「最近、メイバランスカップゼリーが見つからない」と感じている方、多いのではないでしょうか。介護食や栄養補助食品として長年愛用されてきたこのゼリーが、終売(販売終了)になったという噂が広がっています。この記事では、その実情と考えられる背景、そして今後の代替品選びのポイントを、やさしく整理してお話しします。
メイバランスカップゼリーとは?少量で栄養が摂れる頼れるゼリー
「メイバランスカップゼリー」は、明治が展開する栄養ケアブランド「メイバランス」シリーズのひとつ。
少量でもしっかり栄養が摂れるように設計されたゼリーで、介護施設や病院、在宅ケアの現場で広く使われてきました。
1個あたり約80kcal、たんぱく質4g前後、さらに11種類のビタミンと12種類のミネラルをバランスよく配合。
「ストロベリー」「ぶどう」「バナナ」「メロン」「マンゴー」「パイナップル」など、飽きにくい味のバリエーションも人気でした。
嚥下(えんげ)や咀嚼(そしゃく)に配慮された柔らかい食感で、「歯ぐきでつぶせる」形態として設計されていた点もポイント。食欲が落ちがちな高齢者や病中・病後の栄養補助として重宝されていた製品です。
終売の情報は本当?公式発表はなくても流通では販売終了が進行中
結論から言うと、「メイバランスカップゼリー」はすでに多くの流通チャネルで終売扱いになっています。
明治の公式サイトには製品情報ページが今も残っているものの、販売代理店や介護用品通販サイトでは「販売終了」「在庫限り」「取扱終了」といった表示が目立ちます。
例えば、介護・医療関連の通販カタログでは2023年以降「在庫限り」と明記され、2024年時点では多くが注文不可の状態です。
さらに、医療・介護用品を扱う卸業者の資料には、メイバランスカップゼリーの一部品番が「2023年6月終売」と記載されています。つまり、メーカーからの供給はすでに終了しており、現在流通しているのは在庫分に限られていると考えられます。
公式なプレスリリースは確認されていないものの、販売チャネル上では「実質的な終売」が進行しているのが現状です。
なぜ終売になったのか?考えられる背景と市場の動き
明治がこの人気商品を終了させた背景については、いくつかの要因が考えられます。
公表はされていませんが、業界動向から読み解ける範囲で整理してみましょう。
1. シリーズ再編とリニューアルの流れ
メイバランスブランドは発売から30年以上が経ち、ラインナップの整理やリニューアルが進められています。
最近では「メイバランスソフトJelly」「メイバランスMiniカップ」「メイバランスブリックゼリー」など、より高たんぱく・高カロリーな新シリーズが充実してきました。
従来のカップゼリーよりも「少量でより多くの栄養を摂れる」タイプが増え、結果的に旧仕様のカップゼリーが置き換えられたと見るのが自然です。
2. 市場ニーズの変化
介護・栄養補助市場では、「高たんぱく」「高エネルギー」「飲み込みやすさ」「持ち運びやすさ」など、より細かいニーズが重視されるようになりました。
ゼリー形態も、スプーンで食べるカップ型から、直接吸えるパウチ型・飲料型へと主流が移っています。
メイバランスカップゼリーのような58gサイズは扱いやすい反面、「もう少しエネルギー量が欲しい」「開封がやや手間」という声もあり、こうした利用者の変化も製品再編の一因と考えられます。
3. 製造・流通コストの高騰
近年、原材料や容器資材、物流コストの上昇は食品メーカー全体に影響しています。
小容量製品は1個あたりの包装コストが高く、利益率が低下しやすい傾向があります。
そのため、同シリーズ内でより効率の良い形態に生産を集中させることも、戦略的な判断としてあり得ます。
終売で困る人も多い?介護・栄養サポート現場の影響
この終売によって、最も影響を受けるのは介護・医療の現場です。
特に在宅介護や施設で「食が細い方」「嚥下機能が低下した方」の栄養補助に使っていた場合、代替製品の選定が急務になります。
「小さいカップで手軽に栄養補給できたのに」「味に慣れていたのに」――そんな声も聞こえてきます。
ゼリーの食感や味、温度によって摂取意欲が変わる方も多いため、単純に別製品へ切り替えるだけでは済まないケースもあります。
在庫を確保している販売店もありますが、在庫限りのため価格上昇や供給不安も発生しています。
一時的な対応としての「買いだめ」ではなく、長期的に継続できる代替品を探すことが大切です。
メイバランスカップゼリーの代替候補:注目の栄養ゼリーたち
ここからは、カップゼリーの代替として利用しやすい代表的な栄養補助ゼリーをいくつか紹介します。
どれも医療・介護現場での利用を想定しており、嚥下配慮や栄養設計がしっかりしています。
● メイバランスソフトJelly
同じブランド内で最も近い後継品とされるゼリータイプ。
たんぱく質7.5g、200kcalと、旧カップゼリーの倍以上の栄養密度。
「りんご」「コーヒー」「ストロベリー」など味も豊富で、介護食としても使いやすい構成です。
● 森永 クリニコ エンジョイゼリー
エネルギー・たんぱく質・ビタミンをバランスよく含み、飲み込みやすさにも配慮。
多彩な味展開で飽きにくく、在宅ケアでも人気の高い製品です。
● クリニコ エンジョイプロテインゼリー
たんぱく質強化タイプで、筋力維持を重視する方向け。
カップ型でありながら、滑らかな食感が特徴です。
● アサヒグループ食品 バランス献立シリーズ
介護食ブランドとして定評があり、ゼリー・ムース・飲料など多彩な形態を展開。
特に「すっきりおいしいゼリー飲料」は嚥下しやすく、栄養補給と水分補給を同時に行えます。
● 日清オイリオ MCTゼリー
中鎖脂肪酸(MCT)を配合し、効率的なエネルギー補給が可能。
咀嚼・嚥下に配慮した設計で、カロリーを効率よく摂取したい方に向いています。
代替品選びで気をつけたいポイント
- 栄養バランス:
たんぱく質・エネルギー・ビタミン・ミネラルの構成を確認。医師や管理栄養士の指導がある場合は、それに沿って選びましょう。 - 嚥下・食感の確認:
「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」など、UDF区分(ユニバーサルデザインフード)表示を確認するのがおすすめです。 - 味のバリエーション:
好みの味を見つけることが継続のコツ。1箱単位で購入する前に、少量パックやアソートで試すのも良いでしょう。 - 入手のしやすさ:
介護用品専門店、ドラッグストア、オンライン通販(Amazon・楽天など)で取り扱い状況を確認。安定供給されている製品を選ぶと安心です。
メイバランスカップゼリー終売のまとめとこれから
「メイバランスカップゼリーが終売になった」というニュースは、多くの利用者にとって寂しい知らせです。
しかし、メーカーは製品を単に終了したのではなく、より高栄養・高機能な新シリーズへと進化させていると見ることができます。
これまでカップゼリーを使ってきた方は、まず在庫の確認を。そして次の一歩として、自分や家族に合った代替製品を探してみましょう。
「食べる」ことは生きる力そのもの。形が変わっても、そのサポートをしてくれる食品は必ずあります。
これからも、介護や栄養ケアを支える食品たちは進化し続けます。
「メイバランスカップゼリー終売」という話題をきっかけに、より自分に合った栄養補助の形を見つけていきましょう。

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