「白州、もう買えないの？」
そんな声がSNSやウイスキー好きの間で増えているのをご存じでしょうか。
この記事では、サントリーの人気シングルモルト「白州」の終売・休売の真相、そして今後の展望について、わかりやすくお話ししていきます。
白州とは？森の白州蒸溜所から生まれた日本を代表するウイスキー
まずは、「白州」というブランドの背景から。
白州は、サントリーが山梨県北杜市の白州町に1973年に設立した「白州蒸溜所」でつくられるシングルモルトウイスキーです。
「森の蒸溜所」と呼ばれるほど自然豊かな環境に囲まれ、南アルプスの天然水を仕込み水として使うことで、爽やかで軽やかな味わいを実現しています。
ラインナップは、熟成年数表記のないノンエイジ（通称“白州NV”）から、白州10年、白州12年、白州18年、白州25年などの長期熟成モデルまで幅広く展開されてきました。
しかし、今ではその多くが「終売」「休売」となっており、入手が難しい状況が続いています。
白州10年の終売：2013年に姿を消した伝統ボトル
白州10年は、白州シリーズの中でも比較的ライトで飲みやすく、根強い人気を誇っていたモデルです。
しかし、2013年頃に「原酒不足」を理由に終売となりました。
当時、ウイスキー需要の急拡大により、蒸溜・熟成のバランスが崩れ、十分な原酒を確保できなくなったのです。
白州10年ボトルが消えて以降、白州ファンはもちろん、バー業界やウイスキー愛好家の間でも“白州ロス”が広がりました。
今では中古市場やオークションで高値で取引されており、プレミアウイスキーの仲間入りを果たしています。
「もう一度飲みたいけど、手が出ない」――そんな声も少なくありません。
白州12年の休売と再販：限定復活を繰り返す人気銘柄
続いて白州12年。
こちらも2018年に販売休止（事実上の終売）となり、大きな話題を呼びました。
理由はやはり「原酒の枯渇」。長期熟成に必要な原酒が十分に確保できず、供給を維持するのが困難になったのです。
しかし、その後2021年に数量限定で再販されました。
これは白州ブランドの人気の高さを裏付ける出来事でもあります。
ただし、定常販売に戻ったわけではなく、依然として入手困難。
抽選販売や限定店舗販売が中心で、定価での購入は至難の業です。
再販を待ち望むファンは多く、「次はいつ出るのか」と期待が高まっています。
一方で、供給が不安定なため、転売価格の高騰が続くという負のサイクルも生まれています。
現行モデル・白州NVの状況：値上げと希少化の波
現在、定常的に販売されているのは、熟成年数を明記しないノンエイジモデル「白州NV」です。
とはいえ、こちらも安定供給というわけではありません。
2024年4月には価格改定が実施され、700mlボトルの定価は7,000円（税抜）に。
原材料費の高騰や、蒸溜・熟成環境の維持コストが上がっていることが要因とされています。
白州NVはコンビニや量販店で見かけることもありますが、出荷数が限られており、購入制限が設けられるケースも増えています。
「棚にあれば即買い」というファンの行動が定着しつつあるのも現状です。
白州18年・白州25年の希少化：もはや“幻のボトル”
白州18年や白州25年といった長期熟成モデルは、もともと生産量が極めて少なく、定価で入手するのはほぼ不可能なレベルです。
オークションや二次流通では数十万円単位の価格がつくことも珍しくありません。
これらのモデルは、もはや“投資対象”として扱われるほど希少価値が高まっています。
長期熟成モルトは、蒸溜から20年以上の時を経て完成するため、供給を急に増やすことができません。
そのため、「白州18年」などのボトルは今後も価格上昇が続くと予想されます。
白州が終売・休売に至った背景
ここで、白州の終売・休売に至った主な要因を整理してみましょう。
1. 原酒不足と熟成の限界
ウイスキーは仕込んだ瞬間に完成するものではなく、数年から数十年の熟成期間を必要とします。
