「リアルサングリアって、いつの間にか見かけなくなったよね？」
そんな声を最近よく耳にします。赤ワインをベースに果実の香りを楽しめる人気ドリンクとして親しまれていたリアルサングリア。ところが、現在ではスーパーやコンビニの棚から姿を消し、「終売」や「販売終了」と表記されている店舗も多くなりました。
この記事では、リアルサングリアがなぜ終売となったのか、その背景や現在の入手方法までを詳しく掘り下げます。
リアルサングリアとはどんなお酒だったのか
リアルサングリアは、サントリーが取り扱っていたスペイン産ワインをベースにした果実系リキュールです。赤ワインにオレンジやレモンの風味を加えた「リアルサングリア レッド」と、白ワインベースの「リアルサングリア ホワイト」の2種類が展開されていました。
アルコール度数は約10％。瓶タイプを中心に販売され、家庭でも気軽に本格的なサングリアの味わいを楽しめることで人気を集めました。
一時期は酒販店やスーパーのワインコーナーでも定番的に置かれており、SNS上でも「フルーティーで飲みやすい」「家飲みにぴったり」といった口コミが多く見られました。ところが、2024年以降にかけて次第に姿を消し、卸サイトやECサイトでは「終売」「在庫なし」「販売を終了しました」といった表示が目立つようになります。
終売の事実とメーカーの動き
現在、複数の酒販サイトではリアルサングリアの「終売」が明記されています。
特に「リアルサングリア ホワイト 750ml」などは、卸業者の公式ページで明確に「終売」と記載されており、製造・出荷が停止していることが確認されています。
ヨドバシカメラや楽天市場などの通販ページでも「販売を終了しました」「現在取り扱いなし」との文言が表示されており、全国的に流通が止まっているのが現状です。
サントリー公式サイトの「製造終了商品一覧」ではリアルサングリアが個別には掲載されていませんが、同社は毎年、販売実績や市場動向をもとにラインナップを再構成しています。販売終了の時期が段階的だった可能性もあり、在庫限りで静かにフェードアウトした形と考えられます。
リアルサングリアが終売になった理由を考える
メーカーから明確な公式発表は出ていませんが、市場や業界の動向から見えるリアルサングリア終売の背景をいくつかの視点で整理してみましょう。
1. 市場トレンドの変化
ここ数年で缶チューハイ・RTD（Ready to Drink）市場は大きく変化しています。
以前は甘めの果実系チューハイやカクテル系ドリンクが人気でしたが、近年は「糖質オフ」「無糖」「すっきり系」へのシフトが顕著です。
リアルサングリアのように果実の甘味をしっかり感じるタイプは、こうしたトレンドからやや外れてしまった印象があります。
また、若年層を中心に「低アルコール志向」も進んでおり、アルコール度数10％という数値は、ライトな飲み口を求める層にはやや強めと感じられた可能性もあります。
2. コスト上昇と輸入条件の変化
リアルサングリアは“スペイン産ワイン”をベースにしていました。
このため、原材料の輸入コストや為替変動、物流費の上昇といった外的要因の影響を受けやすい構造になっています。特に2022〜2024年にかけては円安が進行し、輸入酒全般のコストが大幅に上がりました。
ワインに果実風味を加える工程や瓶詰め仕様なども相まって、採算性の確保が難しくなったことが推察されます。
3. 酒税制度・製品区分の影響
アルコール度数10％というラインは、酒税法上では発泡性やリキュール類の中でもやや扱いが難しい領域にあります。
製品区分や税率、ラベル表示などの制度変更・コスト増に直面した結果、販売継続よりも終売を選択した可能性があります。
同様の理由で、他社でもアルコール度数の高い“ストロング系”商品の見直しや販売縮小が相次いでおり、リアルサングリアもその流れに含まれたとみることができます。
4. ブランド戦略の再編
サントリーは多ブランド展開を行っており、ワイン系・チューハイ系ともに多様なラインナップを持っています。
こうした中で「リアルサングリア」は niche（ニッチ）な位置づけにあり、売上比率が低下していた可能性もあります。
