マルサン味噌が終売？長年愛された味噌の販売終了理由と今後の展開

「マルサンの味噌、最近見かけないけど、終売なの？」
そんな声が、SNSやスーパーの売り場でじわじわと広がっています。
長年、家庭の食卓を支えてきたマルサンアイの味噌。その「終売」報道が事実だとしたら、少なからずショックを受ける人も多いでしょう。

今回は、「マルサン味噌終売」というキーワードで話題になっている背景と、実際に何が起きているのか、そして今後の展開についてわかりやすくまとめます。

マルサン味噌、本当に終売？公式発表から見える現実
終売の背景①　工場の老朽化と維持コストの限界
終売の背景②　原材料・エネルギーコストの高騰
終売の背景③　味噌市場の縮小と世代交代
終売となった具体的な商品たち
リニューアル品・後継品も登場している
消費者の声：「あの味が好きだったのに」
マルサンアイが描く「これからの味噌づくり」
今買えるマルサン味噌と代替の選び方
マルサン味噌終売の意味──“終わり”ではなく“進化”
まとめ：マルサン味噌が終売？長年愛された味噌の販売終了理由と今後の展開

マルサン味噌、本当に終売？公式発表から見える現実

まず結論から言うと、マルサンアイの味噌商品の多くは、2025年3月をもって製造を終了しています。
マルサンアイが公表した資料によれば、同社の本社みそ工場（愛知県岡崎市仁木町）は老朽化や設備維持費の問題などを理由に、2025年3月をもって生産を停止するとのこと。

つまり「味噌事業から完全撤退」ではありませんが、長年愛されてきた定番商品は順次終売という流れが進んでいるのです。

スーパーでも「純正こうじみそ」や「減塩純正こうじみそ」など、定番の赤ラベルや白パッケージ商品が消えつつあり、「在庫限り」として販売されているケースも確認されています。
日常的に使っていた人ほど、「棚から消えている」実感があるのではないでしょうか。

終売の背景①　工場の老朽化と維持コストの限界

マルサンアイの本社みそ工場は、建設から50年以上が経過。
老朽化した設備では、近年求められる衛生基準・品質管理・効率性を保つことが難しくなっていました。

同社の発表では、「老朽化に伴う改修コストの増大」「品質・安全性の確保」「将来的な事業継続リスク」などが製造終了の主な要因として挙げられています。

味噌づくりは伝統的な製法を守りながらも、現代ではHACCP対応設備や温湿度制御など、莫大な設備投資が必要です。
それを古い建屋のまま維持することは、企業規模を問わず簡単なことではありません。

終売の背景②　原材料・エネルギーコストの高騰

味噌の主原料といえば、大豆・米麹・塩。
そのいずれも、近年は価格高騰が続いています。
特に国産大豆の確保は年々難しく、エネルギーコストや資材価格の上昇も重なり、製造コストの圧迫は深刻でした。

マルサンアイに限らず、味噌業界全体で「価格転嫁」か「縮小」かという選択が迫られており、同社は最終的に「品質を守るための撤退」という決断を下した形です。

これは単なる「採算割れ」だけでなく、**“味噌の品質を下げるくらいなら生産を終える”**という企業の姿勢でもあります。

終売の背景③　味噌市場の縮小と世代交代

もうひとつの要因が、味噌市場そのものの縮小です。
総務省の家計調査によれば、家庭での味噌購入量はこの10年で約3割減少。若年層の「味噌汁離れ」も顕著です。

マルサンアイも例外ではなく、主力事業が味噌から豆乳飲料などの健康系商品へと移行しています。
実際、同社の最新決算では「豆乳事業の伸長が全体を牽引し、味噌事業は構造改革中」と明記されています。

