「玄関ドアが勢いよく閉まる」「ドアクローザーからオイルが漏れている」──そんな症状が出たとき、古い住宅やアパートでよく見かけるのが NHNドアクローザー52。特に「52」と刻印されたモデルは全国的に多く使われてきました。
ところが、いざ交換しようとしても「NHNが見つからない」「代替品がわからない」という声が多いのが現実です。
この記事では、**NHNドアクローザー52**の代替品や互換性、おすすめの交換モデルについて、最新の情報をもとに詳しく解説します。
NHNドアクローザー52とは?廃番になった理由と現状
かつて「NHN(ニッカナ/ダイハツディーゼルNHN株式会社)」は、国内で高いシェアを誇るドアクローザーメーカーでした。
その中でも「50シリーズ(刻印:52、53など)」は、集合住宅やアパート、戸建て玄関ドアなどに多く採用されていました。
しかしNHN社は2009年に事業を終了。純正のドアクローザーは現在生産されておらず、公式の後継モデルは存在しません。つまり、今使っているNHNドアクローザー52が故障した場合、代替品での交換が唯一の選択肢になります。
ドア上部の本体プレートに「NHN 52」と刻印されていれば、それが今回の記事で扱う対象機種です。
NHN52を交換するときに注意すべきポイント
まずは、代替品を選ぶ前に確認しておくべき基本条件を整理しておきましょう。
- 本体取付寸法:178mm(ネジ穴ピッチ)
- アーム形状:段付き/フラットの2タイプあり
- 扉サイズ・重量:幅900mm以下、重量45kg以下が目安
- ストップ機能の有無を確認(ドアを一定角度で止める機能)
特にネジ穴位置が重要です。ドアや上枠のブラケット穴位置が異なると、再度穴あけが必要になることもあります。
できるだけ「既存穴をそのまま使える取替用モデル」を選ぶのが理想です。
NHNドアクローザー52に使える代替品
① RYOBI 取替用ドアクローザー S-202P
最も定番で評価が高いのがリョービの「S-202P」。
既存のネジ穴をそのまま使える「取替用万能型」として知られており、NHN52SP/152SPなど旧型品への互換性も確認されています。
- 左右兼用で取り付け可能
- 閉扉速度・ラッチ速度の調整が容易
- ストップ付き/無しが選べる
- 扉幅900mm以下、重量45kg以下に対応
DIYでも取り付けやすく、価格も手頃。メーカー純正が手に入らない現状では、最も実用的な代替候補です。
② NEWSTAR PSXシリーズ
日本ドアーチェック製造(NEWSTAR)は、旧型・他社製ドアクローザーの取替対応を専門的に行っています。
PSXシリーズは「既存穴対応型」で、NHN50シリーズ(刻印52・53)に対応可能とされています。
- 取付穴を加工せずそのまま装着できる場合が多い
- ストップ機能の有無を選択可能
- 国内メーカー製で信頼性が高い
旧型ドアへの互換を重視するなら、**NEWSTAR PSXシリーズ**が最も確実です。
公式サイトでは適合表も公開されているため、ドアの刻印と寸法を照らし合わせて選びましょう。
③ Dr.クローザ NHN52交換用セット
専門ショップ「Dr.クローザ」が販売している、NHN52刻印用の交換セットも高評価です。
特に「積水ハウス」などで使われていたアパートドア用に設計されており、既存ネジ穴そのままで取り替え可能。
- 純正互換品に近い外観・取付感
- 積水ハウス・アパート対応型として実績多数
- DIYでの取り替えマニュアル付き
見た目や動作感を極力変えたくない人におすすめです。価格はやや高めですが、確実に取り替えたい場合に向いています。
互換性チェックリスト:購入前に確認しておくこと
ドアクローザーは「なんとなく合いそう」で買うと失敗します。
以下のチェックポイントを順に確認すれば、互換性の有無を判断しやすくなります。
- ドア上部の刻印が「NHN 52」か確認する
- ストップ付き/なしを確認する(止めたい位置でドアが止まるか)
