最近、「スーパーでキウイを見かけない」「いつも買っていたキウイが売ってない」と感じた人はいませんか?
2025年に入ってから、SNSやネット掲示板でも「キウイが売ってない」「高くなった」「入荷が少ない」といった声が増えています。
実はこの背景には、国内外の生産・流通の事情や、季節的な要因が複雑に関係しているんです。
ここでは、2025年にキウイが売っていない理由をわかりやすく解説し、旬の時期や代わりに楽しめる果物も紹介します。
国内産キウイの収穫量が減少している
まず大きな理由のひとつが、日本国内でのキウイ生産量の減少です。
農林水産省の統計によると、2025年の国内キウイ収穫量は約2万トンと、前年より7%ほど少なくなっています。
出荷量も約1万8千トンに減り、前年比で8%減という数字です。
この減少の背景には、いくつかの要因があります。
・生産者の高齢化と後継者不足
・樹齢の進行による樹勢低下
・果実肥大期の高温や少雨など、気候変動の影響
・管理コストの上昇による栽培面積の縮小
特に2024年の夏は全国的に高温少雨だった地域が多く、果実が小玉傾向になり、収穫量自体が減ったと報告されています。
こうした環境的なダメージが、翌年の2025年の出荷に影響しているのです。
「売ってない」と感じるのは旬と流通の谷間のせい
キウイは1年中見かけるイメージがありますが、実際には明確な旬と流通のサイクルがあります。
これを知らないと、「売ってない」と感じやすいタイミングに当たってしまうことがあります。
一般的に、
・国産キウイの出荷時期:10月下旬〜翌年3月ごろ
・ニュージーランド産(ゼスプリなど)の出荷時期:4月〜10月ごろ
このように、南半球と北半球で出回る時期がズレているのです。
つまり、3月〜4月や10月ごろには、国産が終わって輸入が始まるまでの“切り替えの空白期間”が生まれます。
この時期は入荷が少なく、スーパーの棚から一時的に姿を消すことが多いのです。
さらに、輸入品も海運コストや物流遅延の影響を受けるため、入荷タイミングがずれ込む年もあります。
「今年はまだゼスプリが出てこない」「国産が終わったのに棚が空いている」という現象は、この谷間が原因です。
店舗側の仕入れや管理の事情も関係している
もうひとつの要因は、小売店やスーパーの仕入れ戦略の変化です。
果物全体の価格が上昇傾向にある中で、仕入れリスクを避けようとする動きが強まっています。
キウイは追熟(収穫後に熟成させる)管理が必要な果物です。
保管環境や温度管理が難しく、状態を見極める手間がかかります。
そのため、流通量が少ない時期は「品質リスクを避けるために仕入れを減らす」店舗も少なくありません。
結果として、棚に並ぶ量が減り、消費者には「売っていない」「取り扱いが終わった」という印象を与えてしまうのです。
また、近年は食品ロス削減の観点から「一定量しか入れない」「完売後は次の入荷まで空ける」ケースも増えています。
こうした店舗方針も、品薄感につながっています。
2025年の気候と生産状況が追い打ちに
2025年の果樹生産に関しては、気象条件の厳しさが大きく影響しています。
特にキウイの場合、果実が育つ夏場に気温が高く、雨が少ないと果実が小さくなる傾向があります。
収穫量だけでなく、品質や糖度にも影響が出るため、選別で出荷できない果実が増えることもあります。
さらに、近年はキウイかいよう病などの病害も問題となっています。
一部の産地では被害を避けるために樹の更新や防除を進めており、一時的に収量が減っている地域もあります。
つまり、気候・病害・人手不足が重なり、生産側も「作りたくても増やせない」状況にあるのです。
「ゼスプリ」が見かけない理由とブランド供給の波
日本のスーパーで売られているキウイの大半は、ニュージーランドの「ゼスプリ」ブランドです。
毎年4月中旬〜10月中旬ごろに出回りますが、この時期以外は新物がなく、在庫も減っていきます。
ゼスプリの主力である「サンゴールドキウイ」は収穫が限られ、人気が集中しているため、シーズン後半には出回る量が一気に減ることもあります。
一方で、国産ブランドのキウイは地域ごとに出荷時期が異なり、和歌山・香川・愛媛などが主な産地です。
ただし、国内品は全体の供給量が限られるため、都市部のスーパーでは輸入品中心の構成になっています。
輸入が途切れると棚から消える――これが2025年春の「キウイが売ってない現象」を招いたとも言われています。
旬の時期を知れば、手に入りやすくなる
キウイは通年手に入るイメージがありますが、実は“おいしい旬”がはっきりしています。
・国産キウイ:冬から春(11月〜3月)
・ニュージーランド産:春から秋(4月〜10月)
つまり、1年を通じて「どこかの産地のキウイが旬」というリレー構造になっています。
ただし、国内と輸入の切り替え時期には必ず空白ができるため、どうしても棚が寂しくなります。
「最近見かけない」と感じたら、産地の切り替え時期か、輸入新物の入荷待ちの可能性が高いでしょう。
代わりにおすすめの果物は?
「キウイが売ってない」「食べたいけど見つからない」という時期におすすめなのが、栄養や食感が近い果物です。
・バナナ:追熟型でビタミンB群が豊富。価格も安定している。
・パイナップル:甘味と酸味のバランスがよく、食物繊維も豊富。
・いちご:冬〜春にかけて旬を迎え、キウイ同様にビタミンCが多い。
・りんご:一年を通して手に入り、サラダやスイーツの代用にも使いやすい。
キウイには消化酵素のアクチニジンやビタミンCが多い特徴がありますが、これらの果物でも近い栄養を補うことができます。
特にビタミンCを意識するなら、いちごや柑橘類を取り入れるのが効果的です。
今後の入荷・再販の見通し
2025年後半にかけては、ニュージーランド産の新物が再び本格的に入荷し、春先の品薄は徐々に解消される見込みです。
また、国産キウイの次期収穫は2025年秋以降に始まるため、冬場には再び店頭で見かけるようになるでしょう。
ただし、気候変動の影響が続けば、来年以降も一時的な供給減や価格上昇が起こる可能性があります。
安定供給のために、農家では樹の更新や品種改良の取り組みも進められています。
最近では、国産オリジナル品種の開発も進み、地域ブランド化を目指す動きもあります。
キウイが売ってない2025年の理由を振り返って
2025年にキウイが売っていないのは、単なる偶然ではなく、
・国内の生産量減少
・気候による収穫量の低下
・輸入品の入れ替え時期
・店舗の仕入れ調整
といった複数の要因が重なった結果です。
旬や流通サイクルを理解しておくと、「いつなら手に入るか」が見えてきます。
春から初夏にかけてはニュージーランド産、秋から冬にかけては国産品が狙い目です。
また、通販や産直サイトを利用すれば、産地直送のキウイを購入できる時期もあります。
2025年の今、「キウイが売ってない」と感じる人も、季節が進めば再び出会えるはず。
少しだけ待てば、また店頭でみずみずしいキウイが並ぶ季節がやってきます。

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