つまり、マルサンアイは「味噌メーカー」から「総合食品・飲料メーカー」への転換を進めている真っ最中なのです。

終売となった具体的な商品たち

今回の製造終了により、以下の定番商品が終売対象となりました。

これらはマルサンアイの“家庭用味噌”を代表する主力ラインでした。
地域によってはまだ在庫が並んでいることもありますが、順次姿を消していく見込みです。

リニューアル品・後継品も登場している

「もうマルサンの味噌が買えないの？」
実はそうとも限りません。
マルサンアイは、同時にリニューアル版の新商品を発表しています。

代表的なのが「国産純正こうじみそ蔵出し生」や「味の饗宴 15割麹生 500g」など。
従来よりも容量を抑えつつ、100％国産素材にこだわる“プレミアム味噌”としてリスタートしています。

リニューアル版は原料の品質を高めた分、価格はやや上昇傾向。
また、容量も750g→500gに減っており、「より質を求める少量高品質路線」への転換が見て取れます。

つまり今回の終売は、“安価な味噌の撤退”ではなく、“価値を高めた味噌への再構築”なのです。

消費者の声：「あの味が好きだったのに」

SNSや掲示板では、こんな声が相次いでいます。

「長年“純正こうじ”を愛用していたのに、店頭から消えた」
「どこにも売っていない。終売って本当？」
「新しい味噌はちょっと高いけど、香りが良い」

地元・愛知県では、マルサンアイの工場閉鎖がニュースでも報じられ、味噌出荷量が前年比で約半減したとも言われています。
つまり企業だけでなく、地域の産業やスーパーの売り場にも大きな影響が出ているのです。

マルサンアイが描く「これからの味噌づくり」

マルサンアイは、今後も味噌の製造を完全にやめるわけではありません。
ただし規模を大幅に縮小し、「量より質」を重視した生産体制へと移行します。

生産拠点は信州のグループ会社・玉井味噌などに移される見通しで、伝統的な製法を活かしながらも、より高品質・小ロットでの生産に切り替えるとのこと。
“量産型みそメーカー”から、“価値ある味噌を届けるメーカー”へ──。
この方向転換は、業界の新しい流れとしても注目されています。

今買えるマルサン味噌と代替の選び方

もし従来のマルサン味噌が手に入らなくなった場合、いくつかの選択肢があります。

在庫を探す
　ネット通販や地方スーパーでは、まだ終売前の在庫が残っている場合もあります。
　「純正こうじみそ」「減塩こうじみそ」などの商品名で検索してみると良いでしょう。
リニューアル版を試す
　「国産純正こうじみそ蔵出し生」や「味の饗宴 15割麹生」などは、風味が近く、むしろグレードアップした印象。
　味わいの方向性が好みなら、こちらが実質的な後継品になります。
他社のこうじ味噌を探す
　ハナマルキやマルコメなどのこうじ系味噌にも、マルサンに近い甘口・まろやか系の味わいがあります。
　好みに応じて選びやすい時代になっています。

マルサン味噌終売の意味──“終わり”ではなく“進化”

「終売」と聞くと少し寂しい響きがありますが、今回のマルサン味噌の動きは“終わり”ではなく、“次のステージ”への転換と言えます。

古い工場の幕を閉じ、品質を磨いた新しい味噌として再出発する。
その背景には、長年培った発酵技術への誇りと、時代の変化に合わせた柔軟な経営判断が見えます。

日本の味噌文化は、決して途絶えません。
マルサンアイの新しい味噌も、これからの食卓に合う形で再び愛されていくでしょう。

まとめ：マルサン味噌が終売？長年愛された味噌の販売終了理由と今後の展開

最後にもう一度整理します。

マルサンアイは2025年3月で本社みそ工場を閉鎖
多くの定番味噌（純正こうじみそ・減塩純正こうじみそ・赤だしなど）が終売
理由は老朽化・コスト上昇・市場縮小・事業転換
代わりに国産素材を使ったリニューアル品が登場
「量」から「質」への方向転換で味噌づくりを継続

つまり、“終売＝消滅”ではなく、“進化のための区切り”なのです。
長年愛されてきたマルサン味噌の味は、形を変えてこれからも生き続けていくでしょう。