- ネジ穴の形状をチェック(横一列4穴、ちどり4穴、L字など)
- アーム形状を確認(段付き/フラット)
- 扉の重量・幅を測定(900mm以下・45kg以下が目安)
- 開閉方向(右開き/左開き)を確認
- 外観を重視するならカラーもチェック(シルバー・ブラウンなど)
上記を確認してから「取替用」「万能型」「旧NHN対応」と明記されたモデルを選ぶと安心です。
取り付けのコツと注意点
NHNドアクローザー52の交換は、基本的にDIYでも可能です。
ただし、いくつかのポイントを押さえておくとスムーズに作業できます。
- まず古いクローザーの位置を写真で撮っておく(取り付け位置の参考に)
- ドライバー一本で外せるが、ネジが固い場合は潤滑剤を使用
- 新しいクローザーを仮固定して、閉まり方を確認してから本締め
- ストップ角度や閉扉速度を調整ネジで微調整する
- オイル漏れがある場合は本体寿命なので必ず交換する
不安がある場合や、ドア重量が大きい場合は業者への依頼も検討を。
取替工事の相場は1万円前後で、DIYとの差額は数千円です。
NHN52の代替選びで失敗しないために
ネット通販では「NHN対応」と書かれた商品が数多く出ていますが、中には旧型や特殊サッシには非対応なものもあります。
特定のサッシメーカー(例:積水ハウス、YKK APなど)の専用品は、穴位置が微妙に違う場合もあるので注意が必要です。
もし心配な場合は、購入前にメーカーや販売店に「NHN52の刻印があるが取替可能か」を問い合わせるのが確実です。
専門店では、ドアの写真を送れば対応可否を確認してくれる場合もあります。
代替品の価格帯とコスト感
現在の代替ドアクローザーの価格は以下の通りです。
- RYOBI 取替用ドアクローザー S-202P:5,000〜6,000円前後
- NEWSTAR PSXシリーズ:5,000〜8,000円前後
- Dr.クローザ NHN52交換用セット:約10,000円前後
純正品がすでに入手不可能なことを考えると、価格・性能・互換性のバランスが取れた代替品が多く、長期的にもコスパは良好です。
また、新しいクローザーに替えることで、閉まる速度が安定し、静音性も向上するというメリットもあります。
NHNドアクローザー52を交換するメリット
交換の目的は「壊れたから仕方なく」だけではありません。
代替品に替えることで得られる利点も多くあります。
- 開閉がスムーズになり、バタンと閉まる音が減る
- オイル漏れやドアのずれを防止
- 防風・防音性の改善
- 見た目が新しくなり、住宅の印象が向上
特に集合住宅では、クローザーの不具合は他の住人への騒音にもつながるため、早めの交換が望ましいです。
NHNドアクローザー52の代替品まとめ
ここまで紹介した通り、**NHNドアクローザー52**には実用的な代替品が複数存在します。
- 穴あけ不要で簡単に交換できる「RYOBI 取替用ドアクローザー S-202P」
- 信頼性重視なら「NEWSTAR PSXシリーズ」
- 純正互換を求めるなら「Dr.クローザ NHN52交換用セット」
ただし、ドアの形状や開閉方向、ストップ機能の有無など、細かな仕様確認は欠かせません。
現物の刻印と寸法をしっかり確認してから選べば、DIYでも安全に取り替え可能です。
まとめ:NHNドアクローザー52の代替品はある?互換性とおすすめを徹底比較
結論として、**NHNドアクローザー52**の代替品は確実に存在します。
メーカー純正は廃番となっていますが、RYOBI 取替用ドアクローザー S-202P・NEWSTAR PSXシリーズ・Dr.クローザ NHN52交換用セットといった信頼性の高いブランドが、既存ネジ穴をそのまま使える取替用モデルを提供しています。
交換を迷っている方は、まずドア上部の刻印を確認し、取付穴の寸法を測るところから始めてみましょう。
正しい代替品を選べば、玄関ドアの開閉が再びスムーズになり、安心して長く使い続けられます。
