメリーマスタードの終売が報じられるようになった背景には、フランス全体のマスタード生産危機が関係していると考えられます。
2021年〜2022年にかけて、原料となるマスタードシード(からし菜の種)の供給が大きく落ち込みました。
特に主要な原料供給国であるカナダが異常気象による猛暑・干ばつに見舞われ、生産量が激減。さらにウクライナ情勢の悪化により輸入ルートが不安定化し、原料の調達が困難になったのです。
フランス国内でも「スーパーの棚からマスタードが消えた」「レストランでソースの味を変えざるを得ない」といったニュースが話題になりました。
ポメリーはフランス産マスタードの象徴的存在であるため、この供給問題の影響を受けた可能性は非常に高いと考えられます。
メーカーの生産停止か?それとも一時的な休売なのか
一部の情報では「終売」ではなく「一時休売」という表現も確認されています。
フランスや日本の輸入販売店がSNSで「原料不足のため一時休売となります」と告知していた例もあり、完全に製造を打ち切ったわけではない可能性もあります。
つまり、
- 原料が確保でき次第、再生産・再入荷される見込みがある
- 一部仕様変更やパッケージ変更を伴ってリニューアル販売される可能性がある
といった余地も残されています。
ただし、現状では明確な再販時期やメーカー公式の再開アナウンスは確認できません。そのため、店頭や通販で見かけた場合は「在庫限り」と考えた方がよいでしょう。
どこで買える?ポメリーマスタードが入手できる店舗・通販
2025年現在、ポメリーマスタードを扱う店舗はかなり限られています。
ただし、以下のようなルートでまだ在庫が見つかることがあります。
- 輸入食品専門店
成城石井、紀ノ国屋、北野エースなどの輸入調味料コーナーでは、まれに在庫が残っていることがあります。
ただし、入荷頻度は不定期で、店舗によってはすでに取り扱い終了。 - オンライン通販サイト
Amazonや楽天市場などでは、販売業者によっては在庫品を出品しているケースがあります。
価格が通常より高く設定されていることもあるため、購入時は販売元と価格に注意が必要です。 - 業務用食材卸サイト
飲食店向けの仕入れサイトでは、類似商品や後継品が紹介されていることがあります。「商品番号変更」などの記載がある場合は、後継版の可能性があります。 - フランス直輸入や個人輸入ルート
国内での入手が難しくなったため、海外ECサイトから直接購入する人も増えています。ただし送料・関税が高くつく点や、食品輸入に関する注意点を確認する必要があります。
いずれにせよ、今後も安定して流通する保証はないため、見つけたら早めに確保しておくのが安心です。
代替品・おすすめの粒マスタード
「ポメリーマスタードの味が好きだったのに…」という人に向けて、代わりになりそうな粒マスタードも紹介しておきます。
- マイユ 粒マスタード
フランスを代表するマスタードブランドのひとつ。酸味がやや強めで、ステーキやハムに相性抜群。スーパーでも比較的手に入りやすいです。 - ディジョンマスタード
粒なしタイプが多いですが、なめらかで辛味のキレが特徴。料理に深みを出したいときにおすすめ。 - 国産クラフトマスタード
最近は日本でも「クラフトマスタード」ブランドが増えています。山梨や長野などの小規模メーカーが作る粒マスタードは、素材の味を活かした個性的な味わいがあります。
もちろん、完全にポメリーマスタードと同じ味わいではありませんが、「近い風味」や「新しい発見」として楽しむのも一つの方法です。
ポメリーマスタードが終売になった理由をまとめると
ここまでの情報を総合すると、ポメリーマスタードの終売・販売終了は次のような要因が重なった結果だと考えられます。
- 原料のマスタードシードが気候変動・戦争の影響で不足
- 原料価格や輸送コストの高騰
- 陶器瓶など高コストな包装による採算悪化
- 輸入・流通の安定性が失われたことによる供給不安
つまり、単に「売れなくなった」から終売したわけではなく、国際情勢と環境要因が大きく関わっているのです。
今後の再販の可能性はある?
2025年時点では、ポメリーマスタードが正式に再販されるという情報は確認されていません。
ただし「一時休売」という表現や「商品番号変更」の案内があることから、製造体制や輸入経路の見直し後に新仕様で再登場する可能性は残されています。
フランス国内でもマスタード種子の国内生産拡大に向けた取り組みが進められており、今後数年で供給が安定すれば、ポメリーブランドの再開も期待できるかもしれません。
ポメリーマスタードを見つけたら“買い”の理由
終売や休売が続く商品は、流通在庫がなくなると一気に希少化します。
特にポメリーマスタードは保存期間が比較的長く、開封前なら常温で保管できるため、見つけたタイミングで購入しておくのが賢明です。
また、瓶のデザインも人気が高く、使い終わった後にインテリアや小物入れとして再利用する人も多いです。
“味”と“見た目”の両方で魅力のある調味料だからこそ、入手できるうちに楽しんでおく価値があります。
ポメリーマスタード終売の真相と今後への期待
ポメリーマスタードの終売は、単なる販売戦略の変更ではなく、世界的な原料危機や輸入事情が背景にあると見られます。
それでも「またあの味に出会いたい」というファンの声は根強く、今後の再販を望む声が後を絶ちません。
現時点では在庫限りの販売が中心ですが、もし再びポメリーマスタードが店頭に並ぶ日が来たら、きっと多くの人が歓声を上げるはず。
それまでは、代替のマスタードを楽しみながら、フランスの伝統の味が戻ってくる日を待ちたいですね。

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