「え、あの黒ラベル135mlってもう売ってないの？」
そんな声が、最近SNSでもちらほら見かけるようになりました。
飲み切りサイズでちょうどよかったあの小さな缶ビールが、いつの間にか店頭から姿を消しています。今回はその「黒ラベル135ml終売」の理由と背景、そして再販の可能性について、できるだけわかりやすく整理してお伝えします。
小さな缶「黒ラベル135ml」とはどんな存在だったのか
サッポロビールの「黒ラベル」は、1977年に発売されて以来、長年にわたって愛されてきた定番ブランド。
その中でも135ml缶は、いわゆる“ミニ缶”として販売されていたラインナップのひとつです。
350mlや500mlが一般的な中、135mlという小さなサイズはかなり珍しい存在。
「ちょっとだけ飲みたい」「1杯分で十分」「お風呂上がりの1本にちょうどいい」といった声が多く、特に一人暮らしの人や女性からも根強い人気がありました。
しかし2024年頃から、店頭でもオンラインでも見かけなくなり、ヨドバシカメラなどの通販サイトでは「販売終了」の表記が並びはじめたのです。
黒ラベル135mlが終売になった背景とは？
終売の理由はひとことで言えば「生産体制の見直し」と「需要の変化」。
ただしその裏側には、いくつかの大きな流れがあります。
那須工場の閉鎖が引き金に
もっとも直接的な要因は、サッポロビール那須工場（栃木県那須町）の閉鎖です。
この工場は2025年3月末で操業を終了することが発表されており、その影響でいくつかの製品が生産終了になりました。
135ml缶の黒ラベルもその中に含まれており、実際、2025年1月下旬に最終出荷を行ったという報道があります。
製造拠点の閉鎖は単なる設備の整理ではなく、「全国的な生産効率の見直し」という大きな流れの一環。
限られたラインで多品種を作るのが難しくなった結果、小ロット・小容量の製品が整理対象になったのです。
採算性と需要バランスの問題
135ml缶は確かに便利なサイズですが、生産効率や採算性の面では難しいところがあります。
1本あたりの内容量が少ないため、原材料コストや容器コストを考えると割高になりやすい。
また、流通面でも「350mlが主流」という現状では、棚スペースを確保するのが難しいという問題もありました。
こうした背景から、「消費者が求めるサイズ」と「企業が持続的に供給できるサイズ」のバランスが取れなくなってきた――これが黒ラベル135ml終売の根底にある理由といえるでしょう。
ラインナップ整理とブランド戦略
黒ラベルブランド自体は絶好調で、2023年末には味や泡の品質を改良したリニューアルも実施されています。
「完璧なバランス」というコンセプトを打ち出し、デザインも一新。
ただしその際、ラインナップの中から一部サイズが見直されました。
つまり「黒ラベル135ml缶」は、決してブランドそのものが縮小したわけではなく、あくまで“ラインナップ再構築の一環として終了した”というのが実情です。
消費者が感じる喪失感と反響
小瓶や小缶が好きだった人からは、惜しむ声が数多く上がっています。
「あのサイズがちょうどよかったのに」
「一口だけ飲みたいときに最適だった」
「工場閉鎖で終売なんて残念」
実際、ネット通販のレビュー欄にはこうした感想がいくつも寄せられています。
飲み切りサイズならではの「軽い一杯」の文化は、思っている以上に多くの人に支持されていたようです。
また、135ml缶はコレクションアイテムとして集めていた人もおり、今ではオークションサイトなどで未開封品が少しずつ値上がりし始めています。
終売が確定すると、そうした「懐かしのアイテム」としての価値が上がるのも自然な流れです。
小容量缶が姿を消す理由とは
黒ラベルに限らず、最近では多くのメーカーが小容量缶を縮小しています。
その理由は、ビール市場の構造変化にあります。
- 家庭飲みの主流化
コロナ禍以降、自宅で350ml〜500ml缶をまとめ買いするスタイルが増加。飲み切りよりも“しっかり飲む”方向へシフトしています。 - 物流コストの上昇
小さい缶は輸送効率が悪く、同じパレットでも積める本数が少ない。結果、流通コストが割高になります。 - 缶製造コストの増加
原材料価格の高騰やエネルギーコスト上昇により、少量製品を作ること自体が経済的に難しくなっています。 - 販売チャネルの変化
かつては駅売店や自販機で小缶ビールがよく売れていましたが、これらの販路が減少。販売場所が限定的になりました。
こうした複数の要因が重なり、「小容量缶は採算が合わない」という結論に至ったのです。
再販の可能性はあるのか？
では、「黒ラベル135ml」が再び復活する可能性はあるのでしょうか。
現時点でサッポロビールから公式な再販情報は出ていません。
しかし、まったく望みがないわけでもありません。
再販の“希望”を感じる要素
・黒ラベルはブランドとして非常に人気が高く、ファン層も広い
・135ml缶は「飲み切り」「お試し」「ギフト」などに向くサイズ
・終売を惜しむ声がSNSやレビューで多く上がっている
このように、「もう一度あのサイズを」という需要は確実に存在します。
サッポロビールが記念商品や限定パッケージとして再登場させることは、マーケティング的にも話題になる可能性があります。
現実的なハードル
一方で、再販の実現にはいくつかの課題もあります。
・専用ラインや金型を再び稼働させるコストが高い
・他サイズとの生産効率を両立させるのが難しい
・流通・販売先が限定的で採算を取りづらい
こうした経営的なハードルを超えない限り、定番ラインとして復活する可能性は低いでしょう。
ただし、周年記念や数量限定の「復刻版」としてなら、現実味はあります。
サッポロビールはこれまでも復刻缶などを企画しており、話題性を生む企画には積極的です。
黒ラベル135ml終売が象徴する時代の変化
今回の終売は、単なる1商品の終了ではありません。
ビール市場全体が「効率化」と「需要の集中化」に向かっていることを示しています。
かつては「色々なサイズで選べる」ことが魅力でしたが、今は「定番サイズで安定供給」が重視される時代。
その中で、135mlのような特別なサイズは、コストや流通の壁を乗り越えられなくなってしまったのです。
しかし、それでも黒ラベル135mlに対する愛着は消えていません。
小さな缶に詰まっていたのは、単なるビールではなく「自分のペースで楽しむ時間」だったのかもしれません。
終売後の楽しみ方と今後の注目ポイント
もし今も手元に135ml缶が残っているなら、それはもう貴重な一本。
開けずに取っておくのも、ひとつの楽しみ方です。
また、同じ黒ラベルでも350mlや500ml缶は引き続きリニューアルされ、味わいはより進化しています。
これから黒ラベルを楽しむなら、定番サイズでその“完璧なバランス”を再発見してみるのも良いでしょう。
そしてもし将来、限定版として黒ラベル135ml缶が再登場する日が来たら――
そのときはぜひ、あの懐かしいサイズをもう一度手に取ってみたいですね。
黒ラベル135ml終売の真相と再販の可能性・まとめ
・黒ラベル135mlは、2025年初頭をもって生産終了
・那須工場の閉鎖が直接の引き金となった
・需要減少と採算性の問題で小容量缶が整理された
・黒ラベルブランド自体はリニューアルを継続中
・再販の可能性は限定的だが、記念復刻のチャンスはある
長年愛されてきた135ml缶の黒ラベルが消えるのは寂しいものの、それはビール市場の時代の変化を映すひとつの出来事です。
効率化が進む一方で、“ちょっとだけ飲みたい”という気持ちは、これからも多くの人に共感されるはず。
だからこそ、この小さな缶が再び注目を浴びる日を、心のどこかで期待してしまいます。
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