「ロイヤルカナン スキンサポートが終売したらしい」「もう買えないって本当?」——最近、SNSや口コミでそんな声を見かけた人も多いのではないでしょうか。
ロイヤルカナンといえば、犬や猫を飼っている人にとって定番中の定番。特に療法食では圧倒的な信頼を得ているブランドです。
では実際、ロイヤルカナンは本当に終売してしまったのでしょうか?今回はその真相と、販売終了・流通変更の背景、さらに代替フードを選ぶ際のポイントをわかりやすく整理していきます。
「ロイヤルカナンが終売」は一部製品や販売経路の話
まず最初に結論から。
ロイヤルカナン全体が終売になったわけではありません。
終売や販売終了が噂になっているのは、「特定の療法食」と「販売経路の変更」に関する部分です。
近年、ロイヤルカナンは販売体制を大きく見直しました。特に2024年秋からは、食事療法食(療法用フード)を動物病院および公式・認定オンラインストアのみで販売するという新しいルールが導入されています。
そのため、これまでAmazonや楽天、ホームセンターなどで購入していた製品が「在庫限り」「取り扱い終了」となり、結果として「終売したように見える」状況になっています。
一方で、一般的な総合栄養食やプレミアムフード、子犬・成犬向けの通常シリーズなどは引き続き販売されています。
つまり「完全な販売終了」ではなく、「販売チャネルの制限」と「一部シリーズの終売」が同時に進んでいる、というのが実情です。
なぜ販売チャネルを限定したのか?
今回の流通変更には、ロイヤルカナンが長年抱えてきた課題が関係しています。
特に療法食は、病気や体質に合わせて栄養成分が厳密に設計されているため、獣医師の診察・指導のもとで使うことが前提です。
しかしネット通販の拡大により、誰でも簡単に療法食を購入できるようになり、
「診察を受けずに買って与えている」
「本来必要ない犬や猫に療法食を与えている」
といったケースが増えていました。
ロイヤルカナンと日本の販売代理店である共立製薬は、この状況を是正するため、販売チャネルを厳密に管理する方針を打ち出しました。
具体的には以下のような仕組みです。
- 購入時に「かかりつけ動物病院」を登録する
- 病院側が飼い主の購入履歴を確認できる
- 動物病院または認定オンラインストアでのみ購入できる
このように、安全性と適正使用を守るための改革が今回の販売体制変更の本質といえます。
終売になった製品もある
「終売ではなく流通変更が中心」といっても、実際に生産終了した製品も存在します。
たとえば以下のようなシリーズがメーカーから正式に販売終了と告知されています。
- 犬用「ロイヤルカナン スキンサポート」シリーズ
- 猫用「ロイヤルカナン pHコントロール+満腹感サポート」
- 「ベッツプラン™ pHケアシリーズ」「pHコントロールシリーズ」など旧タイプ製品
これらはリニューアルや後継製品への移行に伴って終了となったケースが多く、同等の効果を持つ新シリーズが登場している場合もあります。
ただし、すでに市場から在庫が消えつつあるものも多いため、愛用していた飼い主さんは早めの確認が必要です。
「買えなくなった」理由の多くは在庫調整と再販ルール
「いつものショップでロイヤルカナンが見つからない」「通販サイトで在庫切れが続いている」と感じる人も多いでしょう。
これも、今回の流通改革に伴う在庫調整と再販ルールの導入が影響しています。
旧ルートで流通していた在庫を整理し、動物病院経由や認定ストアに商品を集中させる過程で、一時的に品薄状態が発生。
また、リニューアル版が出るまでの移行期間中は「旧モデルの在庫限り」となることもあります。
つまり、終売ではなく「新しい販売ルートに切り替わるまでの一時的な欠品」というケースも多いのです。
ただ、ペットショップやホームセンターでは再入荷しないため、結果的に「終売と勘違いされる」状況になっています。
飼い主にとっての影響と注意点
この販売変更は、飼い主にとっても少なからず影響があります。特に次のような点には注意が必要です。
1. 購入先が限られる
これまでのように「ネットで気軽に注文」できなくなるため、購入手順がやや複雑になります。
動物病院経由での注文や、認定オンラインストアへの登録が必要になる場合があります。
2. 価格・送料・ポイント還元の変化
