最近、「スーパーで冷凍グリーンピースが見つからない」という声をよく聞きます。いつもあったはずの冷凍野菜コーナーを探しても、ミックスベジタブルはあるのに冷凍グリーンピース単品がない――そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
今回は、なぜ冷凍グリーンピースが売っていないのか、その背景や販売中止の真相、さらに代わりになる商品までをわかりやすく解説していきます。
グリーンピースが店頭から消えた？最近の販売状況
かつては定番だった冷凍グリーンピース。しかし近年、スーパーやコンビニの冷凍野菜コーナーで姿を見かける機会が減っています。
SNSや質問サイトでも「どこに行ってもない」「いつも買っていたのに突然消えた」といった声が相次ぎ、地域によってはほとんど見かけなくなっているという報告も。
ただし、完全に販売が終了したわけではありません。業務スーパーやネット通販では、いまでも業務用サイズの冷凍グリーンピースを取り扱っているところもあります。つまり「販売中止」ではなく、「一般スーパーでの取扱い縮小」というのが実際のところのようです。
冷凍グリーンピースが売ってない理由① 国産の生産量が減少している
冷凍グリーンピースが店頭から消えた背景には、まず「原料となる国産グリーンピースの減少」があります。
農林水産省などの統計によると、えんどう豆の作付面積や収穫量は年々減少傾向にあります。特に近年は高齢化や人手不足、天候不順などの影響で、生産者が減っているのが現状です。
もともとグリーンピースは収穫期が短く、気候によって収穫量が左右されやすい作物。そのため安定供給が難しく、冷凍食品メーカーにとってはリスクが大きい原料でもあります。結果として、国内産を使った冷凍グリーンピースの供給が減り、スーパーの棚から姿を消している可能性が高いのです。
冷凍グリーンピースが売ってない理由② 輸入品への依存と物流コストの影響
もう一つ大きな要因は、「輸入冷凍野菜への依存構造」です。
日本で流通する冷凍野菜の約9割以上が海外からの輸入品といわれています。冷凍グリーンピースもその多くがニュージーランドや中国などから輸入されていますが、ここ数年の円安や物流費の上昇によってコストが急増。
また、国際情勢や輸送ルートの制約により、安定した輸入が難しい時期もありました。
その結果、メーカーや小売側は「コストの割に需要が限定的な商品」を絞り込む流れとなり、冷凍グリーンピースのように使用頻度の低い商品が優先的に棚落ちしていると考えられます。
冷凍グリーンピースが売ってない理由③ 消費者のニーズが変わった
近年、家庭の調理スタイルにも大きな変化が見られます。
共働きや単身世帯の増加により、「時短・簡便調理」が重視されるようになり、冷凍野菜でも“すぐ使える”“調理の幅が広い”商品が選ばれる傾向が強まっています。
たとえば、ミックスベジタブルやブロッコリー、枝豆、ほうれん草などは、炒め物や弁当、スープなどさまざまな料理に使える万能食材。一方で冷凍グリーンピースは豆ごはんやハンバーグの付け合わせなど用途が限られており、家庭で使う機会が少なくなってきました。
つまり、グリーンピースそのものの需要が減少しているため、スーパー側も販売スペースをより売れる商品に割り当てているというのが実情です。
冷凍グリーンピースが売ってない理由④ メーカーの製造・流通コスト
冷凍野菜の製造には、原料の下処理・急速冷凍・保管・輸送といった複数の工程が必要です。
特に冷凍グリーンピースのように小粒で扱いにくい原料は、選別や凍結に手間がかかり、ロス率も高くなります。そのため、メーカーにとっては生産コストが高い部類の冷凍野菜と言われています。
また、冷凍食品を運ぶための冷凍物流（コールドチェーン）にもコストがかかります。電気代や人件費の上昇に加え、運送コストも高騰。販売価格を据え置いたままでは採算が合わず、結果的に生産・流通が縮小したと考えられます。
販売終了ではなく「取り扱い縮小」
ここまでの要因を踏まえると、冷凍グリーンピースは「販売終了」ではなく「取扱い縮小・限定化」という状態が最も近いと言えます。
・スーパーの棚スペースの都合で置かれなくなった
・仕入れが不安定で在庫確保が難しい
・消費者の購入頻度が低く、販売効率が悪い
このような理由から、メーカーや店舗が一時的に扱いを減らしているケースが多いようです。
一方で、業務用や通販市場では今も購入可能な商品が残っており、「探せば買える」状況ではあります。
代替商品・入手方法のおすすめ
1. ミックスベジタブルを活用する
もっとも手軽なのが、冷凍ミックスベジタブルです。
グリーンピース缶詰・コーン・にんじんがバランスよく入っており、炒飯やスープ、オムライスなど幅広い料理に対応。冷凍グリーンピース単体ではないものの、彩りや栄養バランスの面では十分代替になります。
2. 枝豆やグリーンピース缶詰を代用
料理によっては、枝豆やグリーンピース缶詰を使うのもおすすめです。
缶詰タイプはすぐに使えるうえ、ストックしやすいのが魅力。グリーンピース缶詰ご飯やサラダ、ポタージュなどに応用できます。
3. ネット通販・業務スーパーでまとめ買い
一般スーパーで見つからない場合は、ネット通販を利用するのが確実です。
業務用サイズ（1kg以上）で販売されていることが多く、家庭でも小分けにして冷凍保存すれば長期的に使えます。レビューでは「粒が揃っていて美味しい」「使いやすいバラ凍結」など、品質面でも高評価の商品が見つかります。
今後、再販や復活の可能性はある？
現時点で、主要メーカーによる冷凍グリーンピース販売終了という公式発表は確認されていません。
一方で、冷凍野菜市場全体が拡大していることを考えると、今後の需要や価格動向次第では再びラインナップに戻る可能性もあります。
ただし、現状のコスト構造や消費ニーズを踏まえると、「常時どのスーパーにも並ぶ」という状態に戻るのは簡単ではありません。今後はネット販売や業務用ルートが中心になっていくと考えられます。
まとめ：冷凍グリーンピースが売ってないのは「時代の流れ」かも
冷凍グリーンピースが売っていない背景には、
・原料の国産減少
・輸入コストの上昇
・消費ニーズの変化
・製造・物流コストの高騰
といった複数の要因が絡み合っています。
決して「人気がなくなったから消えた」わけではなく、時代の流れの中で販売構造が変化した結果といえそうです。
もしスーパーで見つからない場合は、ミックスベジタブルやグリーンピース缶詰、通販の業務用冷凍グリーンピースなどを上手に活用してみましょう。
冷凍庫にひと袋あると、彩りも食感も一気に豊かになります。
冷凍グリーンピースが売ってない？これからの買い方と上手な代用術
結論として、「冷凍グリーンピースが売ってない」という現象は、販売終了ではなく市場構造の変化による“取扱い減少”が原因です。
冷凍野菜の需要が広がる中で、より多用途な商品へとシフトしている今こそ、私たち消費者も柔軟に選択肢を広げたいところ。
スーパーで見つからなくても、通販や代替商品を上手に取り入れれば、これまで通り料理に彩りを添えることができます。
