簿記を始めてみたいけど、独学と講座、どっちがいいの?
そんな疑問を抱く人はとても多いです。仕事や転職のため、あるいは家計管理のスキルアップ目的など、簿記の勉強を考える理由は人それぞれ。でも、いざ始めようとすると「教材が多すぎて迷う」「講座は高そう」「独学で本当に合格できる?」と悩む人も多いのではないでしょうか。
この記事では、初心者が簿記を学ぶ際に押さえておきたい勉強法の選び方を、独学と講座の両面から詳しく比較していきます。
簿記ってそもそもどんな資格?
まず、簿記が何のための資格かを簡単に整理しましょう。
簿記は、企業や個人の「お金の流れ」を記録・整理・報告するための技術を身につける資格です。試験では、取引を「仕訳」して「帳簿」に記録し、最終的に「財務諸表(損益計算書・貸借対照表)」を作る流れを理解できるかが問われます。
試験は日本商工会議所が主催する「日商簿記検定」が一般的で、3級・2級・1級に分かれています。
3級は初心者向けで、経理の基礎や会社の数字の見方を学ぶレベル。2級は実務的な内容になり、経理職への就職・転職を狙う人の多くが目指す級です。1級は難関資格で、会計士・税理士を目指す人が挑戦するケースが多いです。
簿記を勉強する目的を決めよう
簿記を学ぶ前に、「なぜ簿記を取りたいのか」を明確にしておくことが大切です。
例えば、こんな目的があります。
- 会社の経理や事務職に就きたい
- 転職でアピールできる資格が欲しい
- 起業や副業でお金の管理を正しくしたい
- 投資や経済ニュースを理解できるようになりたい
目的がはっきりしているほど、モチベーションを維持しやすく、勉強の方向性もブレにくくなります。
独学で簿記を勉強するメリットと注意点
まずは独学で挑戦する場合の特徴を見てみましょう。
メリット
- 費用を抑えられる
テキストや問題集を購入するだけで始められるため、コストが安いのが最大の利点です。 - 自分のペースで進められる
仕事や家事の合間など、スキマ時間を使ってマイペースに学べます。 - 自由度が高い
教材や勉強法を自分で選べるので、効率を追求したり苦手分野に時間をかけたりできます。
デメリット
- つまずいたときに聞ける人がいない
理解できない箇所を放置しがちで、挫折の原因にもなります。 - モチベーション維持が難しい
誰も管理してくれないため、途中で勉強が止まってしまうことも。 - 試験範囲が広いと時間がかかる
特に2級以上になると独学だけでは理解に限界を感じるケースが多いです。
独学が向いている人
- まずは3級から始めたい人
- 勉強を続ける習慣がある人
- 予算をなるべく抑えたい人
- 自分で計画を立てて動けるタイプ
講座で簿記を学ぶメリットと注意点
続いて、通信講座やスクールを利用して学ぶ場合の特徴を整理します。
メリット
- 効率的なカリキュラムがある
合格に必要な範囲だけを体系的に学べるため、初心者でも理解しやすいです。 - 質問・サポート体制がある
不明点をすぐ質問できる環境が整っており、つまずきを防げます。 - 学習スケジュールが明確
「いつ・何を・どの順番でやるか」が決まっているので、迷わず進められます。 - モチベーションを維持しやすい
動画講義や講師の解説で「学んでいる実感」があり、続けやすいのも大きな利点です。
デメリット
- 費用がかかる
受講料は数万円〜十数万円になることもあります。 - スケジュールに縛られることがある
通学や配信スケジュールに合わせる必要がある場合も。 - 講座を受けただけでは合格できない
復習と演習を自分で積み重ねる努力は不可欠です。
講座が向いている人
- 初めて簿記を学ぶ初心者
- 独学でつまずいた経験がある人
- 2級・1級を目指す人
- 計画的に勉強を進めたい人
独学と講座を比較するときのポイント
「どちらがいいか」は、最終的に自分の生活スタイルと目標によります。
以下の項目をチェックして、自分に合った方法を選びましょう。
- 目標の級
3級は独学でも十分合格可能。2級以上は講座を利用するほうが効率的です。 - 勉強時間の確保
忙しい人ほど「短期間で効率的に学べる講座」が向いています。 - 理解力と継続力
自分でコツコツ進められるタイプなら独学でも問題ありません。 - 費用
とにかくコストを抑えたいなら独学。
多少の出費で効率と安心を得たいなら講座。 - サポート体制
質問・添削・模擬試験など、講座には独学にはない支援が充実しています。
初心者におすすめの勉強ステップ
簿記を始めたばかりの人は、まず以下の流れで進めるのが効果的です。
- 目標を明確にする
「3級合格」など、具体的なゴールを決めましょう。 - 学習期間を設定する
3ヶ月・6ヶ月など、無理のないスケジュールを立てます。 - テキストを一周して全体像を掴む
最初は理解より「流れを知る」ことを重視。 - 問題演習で理解を深める
仕訳・決算整理・精算表など、頻出テーマを中心に繰り返す。 - 過去問や模試で実戦練習
本番形式で時間配分を体得することが合格のカギです。
独学でも講座でも、この「反復と確認」が最も重要なプロセスです。
初心者に人気の簿記講座の傾向
最近はオンライン講座の選択肢が増えています。特に人気なのは次のようなタイプです。
- 低価格で始められる通信講座(例:数千円〜)
- スマホで完結する動画講義つき講座
- 質問サポートや模擬試験が充実しているコース
- 合格実績や返金保証がある講座
多くのスクールでは「3級から2級までセット」「短期集中パック」など、目的別のコースも用意されています。
忙しい社会人や主婦でもスキマ時間で学べるよう、スマホ対応の教材や倍速再生機能を持つ講座も増えています。
独学派が選ぶべき教材のポイント
独学で進める場合は、教材選びが最重要です。
以下を基準に選ぶと失敗しにくいでしょう。
- 最新の試験範囲・ネット試験対応版であること
- 図解や例題が豊富で、初心者でも理解しやすい構成
- 問題集がテキストと連動しているもの
- 過去問付きで出題傾向が把握できるもの
独学でも、SNSや動画サイトで勉強仲間を見つけたり、勉強記録を発信することでモチベーションを維持する工夫もおすすめです。
簿記の勉強はどれがいい?結論とおすすめの進め方
結論から言うと、「どちらがいいか」は人によって違います。
ただし、初心者にとって最も大切なのは「続けられる環境を作ること」です。
- 3級を目指すなら独学でもOK。
テキストと問題集を使ってコツコツ勉強すれば、合格は十分可能です。 - 2級以上を目指すなら講座の利用が有効。
範囲が広く難易度も高いため、体系的なサポートが合格への近道になります。 - まず独学で始めて、必要に応じて講座に切り替えるという柔軟な方法もおすすめです。
簿記は一度学べば一生使えるスキルです。
お金の流れを理解できるようになると、仕事でもプライベートでも役立つ場面が増えます。
自分の目的と生活リズムに合わせて、無理のない方法で学びを続けていきましょう。