メーカーとしては主力ブランドにリソースを集中し、回転率の低い製品を整理する戦略を取ったと考えられます。
特にサントリーは定期的に「在庫がなくなり次第販売終了」とする柔軟な終売方針を採用しており、リアルサングリアもその一環として静かにラインから外れた形です。
リアルサングリアが消えたことへの反響
SNS上では、「好きだったのに残念」「もう買えないの？」という声が少なくありません。
ワインが苦手でも飲みやすい、フルーティーでホームパーティにもぴったりという理由でファンが多かった商品だけに、終売を惜しむ投稿がいまも見られます。
特にホワイトタイプは「白ワインベースなのに酸味が柔らかく、果実感が程よい」と好評で、在庫を見つけてまとめ買いする人もいたようです。
終売の告知が大々的に行われなかったこともあり、気づいた時には棚から消えていた…という印象を持つ消費者が多いのも特徴的です。
現在でも入手できる可能性はある？
リアルサングリアは生産を終了していますが、完全に入手不可能というわけではありません。
以下のような方法で、まだ手に入るケースもあります。
- 酒販店・ECサイトの在庫
販売終了品でも、倉庫や店舗在庫が残っていることがあります。「在庫限り」「残りわずか」といった表記があればチャンスです。 - オークション・フリマサイト
終売商品として出品されるケースがあります。ただし、保管状態や出品者の信頼性を必ず確認しましょう。特にワインベースの製品は温度管理が重要です。 - 海外通販・免税店
輸入経路の異なる店舗で、並行輸入品として残っている場合もあります。購入前に正規流通品かどうかをチェックしておくと安心です。
いずれにせよ、終売から時間が経つほど状態の良い在庫は減っていきます。飲用目的で探す場合は、早めに動くのがおすすめです。
リアルサングリアの代替品・似たテイストのドリンク
リアルサングリアのような「果実感×ワインベース」のお酒を求めるなら、以下のような商品が代替候補になります。
- 缶入りサングリア系ドリンク
輸入ブランドの「サングリア・ソル」や、スペイン産の「ドン・シモン サングリア」などが比較的手に入りやすく、リアルサングリアに近い果実感を楽しめます。 - 国内メーカーのフルーツワイン
サントリーやメルシャンなどが販売するフルーツワイン（ピーチ、ベリー、オレンジ系）は、リアルサングリアに通じる飲みやすさがあります。 - 自家製サングリア
ワインにフルーツや炭酸水を加えて自分で作る方法も人気です。リアルサングリアがなくなった今、自分好みの配合で楽しむのも一つの選択肢です。
消費者の嗜好と市場のこれから
終売の背景には、単に商品の人気が落ちたというよりも、「お酒の飲まれ方」が変わったという時代的要因があります。
家飲み需要の拡大や健康志向、飲酒控えなどの潮流の中で、アルコール市場は“軽さ”“飲みやすさ”“ナチュラル感”へシフトしてきました。
リアルサングリアのようにしっかり甘く、濃厚で華やかな果実酒は、かつての「ご褒美ドリンク」としての役割を終えつつあるのかもしれません。
ただし、近年では再び「クラフト感」や「フルーツリキュール」への回帰も一部で見られます。
リアルサングリアのような商品が形を変えて復活する可能性も、ゼロではありません。季節限定品やコラボブランドとして再登場するケースもあり得ます。
リアルサングリア終売の理由と今後の楽しみ方
リアルサングリアが終売になった理由は、
・市場トレンドの変化
・コストと輸入条件の悪化
・ブランド戦略の再編
などが複合的に重なった結果といえます。
今では入手が難しくなりましたが、果実ワインや自家製サングリアを通じてその味わいを再現することは可能です。
「もう一度あの味を楽しみたい」と思う方は、似たテイストの商品や手作りレシピに挑戦してみるのもおすすめです。
かつて家庭で気軽に楽しめた“リアルなサングリア”の文化が、またどこかで新しい形で戻ってくることを期待しつつ——。
リアルサングリア終売の背景には、時代とともに変わりゆくお酒の価値観がしっかり映し出されていました。
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