アイラモルト好きの中でも根強い人気を誇る「ラフロイグ ロア」。その中でも“伝承”を意味する特別な一本が「ラフロイグ ロア（Laphroaig Lore）」です。
近年、このボトルが「終売になったのでは？」という噂がSNSや愛好家の間で広がっています。果たして本当に生産終了なのか、まだ買えるのか、そして今後の展開はどうなるのでしょうか。ここでは、現時点で分かっている情報を整理しながら、その真相を探っていきます。
ラフロイグ ロアとは？その由来と特徴
ラフロイグ ロアは、スコットランド・アイラ島の名門「ラフロイグ蒸留所」が2016年に発表したシングルモルトです。
「Lore（ロア）」という名前には、“語り継がれる物語”や“伝承”といった意味が込められています。蒸留所長だったジョン・キャンベル氏が、創業以来の技術と哲学を次世代に伝える思いから生まれたボトルです。
特徴的なのは、年数表記のない「NAS（ノンエイジ）」仕様でありながら、7〜21年もの幅広い熟成年数の原酒をヴァッティングしている点です。ヨーロピアンオークの新樽やファーストフィル・バーボン樽といった複数の樽を組み合わせることで、ラフロイグらしいスモーキーさに複雑な甘みや重厚感を加えています。
アルコール度数は48％と高め。香りにはピートスモーク、レザー、海藻、バニラ、そして熟成したオークが共存し、まさに「伝承」の名にふさわしい深みを持っています。
日本での発売と定価
日本では2016年9月、サントリーが正規輸入元としてラフロイグ ロアを発売しました。
定価は約11,000円前後で、当時の「ラフロイグ 10年」や「ラフロイグ18年」が終売になっていたこともあり、“後継モデル”として注目を集めました。
しかし、初回入荷は数量限定だったようで、発売直後に完売した店舗も多く見られました。そのため「一度きりの限定品」と誤解されやすく、これが“終売説”が広まった原因の一つとも考えられます。
終売の噂は本当？現状を徹底調査
まず結論から言うと、「ラフロイグ ロアが正式に終売」と公式に発表された事実は確認されていません。
ラフロイグ公式サイトでは現在も「Laphroaig Lore」として商品ページが存在し、説明文には「7〜21年の原酒を使用した複雑なブレンド」と明記されています。
一方で、日本国内では多くの販売店が「在庫限り」や「終売の可能性あり」と記載しており、流通量が極端に減少しているのは確かです。
また、Amazonや楽天などのオンラインショップでは並行輸入品が中心となっており、価格が以前の倍近くに高騰しているケースもあります。
なぜ「終売」と言われているのか？噂の背景
1. 原酒ストックの不足
ラフロイグでは、15年や18年といった年数表記モデルが次々と終売になってきました。これは単純に「原酒の在庫が足りない」ことが大きな理由。
ロアに使われている7〜21年原酒も同様に確保が難しく、一定の数量しか生産できない状況にあると考えられます。
2. 限定バッチ生産方式
ラフロイグ ロアは毎年のバッチごとに少量生産されており、「年1回リリースされる限定的なモデル」として扱われている可能性が高いです。
海外のレビューサイトでは「Annual batch release」と表現されており、年ごとに微妙に味わいが異なる“エディション”として位置付けられています。
3. 正規流通の終了
日本ではサントリーが正規輸入を行っていましたが、2020年代に入り一部のアイテムを整理した影響で、ロアの定常輸入が終了している可能性があります。
つまり「世界的に終売ではないが、日本市場では販売終了」といった状況が起きているわけです。
現在の購入状況：まだ買えるのか？
2025年現在、国内で新品のラフロイグ ロアを見つけるのはかなり困難になっています。
大型量販店や百貨店ではほぼ在庫がなく、酒専門店やネットショップでも「並行輸入品」「旧ラベル」「終売モデル」と明記されていることが多いです。
それでも、探せば入手できる可能性はあります。特に以下のようなルートでの在庫が報告されています。
- 並行輸入業者によるヨーロッパ流通ボトル
- 酒販店のバックヤード在庫
- オークションサイトやフリマアプリ
ただし、価格は以前の1.5〜2倍程度に高騰しています。将来的に入手が難しくなるリスクを考えると、気になっている方は早めの確保が無難でしょう。
今後の展開を予測：復活の可能性はある？
ラフロイグは近年、終売モデルの再発売を積極的に行っています。たとえば「ラフロイグ18年」は長らく生産終了していましたが、限定復刻版として再リリースされました。
この動きを見ると、ラフロイグ ロアも完全に消える可能性は低いと考えられます。
ブランドの方向性として、ラフロイグは「年数表記モデル」と「NASモデル」を並行展開する傾向があります。ロアはその中でも特別な“語り部”のようなポジションで、将来的には新バッチ版や限定樽フィニッシュ版として再登場する可能性もあります。
一方で、原酒構成の関係から同じ味わいを再現するのは難しく、「別物」としてリブランドされる可能性も考えられます。たとえば「Lore 2026 Edition」「Laphroaig Master’s Story」などの新しいシリーズとしての再編も十分あり得るでしょう。
ラフロイグ ロアを愛する人へ：今できること
もしあなたがラフロイグ ロアのファンなら、次の3つを意識しておくといいでしょう。
- 現行品を見かけたら即チェック
在庫がある店は減っており、次回入荷は未定。見つけた時が“買い時”です。 - 保存環境を整える
コレクションとして長期保存する場合は、直射日光と温度変化を避けましょう。ピート香を長持ちさせるには冷暗所保管が理想です。 - 他のNASモデルも試す
ラフロイグには「セレクト」「PXカスク」「クオーターカスク」など、NASながら高品質なモデルが揃っています。味わいの系譜を辿るのも楽しみ方のひとつです。
ラフロイグ ロア終売の真相と今後の期待
結論として、「ラフロイグ ロア」は世界的に完全な終売ではなく、日本市場での流通が縮小している状況と見るのが現実的です。
公式の生産終了アナウンスは出ていませんが、在庫が減少しているのは事実。原酒ストックや販売戦略の都合上、今後もしばらくは入手困難な状態が続くでしょう。
しかし、ラフロイグというブランドは「伝統を守りつつ新たな挑戦を続ける蒸留所」です。ラフロイグ ロアという象徴的なボトルが、この先どのような形で再登場するのか——その“伝承”はまだ終わっていません。
あなたがこのページにたどり着いた今こそ、ラフロイグ ロアの物語に再び触れるチャンスです。
もし店頭やネットで出会えたら、それはきっと「最後の一滴」を味わう絶好のタイミングかもしれません。
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