最近、「ライターオイルが100均で見つからない」という声をよく聞きます。以前はダイソーやセリアなどでも気軽に買えたのに、今では店頭からすっかり姿を消したようです。なぜ100均でライターオイルが売っていないのか、その背景と現在の入手方法、さらに代替品について詳しく解説します。
100均でライターオイルが見当たらなくなった背景
少し前までは、ダイソーやキャンドゥのライター売り場に小容量のライターオイルが並んでいました。100円で手軽に買えることもあり、ZIPPOユーザーやキャンプ愛好家の間でも人気がありました。
しかしここ1〜2年ほどで、「ライター用オイルが棚から消えた」「オンラインストアにも項目がない」という報告が増えています。
この変化の背景には、複数の要因が重なっています。
原材料価格の高騰と円安が直撃
ライターオイルの主成分は、ナフサなどの石油系溶剤です。つまり、原油価格や為替の影響を直接受ける製品です。
近年はウクライナ情勢や円安、輸送コストの上昇などにより、石油製品の仕入れ価格が大きく上がりました。
100均では、あらゆる商品を「税込110円」で提供するという制約があります。仕入れ価格が上がっても小売価格を簡単に引き上げることはできません。
結果として、「利益が出ない」「安定供給できない」という理由で、販売を中止せざるを得なかったと考えられます。
危険物としての取り扱いリスクも影響
ライターオイルは可燃性が高く、消防法上「危険物第4類」に分類されます。取り扱いには一定の管理が必要で、保管や陳列にも制約があります。
また、誤使用やいたずら、漏れによる火災リスクもゼロではありません。
100均のように幅広い商品を狭いスペースで陳列する店舗では、危険物を扱うハードルが高くなります。店舗の安全基準や保管体制を整えるにはコストがかかり、低価格販売との両立が難しいのです。
そのため、安全面を優先して扱いをやめた可能性も十分に考えられます。
オイルライター需要の減少も無視できない
もう一つの背景に、「オイルライターを使う人自体が減っている」という現実があります。
喫煙者人口の減少に加え、ガスライターや電子ライターの普及が進み、オイルを補充して使う人が減っています。
需要が落ち込めば、仕入れコストや在庫リスクを抱えてまで販売を続ける理由は薄れます。100均では、より回転率の高い商品を優先する傾向があり、低需要商品は自然と棚から消えていくのです。
店舗・物流側の事情も関係している
燃料系商品は保管や配送に注意が必要で、倉庫でも他の商品と分けて管理しなければなりません。
このような物流コストの上昇や在庫管理の煩雑さも、100均が扱いをやめた理由の一つと考えられます。
また、店舗ごとに消防法の扱いが異なる場合もあり、「この店舗では販売できるが、あの店舗では販売できない」という不統一が発生します。こうした管理上の手間も、全国チェーンでは大きな課題です。
実際に確認された販売停止の動き
2023年頃から、SNSやブログでも「ダイソーのオンラインショップにライターオイルが無い」「セリアで聞いたら取り扱い終了と言われた」などの投稿が見られるようになりました。
また、以前100均で購入したライターオイルを使っていたユーザーからは「もう手に入らない」「容量が減った商品しか見つからない」といった声も上がっています。
こうした情報を総合すると、100均各社がライターオイルの取り扱いを段階的に終了した可能性が高いと言えます。公式に「販売終了」と発表されたわけではありませんが、実質的には撤退状態と見てよいでしょう。
100均以外でライターオイルを買う方法
100均で入手できなくなった今、どこで買えばよいのでしょうか。実は、ライターオイル自体はまだ広く流通しています。購入場所をいくつか紹介します。
コンビニ
ローソンや一部のセブンイレブンなどでは、ZIPPOオイルなどの小缶を販売しています。価格は100円より高いものの、急ぎのときには便利です。
ホームセンター・アウトドアショップ
カインズやコメリなどのホームセンターでは、オイルライター用の燃料が比較的安定して販売されています。
また、キャンプ用品コーナーで「ホワイトガソリン」や「ランタン用燃料」を取り扱う店もあります。
ネット通販
Amazonや楽天では、各種ブランドのライターオイルが通年購入できます。まとめ買い割引や大容量タイプも選べるため、コスパを重視する人におすすめです。
代替品として使えるもの
オイルライター専用の燃料が手に入りにくいとき、代替できる製品もいくつかあります。
ホワイトガソリン
キャンプ用燃料として知られるホワイトガソリンは、主成分がナフサでライターオイルに近い性質を持っています。
ただし、揮発性が高く、純正オイルより蒸発しやすい点には注意が必要です。長期間の保存や持ち運びには不向きなので、屋外使用が前提のときに限定して使うのが無難です。
アロマオイルや灯油はNG
インターネット上には「代用品になる」といった情報もありますが、アロマオイルや灯油を使用するのは危険です。燃焼温度や成分が異なり、発火不良や異臭、機器の損傷につながるおそれがあります。必ずライター専用のオイルを使用しましょう。
再販や復活の可能性はある？
現時点では、100均各社がライターオイルを再販するという公式発表はありません。
ただし、価格改定や新しい容器形態（少量タイプ）によって再登場する可能性はゼロではありません。
例えば、他の燃料系商品でも「容量を減らして再登場」「価格帯を変更して新シリーズ化」という動きが見られます。
今後、燃料価格や物流コストが落ち着けば、再び店頭に並ぶ可能性も考えられます。
まとめ：ライターオイルが100均から消えた理由と今できること
ライターオイルが100均で売っていないのは、単なる在庫切れではなく、いくつもの要因が重なった結果です。
主な理由を整理すると以下の通りです。
- 原材料価格や円安によるコスト上昇
- 可燃物としての安全管理の難しさ
- オイルライター需要の減少
- 物流・在庫コストの増加
つまり、「100円で安全かつ安定的に提供することが難しくなった」というのが実態です。
現在は、ホームセンターやコンビニ、通販で代替品を購入するのが現実的です。純正オイルを使えばライターの寿命も延びますし、安全面でも安心です。
もし100均での再販があったとしても、価格や容量が変わっている可能性が高いでしょう。
日常的にオイルライターを使う方は、今のうちに信頼できるメーカー品を確保しておくのがおすすめです。燃料系商品は保管や使用方法にも注意し、火気の扱いには十分気をつけましょう。
100均でライターオイルが売ってない理由を探ると、ただの“コスト問題”だけではなく、時代の変化や安全管理、消費行動の変化が透けて見えます。
再び店頭で手軽に買える日が来るかどうかは、社会全体の流れ次第。とはいえ、今の時代に合った安全で便利な選択肢を見つけていくことが大切です。