認定ストアでは価格の大幅な割引が難しくなるため、「以前より高くなった」と感じる人もいるかもしれません。
ただし、その分、品質や正規流通の保証が得られるというメリットがあります。
3. まとめ買い・買いだめは慎重に
在庫限りの告知を見ると、つい多めにストックしたくなりますが、療法食は病状によって内容を変える必要があることも多いです。
大量に買いだめすると、もし体調や治療方針が変わった場合に無駄になるリスクも。
心配な場合は、まず獣医師に相談してから購入を決めましょう。
「今のフードが終売」となった場合の対応方法
もし愛犬・愛猫が食べているロイヤルカナン製品が終売になった場合、焦らず次の手順で対応しましょう。
- まず動物病院に相談する
病状や健康状態を踏まえ、後継製品や他社製品への切り替えを獣医師と一緒に検討します。 - リニューアル・後継モデルを確認する
多くの場合、終売製品には「新シリーズ」が用意されています。パッケージや成分が少し変わっているだけで、目的は同じことも多いです。 - 代替ブランドを比較する
どうしても同じシリーズが入手できない場合は、他ブランドを検討しましょう。
代表的なのは、同じく療法食を展開している「ヒルズ(Hill’s)」や「ピュリナ プロプラン ベテリナリーダイエット」など。
成分や対象疾患が近いものを選ぶことがポイントです。 - 切り替えは少しずつ行う
急にフードを変えると、消化不良や食欲低下につながることがあります。
新旧フードを混ぜながら1〜2週間ほどかけてゆっくり慣らしていくのが理想です。
代替フードを選ぶときのポイント
療法食は単なる「高級フード」ではなく、医療の一部として設計された栄養管理食です。
そのため、選ぶ際は「成分の似ているものを探す」だけでなく、以下のような観点が大切です。
- どの疾患・体質に対応しているか(腎臓・尿路・消化器・アレルギーなど)
- 主原料とタンパク質の種類(チキン・フィッシュ・加水分解タンパクなど)
- 栄養バランス(リン・ナトリウム・脂肪・繊維などの含有量)
- 動物病院で推奨されているかどうか
- 継続して入手できるか
また、嗜好性(食いつき)や体調の変化も大切なサインです。
新しいフードを導入したら、食欲・便の状態・体重などをしばらく観察しましょう。
流通改革は「品質と信頼性を守るため」
今回のロイヤルカナンの販売体制変更は、単なる販売戦略ではありません。
背景には、「動物の健康を第一に考える」というブランドの理念があります。
誰でもどこでも買える環境は便利ですが、その結果として誤った使用や転売・模倣品のリスクも増えていました。
動物病院と連携した購入システムを整えることで、飼い主が安心してフードを選べるようにする。
それが、今回の大きな目的です。
「終売」という言葉の印象に惑わされず、その本質を理解することが大切です。
これからの「ロイヤルカナン」との付き合い方
ロイヤルカナンは、今後も品質の高い療法食・栄養管理食を提供し続けると公表しています。
購入方法が変わっても、ブランドの信頼性はむしろ強化されたといえるでしょう。
これからは、「どこで買うか」よりも「どう使うか」が大事な時代。
動物病院と連携しながら、ペットの状態に最適なフードを選び、長く健康をサポートしていくことが求められます。
もし「いつものロイヤルカナンが見つからない」と感じたら、まずは動物病院で相談を。
そして、必要に応じて新しいチャネルや代替ブランドを上手に活用していきましょう。
ロイヤルカナン スキンサポートが終売って本当?まとめとこれからの選び方
改めて整理すると、
ロイヤルカナンが「終売」と言われているのは、主に療法食の販売ルートが変わったことが原因です。
ブランド全体がなくなるわけではなく、むしろ安全で適正な販売を実現するための改革が進んでいます。
一部の旧製品は終売となりますが、リニューアルや代替フードの選択肢も豊富です。
大切なのは、焦らず情報を確認し、ペットの健康に最も合った方法で継続すること。
ロイヤルカナン スキンサポートの方針変更をきっかけに、「正しいフードの選び方」を改めて見直す。
それが、これからのペットとの暮らしをより安心で豊かにする第一歩になるはずです。

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