「えっ、ルーベラってもう売ってないの?」
そんな声がSNSや口コミで相次いだのは、2022年の春ごろ。ブルボンの定番お菓子として長年愛されてきたラングドシャクッキー「ルーベラ」が、ひっそりと店頭から姿を消しました。
子どものころから慣れ親しんできたあの味がなぜ終売になってしまったのか――今回はその背景や理由、そして今後の展開についてじっくり調べてみました。
ルーベラとは?半世紀愛されたブルボンの定番菓子
ルーベラは1972年にブルボンから発売された、筒状に巻かれたラングドシャクッキーです。
バターの香りと軽やかな食感が特徴で、シガー型の上品な形状も相まって、「手頃なのに贅沢感のあるお菓子」として幅広い世代に親しまれてきました。
・バター12%使用の風味豊かなラングドシャ生地
・軽くサクサクとした口当たり
・ティータイムや贈答にもぴったりな上品さ
発売からおよそ50年。ヨックモック シガールにも似た“高級感のあるクッキー”を、コンビニやスーパーで気軽に買える存在として定着していました。
そんなロングセラーが終売になったと聞けば、多くの人が「まさか」と感じるのも無理はありません。
ルーベラが終売になった理由① 原材料価格の高騰
ルーベラが終売になった最大の理由とされるのが「原材料価格の高騰」です。
バターや小麦粉、乳製品、卵白など、ルーベラに欠かせない原料は、ここ数年で世界的に値上がりしています。
特にバター価格は輸入制限や気候変動の影響もあり、2021年以降に急上昇。
さらに燃料費や包装資材の価格も高止まりしており、低価格帯での販売継続が難しくなっていたと見られます。
実際にブルボン側も「近年の原材料価格の上昇を受け、やむを得ず販売を休止しました」と説明しています。
つまり、企業努力では吸収しきれないほどのコスト上昇が、製造継続を断念させたというわけです。
ルーベラが終売になった理由② 物流・製造コストの上昇
原料だけでなく、物流や製造にかかるコストの上昇も大きな要因です。
コロナ禍以降、配送費・燃料費・人件費の上昇が企業全体を直撃しました。
お菓子業界では「包装を簡略化して値上げを抑える」などの工夫も見られますが、ルーベラのように手間のかかる筒巻きラングドシャでは限界があります。
薄い生地を一つひとつ巻き上げる製造工程は、効率よりも職人技に近い繊細さが求められるもの。
機械化が難しく、製造ラインの維持コストも高い。
そうした構造的な負担も、終売を決断する一因になったと考えられます。
ルーベラが終売になった理由③ 市場環境と消費トレンドの変化
時代の流れも見逃せません。
かつては「ティータイムに焼き菓子」という文化が一般的でしたが、近年は健康志向や糖質制限ブームの広がりで、甘い焼き菓子の需要が減少しています。
一方で、たんぱく質系スナックや機能性食品が伸びており、伝統的なクッキー・ビスケット系は苦戦傾向にあります。
また、若年層では「小分けパックでシェアできるお菓子」や「SNS映えするデザイン性重視のスイーツ」が好まれる傾向に。
クラシックなルーベラは、良くも悪くも“昔ながら”のスタイルを守っていたため、時代の波に乗りにくくなっていたのかもしれません。
ルーベラが終売になった理由④ ブランド再構築とラインナップ刷新
ブルボンは、近年ブランドラインの再構築を進めています。
贅沢ラングロールなど、従来よりもプレミアム志向の商品を新たに投入し、より上質なイメージを打ち出しています。
この贅沢ラングロールはルーベラの後継的存在とも言われており、バター使用率を従来の3倍に高め、より濃厚でリッチな味わいに仕上げています。
つまり、ルーベラが完全に消えたというより、「アップグレード版にバトンタッチした」と考えるのが自然でしょう。
長年愛されてきたブランドを時代に合わせて再定義する――ブルボンの戦略的な決断といえます。
ルーベラの終売に対する消費者の反応
SNSや掲示板では、終売を惜しむ声が今も絶えません。
「子どもの頃から大好きだった」「あの軽い食感が忘れられない」「ヨックモック シガールよりもルーベラ派だった」など、懐かしさを込めたコメントが多数寄せられています。
中には「知らないうちに終売になっていた」「もっと早く買いだめしておけばよかった」と嘆く投稿も。
ルーベラは“高級すぎない贅沢”として、多くの家庭のティータイムに寄り添ってきました。
だからこそ、その終売は単なる一商品の消滅ではなく、昭和から続く「お菓子文化の一区切り」として受け止められています。
終売後の現在、ルーベラはどこで買える?
終売が発表された2022年以降、ルーベラはスーパーやコンビニからほぼ姿を消しました。
一部ではアソートパック(詰め合わせ)に限定的に含まれていた時期もありましたが、現在はほとんど流通していません。
通販サイトやフリマアプリでは、希少在庫として高値で取引されるケースも見られます。
もし「どうしてももう一度食べたい」という人は、在庫限りの商品を探すしかないのが現状です。
ただし、類似の味わいや食感を求めるなら贅沢ラングロールや他社のラングドシャ系クッキーを試してみるのもおすすめです。
完全に同じではないものの、ルーベラの系譜を感じる味わいに出会えるかもしれません。
復活の可能性は?ルーベラが再販される日は来るのか
現時点でブルボン公式はルーベラの再販を発表していません。
しかし、SNSやファンコミュニティでは「復刻してほしい」「限定でもいいからもう一度食べたい」という声が多く見られます。
実際、過去には人気商品の要望が高まり、期間限定で再発売された例もあるため、希望がまったくないわけではありません。
とはいえ、原材料や製造コストの問題が解決しない限り、従来と同価格・同品質での再販は難しいのが現実。
もし復活があるとすれば、価格を見直した「プレミアムルーベラ」や「復刻限定版」といった形で再登場する可能性が考えられます。
ルーベラが残したものと、ブルボンのこれから
ルーベラが生まれた1970年代は、日本の製菓産業が急速に成長していた時期でした。
まだ「洋菓子=特別なごちそう」という時代に、手軽に買える“プチ贅沢”を実現したルーベラは、まさに時代の象徴でした。
その存在は、今のコンビニスイーツ文化の先駆けともいえるでしょう。
ブルボンは今後も多様なラインナップを展開し、定番と新しさを両立させていくはずです。
アルフォートやルマンドなどの人気シリーズも、少しずつ時代に合わせてリニューアルを重ねています。
ルーベラのDNAは、こうしたブルボン製品の中にも確実に息づいています。
ルーベラ終売の理由を振り返って
改めて整理すると、ルーベラが終売になった理由は次の通りです。
- 原材料・物流コストの高騰
- 製造効率の限界
- 市場トレンドの変化
- ブランド再構築によるライン刷新
これらが重なった結果、半世紀続いたロングセラーが静かに幕を下ろすことになりました。
しかし、ルーベラは単なる“消えたお菓子”ではなく、今なお多くの人の記憶の中で輝き続ける存在です。
ルーベラ 終売 なぜ —— 愛されたお菓子の終わりと、その先へ
「もう一度食べたい」「あの香りを思い出すだけで懐かしい」。
そんな声が消えない限り、ルーベラは本当の意味で終わったとは言えません。
形を変えても、あのやさしい甘さやバターの香りは、これからも多くの人の心に残り続けるでしょう。
ルーベラが終売になった理由を知ることは、単なる懐古ではなく、“時代とともに変わるお菓子文化”を見つめ直すきっかけでもあります。
またいつか、あのサクッと軽いラングドシャが復活してくれる日を、静かに待ちたいですね。

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