最近、「マルティーニ ロワイヤルが終売したらしい」という声を耳にした方も多いのではないでしょうか。
SNSや酒販サイトでも「在庫限り」「メーカー終売」などの表記が見られ、ファンの間では“あの華やかなボトルが消えたのでは”と話題になっています。
この記事では、マルティーニ ロワイヤルの終売（販売終了）情報やその背景、そして代わりに楽しめる似た味わいのカクテルについて、ゆるやかに解説していきます。
マルティーニ ロワイヤルとは？華やかなイタリア生まれのスパークリングカクテル
マルティーニ ロワイヤル（Martini Royale）は、イタリアの老舗ブランド「マルティーニ＆ロッシ（Martini & Rossi）」が手掛けたスパークリングワインベースのカクテルです。
ブランド自体は19世紀創業で、ヴェルモットやプロセッコなどを中心に展開する“アペリティフの象徴”的存在。
このロワイヤルシリーズは、そんなマルティーニブランドが“もっと手軽にカクテルを楽しんでほしい”というコンセプトで生まれたものでした。
瓶を開けるだけで華やかなスパークリングカクテルが完成する、いわゆる「RTS（Ready to Serve）」タイプ。
氷を入れたグラスに注げば、それだけでおしゃれな一杯になる、そんな気軽さが人気を呼びました。
代表的なフレーバーは2種類。
白ワインベースの「マルティーニ ロワイヤル ビアンコ」と、ほんのりピンクの「マルティーニ ロワイヤル ロザート」。
特にロザートは、ラズベリーやレモンのフルーティーさにスパイスが香る甘やかな味わいで、2015年には日本でも販売されていました。
ミントやライムを添えると香りが立ち、見た目も華やか。まさに“おうちイタリアン・アペリティフ”を象徴する一本でした。
本当に終売？販売終了の事実を確認
では、マルティーニ ロワイヤルは本当に終売してしまったのでしょうか。
国内の販売元である「バカルディ ジャパン株式会社」の公式サイトを見ると、マルティーニブランドの「販売終了商品一覧」に“ロワイヤル”の記載があります。
つまり、公式として“販売終了（終売）扱い”であることが確認できるのです。
また、酒販サイトでも「メーカー終売のため在庫限り」「販売終了」といった表示が並び、現在はほとんどの店舗で在庫がなくなりつつあります。
一方で、公式から明確に「〇年〇月に終売」と発表されたわけではないため、「いつ終わったのか？」という点は曖昧なままです。
ただ、流通在庫が減少し、販売元でも“終了商品”として扱われている現状からみて、実質的には終売が確定したと考えてよいでしょう。
終売の背景にある3つの可能性
明確な公式コメントがない以上、背景を推測するしかありません。
ここでは、業界の動向や製品の性格から考えられる3つの要因を挙げてみます。
1. RTD／RTS市場の再編とブランド整理
「マルティーニ ロワイヤル」はRTS（すぐ飲める）タイプのボトルカクテル。
こうした商品群は一時期人気を博しましたが、近年では市場構造が変化しています。
低アルコール飲料や缶チューハイが飽和する中で、各メーカーはより収益性の高い主力ブランドに集中する傾向があります。
マルティーニブランドも、プロセッコやヴェルモットなど“本流”への回帰が進み、RTSラインが整理された可能性があります。
2. 原材料コストと輸入コストの上昇
マルティーニ ロワイヤルは、イタリア産のワイン・ヴェルモット・香草を組み合わせた繊細な商品。
円安や物流費の高騰、ブドウ価格の上昇などの影響を受けやすく、価格維持が難しくなったとも考えられます。
特にガラス瓶・輸送コストの上昇は、RTSタイプのボトル製品には大きな負担です。
3. 消費者トレンドの変化
近年は「クラフト」「無糖」「健康志向」などの流れが強まり、甘めのスパークリングカクテルは以前ほど支持を得られなくなっています。
「自分で作るカクテル」や「本格的なスプリッツ」が好まれる中、あえてボトル入りカクテルを買う層が減ったことも影響しているでしょう。
これらの要素が重なり、ブランド全体のラインナップ見直しの中でロワイヤルシリーズが整理されたと見るのが自然です。
マルティーニ ロワイヤルの味わいを振り返る
マルティーニ ロワイヤルの魅力は、なんといっても“爽やかさと華やかさのバランス”でした。
白ワインの発泡感に、マルティーニ ビアンコ由来のハーブとバニラ香。
そこにミントとライムを合わせれば、軽やかでリゾート気分すら感じられる一杯に。
飲み口はほんのり甘く、食前にも食中にも合う。
アルコール度数は8〜10％前後と低めで、お酒が得意でない人でも楽しめました。
また、氷をたっぷり入れた大きめのグラスで飲むスタイルが印象的で、“イタリアの休日”を思わせる雰囲気が人気の理由でもありました。
終売後に試したい「似た味わい」のカクテル
マルティーニ ロワイヤルが手に入らなくなった今でも、あの軽やかな味わいを再現することはできます。
ここでは、近いテイストのおすすめカクテルをいくつか紹介します。
● 自宅で再現できる簡単レシピ
「マルティーニ ビアンコ」と「マルティーニ プロセッコ」を1：1で混ぜるのが基本。
氷をたっぷり入れたワイングラスに注ぎ、ライムスライスとミントを添えれば完成です。
この組み合わせこそが、実はロワイヤルの原型。シンプルながら驚くほど似た味わいになります。
● アペロール・スプリッツ
プロセッコとアペロール（オレンジリキュール）をソーダで割る、イタリア定番のアペリティフ。
色鮮やかで甘苦く、ロワイヤルのように軽やか。
食前酒としてもおすすめです。
● ベルモット・スプリッツ
「ビアンコ」や「ロッソ」といったヴェルモットをソーダで割るだけでも、ハーブの香る爽快な一杯になります。
こちらはロワイヤルよりもすっきりとした味わい。夏の昼下がりにぴったりです。
これらを試してみると、「ああ、ロワイヤルってこういう味だったな」と思い出す方も多いはず。
終売は残念ですが、少し工夫すれば“あの味”は再び楽しめます。
終売によって見えるブランドの今とこれから
マルティーニは今も世界中で愛されるブランドです。
ロワイヤルこそ姿を消したものの、マルティーニ アスティやプロセッコ、ヴェルモット・ビアンコなど定番ラインは健在。
さらに、ノンアルコール・ヴェルモットやスプリッツ用の低アルコールシリーズなど、時代に合わせた商品展開も進んでいます。
つまり、ロワイヤルのDNAはブランドの中にしっかり受け継がれているのです。
もし「ロワイヤルが好きだった」という方は、ぜひマルティーニの他のボトルにも目を向けてみてください。
特に「マルティーニ ビアンコ＋マルティーニ プロセッコ」の組み合わせは、まさにロワイヤルの再現そのものです。
マルティーニ ロワイヤル終売を惜しみつつ、次の一杯へ
マルティーニ ロワイヤルの終売は、多くのファンにとって少し寂しいニュースです。
しかし、その華やかでフレッシュな味わいは、マルティーニというブランドの本質そのものでもあります。
ボトル入りカクテルという形は終わっても、ライムとミントの香りに包まれた一杯は、今もグラスの中で再現できます。
“終売＝終わり”ではなく、“新しい飲み方の始まり”として、次の一杯を楽しんでみてはいかがでしょうか。
マルティーニ ロワイヤルという名前が消えても、その心地よい余韻は、きっとこれからも多くのグラスの中で息づいていくはずです。
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