「L1154Fの電池がどこにも売ってない…」そんな経験をしたことがある人は少なくありません。時計やおもちゃ、リモコンなどでこの型番を見つけ、いざ交換しようとしても店頭に並んでいない。検索しても似たような型番ばかりが出てきて、どれを買えばいいのかわからない——。
この記事では、L1154F電池がなぜ見つからないのか、その背景と正しい代替品の選び方をわかりやすく解説します。
L1154Fとはどんな電池なのか
まずは「L1154F」という電池の正体を整理しておきましょう。
L1154Fはアルカリボタン電池の一種で、1.5Vの電圧を持つ小型電池です。直径は約11.6mm、厚さは5.4mmほどで、時計・電卓・おもちゃ・レーザーポインター・リモコンなど、身近な小型電子機器に多く使われています。
ただし、この「L1154F」という表記は実は海外でよく使われる名称で、日本ではほとんど見かけません。
国内メーカー(パナソニック、マクセル、東芝など)は、同サイズ・同規格の電池を 「LR44」 や 「AG13」、「A76」 といった型番で販売しています。
つまり、L1154Fという名前が珍しいだけで、同じ性能を持つ電池自体は今も流通しているのです。
L1154F電池が「売ってない」と言われる理由
「L1154Fが売っていない」という声が上がる最大の理由は、型番表記の違い にあります。
国内の家電量販店やドラッグストアの電池売り場では、「LR44」や「SR44」などの表記が一般的で、「L1154F」と書かれたパッケージを探しても見つからないのです。
この「名称のずれ」が、利用者に「販売終了してしまったのでは?」という誤解を与えています。
実際には、L1154Fという型番を使わなくなっただけで、同じサイズ・電圧の電池は今も販売されています。
さらに、L1154F表記の電池は主に海外製のノーブランド品 に多く、日本市場での安定供給が行われていません。海外ECサイトや一部通販では入手できるものの、店舗在庫が少ないため「売ってない」と感じやすい状況になっています。
L1154Fの正式な互換・代替電池
では、L1154Fの代わりにどの電池を使えばよいのでしょうか。
以下の型番が互換・代替として利用できます。
特に「LR44」は日本で最も一般的な型番で、家電量販店・スーパー・コンビニなどでも入手可能です。
パッケージに「L1154F」「AG13」「A76互換」と書かれていれば、同じ形・同じ電圧で使用できます。
互換品を選ぶときのポイント
- 電圧・サイズを確認する
→ L1154Fと同じく1.5V、直径11.6mm、厚さ5.4mmであること。 - 底面の形状にも注意する
→ L1154Fは平底タイプ、LR44はやや丸みのある形状のものもあるため、接触部が浅い機器では相性を確認。 - アルカリ or 銀酸化を選ぶ
→ 長持ちを重視するなら銀酸化(SR44、357など)、コスパ重視ならアルカリ(LR44、L1154F)がおすすめ。 - 信頼できるブランドを選ぶ
→ ノーブランドの激安品は寿命や電圧が安定しないこともあるため、用途に応じて選ぶと安心。
「販売終了」の真相は? 実際にはどうなっているのか
インターネット上では「L1154Fが販売終了した」という情報も見かけますが、これは型番としての流通が縮小しただけ です。
もともとL1154Fという型番は、特定メーカーの国際呼称やOEM製品に付けられたもの。
国内メーカーが正式に採用していないため、日本の店頭から姿を消したように見えるだけなのです。
つまり、「L1154F」というラベルの商品は減っていても、中身にあたる「LR44互換電池」は今も普通に販売されています。
このため、機器がL1154Fを指定していても、販売終了ではなく“名称が違うだけ” というのが実際のところです。
ネット通販での入手状況と注意点
実店舗では見かけにくいL1154Fですが、ネット通販ではまだ多数の互換品が購入可能です。
Amazonや楽天市場で「L1154F ボタン電池」と検索すれば、10個パック・20個パックなどのまとめ売りも多く見つかります。
海外ブランド「VINNIC」などは「LR44/L1154F/AG13」と複数表記を併記しており、互換性を明確にしています。
ただし、通販購入の際は以下の点に注意しましょう。
- 製造年月と有効期限を確認する
ボタン電池は長期保存で電圧が低下するため、在庫が古い商品は避ける。 - レビューや評価をチェック
容量不足や液漏れなど、品質のばらつきがあるブランドも存在します。 - 必要以上のまとめ買いは控える
長期保管で劣化するため、使う予定分だけを購入するのがベターです。
機器に使う際の注意と交換のコツ
ボタン電池は見た目が小さいものの、取り扱いには注意が必要です。
誤飲事故を防ぐため、小さなお子さんの手の届かない場所で保管してください。
また、交換の際には古い電池を取り外したあと、機器の接触部分にホコリやサビがないか確認しましょう。
綿棒などで軽く拭き取るだけでも、接触不良を防ぐことができます。
交換後に動作しない場合は、電池の向きや接触位置を再確認しましょう。
それでも動かない場合は、底面形状の違いや接触圧の問題も考えられるため、別ブランドの互換品を試すと解決するケースもあります。
今後のL1154F電池の流通と代替の選び方
今後、日本国内で「L1154F」という型番が正式に復活・再販される可能性は低いとみられます。
すでに各メーカーが「LR44」「AG13」へ統一しているため、L1154Fという呼称は海外限定の表記として残る程度でしょう。
しかし、互換性を持つ電池が豊富に存在するため、実質的な困難はありません。
これから購入する際は、次のように考えるとスムーズです。
このポイントさえ押さえれば、どの店でも代替品を見つけられるでしょう。
まとめ:L1154Fが売ってないときは慌てずに代替品を探そう
L1154F電池が売っていないと感じるのは、単に「型番の表記が違う」だけのことがほとんどです。
国内ではLR44やAG13という名称が一般的で、性能やサイズも同じ。販売終了ではなく、名称移行による混乱が原因です。
時計やリモコンなど、生活の中で意外と多くの機器がこの電池を使っています。
「L1154F」と書かれた製品を見つけたら、ぜひ「LR44」「AG13」などの互換電池を探してみてください。
正しい知識を持っていれば、もう“売ってない”と困ることはありません。

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