つまり、今すぐ需要が増えても、すぐに供給を増やすことはできません。
白州も1990年代から2000年代にかけて需要が低迷した時期に原酒の仕込み量を減らしており、その影響が現在にまで及んでいます。
2. ジャパニーズウイスキーブーム
2010年代後半、日本産ウイスキーが世界的に高い評価を受け、「響」「山崎」「白州」などが国際的に注目されました。
その結果、国内外の需要が一気に膨れ上がり、在庫不足が深刻化。
「作っても追いつかない」という状況が続いています。
3. ブランド価値の維持
サントリーとしては、「一時的な供給拡大よりも、品質とブランド価値を守る」方針を重視しています。
無理に若い原酒を使って量を増やすことはせず、品質を保つためにあえて休売や限定販売を選んでいるのです。
この姿勢が、白州ブランドの信頼を支えているとも言えます。
再販・復活の可能性はある？
白州12年のように、一度休売となっても再販されるケースはあります。
ただし、完全復活には長期的な原酒管理が欠かせません。
原酒を仕込み、熟成し、ブレンドして商品化するまでには10年以上かかるため、すぐに生産量を戻すのは難しいのが現実です。
そのため今後は、「限定リリース」や「抽選販売」など、数量を絞った形で再登場する可能性が高いと見られています。
また、海外市場の成長を受け、輸出優先の出荷が増えるとの見方もあり、国内での入手難はしばらく続くでしょう。
値上げとプレミア化：白州の今と未来
2024年の価格改定以降、白州シリーズ全体で値上げが進行しています。
これは単なる物価上昇ではなく、「ブランド戦略」としての側面も大きいとされています。
つまり、“希少で上質なウイスキー”というポジションを明確にする狙いです。
プレミアム化が進むことで、バー業界や愛好家の間では“飲むより飾る”傾向も強まっています。
ボトルデザインの美しさ、ラベルの歴史的価値、サントリーの熟成哲学――それらすべてが一本の白州に詰まっている。
だからこそ、終売や価格上昇のニュースが出るたびに、多くの人の関心を集めるのです。
白州を手に入れるには？今できる現実的な選択肢
「終売」「休売」と聞くと、もう手に入らないように感じますが、いくつかの方法で白州を楽しむことは可能です。
- 正規販売店での抽選販売や再販情報をチェックする
- サントリー公式サイトや直営オンラインショップを定期的に確認する
- 一部の百貨店・専門店の限定販売枠を狙う
- 信頼できる中古市場で状態の良いボトルを探す
ただし、転売や過度な価格吊り上げには注意が必要です。
保存状態が悪いボトルや偽物も出回ることがあるため、信頼できる販売ルートを選ぶことが大切です。
白州が示すジャパニーズウイスキーの未来
白州の終売・休売の背景には、日本のウイスキー産業全体の課題と希望が見え隠れしています。
長期熟成原酒を確保するには、今から10年先を見据えた仕込みが必要。
つまり、「今つくるものが未来のボトルになる」という、時間との戦いの中にいるのです。
サントリーは白州蒸溜所の設備強化や新棟の建設を進めており、次世代に向けた原酒づくりが着々と進行中です。
これにより、数年後には新たな白州シリーズが姿を見せる可能性もあります。
“森の蒸溜所”が再びフルラインナップで復活する日を、多くのファンが待ち望んでいます。
白州 終売の真相と今後の展望まとめ
「白州 終売」という言葉が注目されるのは、それだけこの銘柄が愛されている証拠です。
確かに白州10年や白州12年は姿を消しましたが、ブランドそのものが終わったわけではありません。
ノンエイジを中心に新たな時代の白州が生まれ、限定復活や再販の可能性も残されています。
手に入りにくくなった今だからこそ、一本の価値をより深く感じる――。
白州の終売は、単なる“販売終了”ではなく、ジャパニーズウイスキーの歴史が次の章へ進む合図なのかもしれません。
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