最近SNSや自動車系メディアで、「レクサスLSが終売するらしい」という話を見かけた人も多いのではないでしょうか。
トヨタの高級ブランド・レクサスの最上位に君臨するフラッグシップセダンが本当に姿を消すのか――。
この記事では、レクサスLSの現在の販売状況や、終売と噂される理由、さらに今後の展開についてわかりやすく解説していきます。
レクサスLSとは？日本が誇るフラッグシップセダンの系譜
レクサスLSは、1989年に北米で初代モデルが登場し、日本ではかつての「セルシオ」の後継として知られるモデルです。
静粛性や滑らかな走行性能、細部までこだわり抜いたインテリアなど、世界の高級車市場に日本の技術を示した存在でした。
現在販売されているのは5代目（型式：XF50系）。2017年に登場し、V6ツインターボとハイブリッドをラインナップ。
高級車らしい上質さに加え、走りの楽しさも意識したモデルとして位置づけられています。
「終売説」はどこから？SNSで広がった不安の声
「レクサスLSが終売になるらしい」という噂が出始めたのは、2024年後半から。
きっかけは、イギリス市場からレクサスLS)が姿を消したという報道でした。
現地では2024年の年間販売台数がわずか3台にとどまり、2025年初頭に公式サイトからも削除。
このニュースが「LSが世界的に終売されるのでは？」という憶測に火をつけたのです。
さらに、日本国内でも一部ディーラーが「現在は受注を停止している」「納期が未定」といった発言をしており、ユーザーの間で「もしかして国内でも終売なのでは？」という声が広がりました。
ただし、これは“即時の生産終了”という意味ではなく、「次期モデルの移行期間に入っている」という見方が濃厚です。
公式発表は？現時点では「日本では継続販売中」
現時点でレクサス本体から「レクサスLSを終売する」という公式発表は出ていません。
むしろ、2025年9月には一部改良モデルが登場しており、国内では継続販売されています。
価格帯はおよそ1,100万円から1,770万円ほど。グレードごとの細かな改良が施され、装備や安全機能も最新仕様にアップデートされています。
つまり、「LSはもう買えない」という情報は誤りで、日本では今もオーダー可能な状態ということです。
ただし、在庫や生産枠が限られており、販売店によっては受注を一時的に制限しているケースもあります。
そのため、「購入したいなら早めに動いた方がいい」というのは確かです。
ではなぜ「終売」と言われるのか？背景にある3つの理由
LS終売説の背景には、いくつかの業界的な流れがあります。
単に販売不振というだけではなく、自動車市場全体の構造変化が大きく影響しているのです。
1. 世界的なセダン人気の低下
かつて高級車といえばセダンでしたが、今はSUVが主役。
特に北米・中国市場では、大型SUVやクロスオーバーが富裕層の定番となり、セダン需要は減少しています。
この流れの中で、レクサスもSUV中心のラインナップ（レクサスRX・レクサスLX・レクサスTXなど）に注力しており、LSはやや影が薄くなっています。
2. 法規・コストの問題
ヨーロッパでは環境規制が厳しく、少数販売の大型セダンを維持するコストが膨らんでいます。
販売台数が少ない地域では、認証や排ガス基準のための改修コストが重く、ビジネス的に採算が取れなくなりつつあります。
英国撤退の背景にも、この要因があるといわれています。
3. 次期モデルへの移行準備
レクサスは今後、電動化を加速させる方針を公言しています。
そのため、LSも従来のハイブリッドからBEV（電気自動車）へシフトする可能性が高いと見られています。
つまり、「現行モデルの終売＝完全な終了」ではなく、「次のLSにバトンを渡す準備期間」だと考えられます。
海外市場の動き：イギリスは撤退、アメリカは限定仕様へ
イギリスでの終売に続き、アメリカでも変化が起きています。
2025年には「Heritage Edition」と呼ばれる特別仕様車が250台限定で発売され、「現行LSの集大成」として注目を集めました。
この“ヘリテージ＝伝統”という名前からも、5代目LSが一区切りを迎えることを暗示しているようです。
一方で、レクサスの米国広報は「グローバルでLSを廃止する予定はない」とコメント。
つまり、あくまで市場ごとの再編・縮小であり、「ブランドとしてのLS」はまだ終わっていません。
日本市場の現状：販売継続中だが末期的な動きも
日本ではまだ購入可能なレクサスLSですが、「終売前夜」とも言える状況が見え隠れしています。
一部ディーラーでは「次期モデルの情報が届いていない」「受注は限定的」といった声が出ており、モデル末期らしい雰囲気です。
それでも、走行性能・静粛性・内装クオリティは依然としてトップクラス。
高級セダンを求める層にとっては、むしろ“完成された最後のレクサスLS”として評価する人も多いです。
もし今後フルモデルチェンジで電動化が進めば、このV6ハイブリッド仕様の乗り味は貴重な存在になるかもしれません。
次期レクサスLSはどうなる？噂される電動フラッグシップ
次期レクサスLSについては、いくつかの噂が飛び交っています。
その中で最も有力とされるのが「セダンではなくクロスオーバータイプになる」という説。
海外メディアでは“Luxury Space”という新しいコンセプトモデルが報じられ、広大な後席空間と電動プラットフォームを備えた新世代フラッグシップになる可能性があるといわれています。
レクサスはすでに「LF-ZC」「LF-ZL」などの電動コンセプトを公開しており、これらが次期LSのデザインベースになる可能性も指摘されています。
つまり、次のレクサスLSは従来のセダンではなく、「EV時代のフラッグシップ」へと進化する可能性が高いということです。
フラッグシップセダンという存在意義の変化
かつてのレクサスLSは、「静粛で快適な大人の高級セダン」の代名詞でした。
しかし時代が進み、高級車の象徴は“パワー”や“快適性”よりも“持続可能性”や“デザイン性”へと変化しています。
レクサスもこの潮流を読み取り、ブランド全体の再構築を進めている最中です。
そのなかで、LSというモデルがどう位置づけられるのか――。
セダンという形を捨てても、「レクサスLS」という名前が象徴する“レクサスの頂点”の座は維持される可能性が高いでしょう。
今、レクサスLSを選ぶ意味とは？
もしあなたが今レクサスLSの購入を検討しているなら、「現行モデルが最後の純粋なフラッグシップセダンになるかもしれない」という点は大きな魅力です。
V6エンジンの滑らかさ、しっとりとした乗り心地、そして職人技が光る内装。
これらを味わえるのは、もしかすると今が最後のチャンスかもしれません。
一方で、「次期モデルの進化を待ちたい」という選択もありです。
完全電動化による静粛性のさらなる進化、最新のAIドライバーアシストなど、次世代レクサスLSはまったく新しい世界を見せてくれる可能性があります。
レクサスLSが終売って本当？今後の行方に注目
現時点では、レクサスLSは完全な終売ではないものの、確実に“一区切り”を迎えつつあります。
英国ではすでに販売終了、アメリカでは特別仕様で締めくくり、日本でも改良モデルが最後の輝きを放っている段階。
そしてその先には、電動化された新時代のフラッグシップが控えていると見られます。
「終売」という言葉が不安を呼ぶ一方で、これは“次の時代への橋渡し”でもあります。
レクサスLSが築いてきた伝統が、どんな形で未来へ継承されるのか――。
フラッグシップセダンの進化を、これからも静かに見守っていきたいですね。
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