トヨタを代表する高級車といえば「クラウン(セダン)」。1955年に初代が登場して以来、常に日本のプレミアムカー市場をけん引してきました。
しかし、2022年のフルモデルチェンジ以降はラインナップが大きく変わり、「クラウン(セダン)って今どれを選べばいいの?」と迷う人が急増しています。この記事では、歴代クラウン(セダン)の進化と、現行シリーズ4モデルの違い・おすすめグレードを分かりやすく整理していきます。
クラウン(セダン)の歴史をざっくりおさらい
クラウン(セダン)の誕生は1955年。初代モデルは国産初の本格乗用車として、当時の日本の憧れの象徴でした。
その後、クラウン(セダン)は高級感と信頼性を武器に、社用車・公用車・役員車の定番として定着していきます。
6代目以降になると、「ロイヤル」「アスリート」「マジェスタ」など、より多様な派生モデルが登場。
1990年代以降は静粛性・乗り心地・安全性が磨かれ、ハイブリッド仕様も追加。まさに“日本の高級車の代名詞”として進化してきました。
そして2022年、クラウン(セダン)はついに「一車種」から「シリーズ」へ。
セダンだけでなく、クラウン(スポーツ)・クラウン(クロスオーバー)・クラウン(エステート)の4タイプが登場し、「多様なクラウン」が新たな時代を切り開いています。
現行クラウン(セダン)は4タイプ!それぞれの特徴と違い
クラウン(セダン)
伝統のセダンスタイルを継承した正統派モデル。
全長5030mmの堂々としたサイズと、後輪駆動(FR)による上質な乗り味が特徴です。
パワートレーンは2.5Lハイブリッドまたは燃料電池車(FCEV)。
静粛性と後席の快適さが際立ち、ビジネス利用や長距離移動にも最適です。
価格帯は約730万円から。燃費はWLTCモードで18km/L前後。
「クラウン(セダン)といえばセダン」というイメージを大切にしたい人におすすめです。
クラウン(スポーツ)
名前の通り、走りとデザインを重視したスポーティモデル。
全長4720mm×全幅1880mmと、セダンよりコンパクトで扱いやすいボディサイズ。
低重心のフォルムとハッチバック形状により、都市部でも運転がしやすく、若い層からも人気です。
2.5Lハイブリッドとプラグインハイブリッド(PHEV)を設定。
燃費は21km/L前後、PHEVならEV走行も可能。
「高級車らしさより運転の楽しさを重視したい」という方には最もマッチします。
クラウン(クロスオーバー)
SUVとセダンの中間的存在として誕生したのがクロスオーバー。
全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mmで、SUVのような高いアイポイントと、セダンの安定感を両立しています。
E-Four(電動4WD)を搭載し、雪道や雨天時も安心。
価格は約595万円からと、シリーズ中で最も手の届きやすいモデル。
見た目の迫力と実用性の高さがあり、街乗りからレジャーまで幅広く使えます。
「SUVも気になるけど高級感も欲しい」という人にはベストバランスです。
クラウン(エステート)
シリーズ中で最も実用的なステーションワゴンタイプ。
全長4930mm×全幅1880mm×全高1625mmと広々サイズで、荷室容量は570L。
ファミリーカーとしての使い勝手が高く、後席を倒せば長尺物も余裕で積めます。
パワートレーンはハイブリッドとPHEVを用意。
アウトドアや旅行が多い家庭でも、静粛で快適なドライブが可能です。
「荷物も人も快適に運べる上質ワゴン」を探している人には理想的な一台。
クラウン(セダン)のグレード比較と選び方のポイント
現行クラウン(セダン)は各モデルで「G」「Z」「RS」などのグレードが設定されています。
価格と装備、走行性能のバランスから、おすすめをまとめました。
- Gグレード(ハイブリッド)
最もコスパの高いベースグレード。安全装備や快適機能も十分。
「クラウン(セダン)らしさ」を体感しつつ、価格を抑えたい人に向いています。 - Zグレード(ハイブリッド/PHEV)
人気の中心。上質な内装と先進装備が充実しており、満足度が高い。
価格と装備のバランスが良く、最初の一台としておすすめです。 - RSグレード(PHEV中心)
最上級スポーツグレード。専用チューニングサスペンションや大型ホイールを装備。
走り重視派には魅力的ですが、価格帯は650万円~700万円台と高め。
「とにかく燃費と静粛性で選ぶならハイブリッド」「充電環境が整っていて補助金も活用できるならPHEV」というのが現実的な判断基準です。
クラウン(セダン)選びで失敗しないためのチェックポイント
クラウン(セダン)はどのモデルも完成度が高いですが、購入前にいくつか確認しておくと安心です。
- 駆動方式の違い
セダンはFR、それ以外はE-Four(4WD)中心。雪道や坂道が多い地域ならE-Four推奨。 - サイズと駐車スペース
全幅が1880mm前後と広め。マンション駐車場や機械式駐車場では入らない場合もあるので要確認。 - 用途の明確化
毎日通勤で使うのか、休日ドライブ中心か、家族での遠出用かで最適モデルは変わります。
たとえば、後席重視ならクラウン(セダン)、荷物重視ならクラウン(エステート)、運転重視ならクラウン(スポーツ)。 - 維持費と税制優遇
ハイブリッド車やPHEVはエコカー減税やグリーン化特例の対象。
燃費性能も優れているため、長期的に見るとガソリン車よりランニングコストを抑えられます。 - リセールバリュー(将来価値)
クラウン(セダン)はブランド力が強く、中古市場でも安定した人気。
ただし、シリーズ化以降はボディタイプごとに需要が異なるため、売却時の価値も変わります。
用途別おすすめクラウン(セダン)まとめ
- 伝統の高級感を重視するなら
→ クラウン(セダン) Z(ハイブリッド or FCEV) - 運転を楽しみたいなら
→ クラウン(スポーツ) RS(PHEV) - 家族や荷物の多さを考えるなら
→ クラウン(クロスオーバー) Z または クラウン(エステート) Z - コスパ重視でクラウン(セダン)に乗りたいなら
→ 各モデルの G ハイブリッドグレード
クラウン(セダン)はどのモデルでも、静粛性・乗り心地・安全装備といった基本性能の完成度が非常に高く、後悔の少ない選択ができます。
あとは自分の生活スタイルに「どのクラウン(セダン)が一番しっくりくるか」をイメージすることが大切です。
クラウン(セダン)はどれがいい?迷ったら「バランス」で選ぼう
ここまで見てきたように、現行クラウン(セダン)は4タイプそれぞれに明確な個性があります。
クラウン(セダン)は伝統、クラウン(スポーツ)は走り、クラウン(クロスオーバー)は実用、クラウン(エステート)は積載と、方向性がきれいに分かれています。
もし「どれがいいか決めきれない」ときは、まずクラウン(クロスオーバー)のハイブリッドZを試乗してみるのがおすすめです。
サイズ・走り・価格・快適性のバランスがよく、クラウン(セダン)らしい上質感も十分味わえます。
トヨタが長年磨き続けてきた「日本の高級車ブランド・クラウン(セダン)」。
新時代に生まれ変わった今こそ、自分のライフスタイルに合った一台を見つけてみてください。
