秋になると、「栗ご飯が食べたい！」と思ってスーパーへ行ったのに、どこにも生栗が売っていない……そんな経験をした人も多いのではないでしょうか。2025年も「栗がスーパーに並ばない」「売り切れている」という声が各地で聞かれています。では、なぜ栗はスーパーで見かけにくいのでしょうか？ 今年の販売状況や入荷時期、手に入れるコツまで詳しく見ていきましょう。
栗がスーパーで売ってないのはなぜ？
一番の理由は、生栗が店頭に並ぶ期間が非常に短いことにあります。栗の旬は早いもので9月上旬から、遅い品種でも10月中旬まで。つまり、1年のうちたった1か月ほどしか「新鮮な生栗」が流通しないのです。
しかも、栗は皮付きのままだと鮮度が落ちやすく、保管が難しい食材。スーパーの側から見ると、仕入れてもすぐに売り切らなければならず、廃棄リスクが高い商品です。そのため、販売時期を絞ったり、店舗によっては最初から取り扱いを控えたりするケースもあります。
また、2025年は夏の高温と少雨の影響で生育が遅れ、**「小粒」「収穫量減少」**という報告も相次ぎました。特に岐阜・中津川や熊本の利平栗などでは、「例年より小ぶりで量が少ない」という声が農家からも出ています。結果的に、スーパーへの出荷量が減り、売り場に並ぶ栗が少なくなっているのです。
2025年の栗シーズンはどうだった？
今年の栗シーズンは、全国的に9月中旬から始まり、10月中旬にはピークを迎えました。茨城県では早生品種「丹沢」「ぽろたん」が9月上旬に出荷を開始し、晩生の「岸根」などは10月上旬まで続きました。
兵庫県の丹波地域でも、9月末から出荷作業が本格化。各地で「栗フェア」や直売イベントが行われましたが、例年に比べると出荷量が少なく販売期間も短め。このため、10月中旬には多くのスーパーで生栗が姿を消したといわれています。
特に人気のブランド栗「丹波栗」や「利平栗」は、予約販売が中心になり、一般のスーパーにはあまり出回らなかったとの報告もあります。通販や直売所を中心に動いたことで、街のスーパーでは「気づいたときにはもう終わっていた」という人が続出しました。
スーパーで栗を見つけるには？入荷タイミングの目安
スーパーで生栗を買いたいなら、9月中旬〜10月中旬が最も狙い目です。
ただし、地域によって入荷時期がずれるため、タイミングを逃すと一瞬で店頭から消えてしまうこともあります。
- 北関東・東北地方：9月上旬〜10月初旬
- 関西・中部地方：9月中旬〜10月中旬
- 九州地方：9月下旬〜10月上旬
また、スーパーによっては「地元産直コーナー」や「秋の味覚フェア」などで短期間だけ栗を扱う場合があります。普段行かない店舗や道の駅をチェックすると、思いがけず見つかることもあります。
どうしてもスーパーで見つからないときは、農協の直売所や産地直送通販を利用するのもおすすめです。産地によっては「予約販売」を受け付けており、旬の時期に確実に手に入ります。
「売ってない」と感じるのはタイミングの問題かも
多くの人が栗を探す時期は、ちょうど秋本番の10月下旬から11月ごろ。しかし、この頃にはすでに栗の収穫期は終わっており、スーパーも販売を終了しています。つまり、「売ってない」と感じるのは、旬を少し過ぎてしまっているケースが多いのです。
また、スーパーの仕入れ量にも限りがあります。短い期間にしか出荷されないため、人気商品は入荷から数日で売り切れてしまうこともあります。
特に大型チェーン店よりも、地元密着型のスーパーや産直市場のほうが仕入れルートが多く、栗を扱っている可能性が高いです。
2025年は天候の影響で「不作」傾向
今年は全国的に暑さが長引き、8月の降水量も少なかったことから、栗の生育には厳しい条件が続きました。その結果、「例年より実が小さい」「落果が早い」といった声が多く、生産者にとっても難しい年となりました。
特に影響が大きかったのが「利平栗」「銀寄」などの人気品種。これらは大粒で甘みが強く、贈答用や高級和菓子に使われるため需要が高いですが、収穫量が減ったことで価格も上昇傾向にあります。
こうした背景から、スーパーの仕入れ価格が上がり、販売数を絞る店舗も増えているようです。
栗を確実に手に入れるコツ
- 旬を知って早めに動く
生栗の販売ピークは9月中旬〜10月中旬。9月のうちにチェックしておくのがベストです。 - 直売所・道の駅を活用する
スーパーよりも早く出荷が始まることが多く、地元産の新鮮な栗が手に入ります。 - 通販・予約販売を利用する
「丹波栗」「ぽろたん」などはネット予約が中心。冷凍栗やむき栗タイプも便利です。 - 保存方法を工夫する
生栗は買ったらすぐに調理が基本。すぐ使わない場合は冷蔵庫のチルド室で1週間ほど、長期保存なら冷凍が安心です。
また、「生栗が手に入らない」ときは、冷凍むき栗や甘栗、栗ペーストなどの加工品を上手に使うのもおすすめです。味や香りは若干異なりますが、栗ご飯やスイーツに使うには十分満足できます。
今後の販売動向と再入荷の可能性
2025年産の栗は、すでに多くの地域で販売が終了しています。今後スーパーで再入荷があるとすれば、冷凍栗や加工品の新商品が中心になるでしょう。
ただし、来年以降も気候の影響次第で生産量が左右される可能性があるため、「来年はいつ出回るか」を知るためにも、産地の情報を早めにチェックしておくのが大切です。
たとえば、「丹波栗フェア」などのイベント情報や、JA・県の農業サイトでは毎年出荷時期が公表されます。こうした情報源をフォローしておくと、スーパーに栗が並ぶタイミングを逃しにくくなります。
栗がスーパーで売ってない？今年は早めの行動がカギ
まとめると、2025年に「栗がスーパーで売ってない」と感じた理由は次の通りです。
- 出荷時期が短く、旬が終わるのが早い
- 高温少雨で不作となり、流通量が少なかった
- ブランド栗は予約販売や通販が中心
- スーパーが取り扱いを控える傾向にある
つまり、「栗を買いたい」と思ったときにはもう時期が過ぎていたというケースが多いのです。
もし来年こそ旬の栗を楽しみたいなら、9月に入ったらすぐにスーパーや直売所をチェックするのがおすすめ。タイミングさえ合えば、店頭で新鮮な生栗を見つけられるはずです。
秋の味覚・栗は、季節を感じる特別な食材。限られた期間だからこそ、出会えたときの喜びもひとしおです。ぜひ今年逃した人も、次のシーズンは少し早めに動いてみてください。
