最近、「オランジーナが売ってない」「販売終了したの？」という声をよく耳にします。フランス生まれの炭酸飲料として長年親しまれてきたオランジーナ。爽やかな柑橘の香りとほろ苦さで人気だったのに、なぜ店頭から姿を消したのでしょうか。今回はその真相と、今後の再販の可能性について詳しく見ていきます。
オランジーナとは？日本で愛されたフランス生まれの炭酸飲料
オランジーナは、1936年にフランスで誕生した炭酸飲料です。オレンジ・レモン・マンダリンオレンジ・グレープフルーツといった柑橘果汁をブレンドし、果汁本来の味わいと爽やかな苦みを楽しめるのが特徴でした。
日本では2012年、サントリー食品インターナショナルが販売を開始。独特のボトルデザインや、濃厚なオレンジ感が「フランスっぽい」と話題になり、一時はコンビニでも定番商品として人気を集めました。
しかしここ数年、SNSや検索では「最近オランジーナを見ない」「販売終了なのでは？」という声が急増。背景には、リニューアルや原料事情など、いくつもの要因があるようです。
販売終了と噂されるきっかけは「リニューアル」
まず、販売終了の噂が広がったきっかけは、2022年5月のリニューアルです。
サントリーは発売10周年を機に、従来の「オランジーナ」を刷新し、新たに「オランジーナ エアリー（ORANGINA Airy）」として発売しました。
このリニューアルでは、
- 果汁構成をオレンジ中心に4種ブレンド（オレンジ、レモン、マンダリン、グレープフルーツ）
- 糖質を25％オフにして軽やかな飲み心地へ変更
- 明るいブルーを基調にした爽やかなパッケージへ変更
といった改良が行われました。
一方で、旧ボトルや旧味の「オランジーナ」は生産終了となり、在庫がなくなり次第流通終了。その結果、消費者の目には「オランジーナがなくなった＝販売終了した」と映ったわけです。
それでも「オランジーナが売ってない」と言われる理由
リニューアル後も、エアリー版の流通が徐々に減っていったことが、“売ってない”という声を加速させました。主な理由を見ていきましょう。
1. 原料のオレンジ果汁が世界的に不足
2024年以降、ブラジルやアメリカ・フロリダ州でオレンジの収穫量が激減。病害や気候変動の影響で、果汁価格が世界的に高騰しています。
果汁比率が高いオランジーナのような飲料は特にコスト上昇の影響を受けやすく、採算が取りにくくなったとみられます。
実際、同様の理由でオレンジ系飲料を一時的に休売するメーカーも相次ぎました。
2. 健康志向の高まりと嗜好の変化
近年、炭酸飲料市場では「低糖」「ゼロカロリー」「微炭酸」など、軽さや健康を重視する流れが強まっています。
果汁12％・甘みと苦みのバランスが特徴だった旧オランジーナは、こうしたトレンドとやや合わなくなっていたとも言えます。
エアリーへの刷新はこの流れに沿ったものでしたが、旧ファンの間では「味が薄くなった」「昔のほうがよかった」という声も少なくありません。
3. 流通・取り扱い店舗の減少
コンビニやスーパーでは売り場スペースが限られ、売れ行きが落ちると棚から外されることもあります。オランジーナはリニューアル後も一部店舗にしか並ばず、在庫切れや入荷停止が続きました。
さらに2024年頃からは公式サイトでも「現在休売中」と明記され、実質的に流通が止まっている状態です。
「販売終了」ではなく「休売状態」というのが真相
つまり、オランジーナが完全に終了したわけではなく、「販売終了に近い休売状態」が正確な状況のようです。
旧製品はすでに生産を終了。
後継のオランジーナ エアリー版も、果汁価格や物流コストの高騰で製造が難しくなり、全国での販売を一時的に停止していると考えられます。
通販サイトでも在庫が少なく、あっても高値で取引されるケースが多いのが現状です。
一部では「フランスからの輸入版なら買える」という声もありますが、並行輸入品は1本あたり数百円〜1000円以上と高価。国内で気軽に買える状態ではありません。
SNSや口コミで広がる「惜しむ声」
SNSでは、「オランジーナが恋しい」「あの味が忘れられない」という声が今も多く見られます。
「学生時代によく飲んでたのに、最近全然見ない」
「あの独特のボトルと味、また復活してほしい」
「ネットで高いけど、懐かしくて買っちゃった」
といった投稿も。
こうした“飲みたいけど手に入らない”状況が、逆にブランドの存在感を高めているとも言えます。
再販・復活の可能性はある？
結論から言うと、オランジーナの再販は“十分あり得る”と考えられます。
いくつかのシナリオが考えられるので順に見ていきましょう。
1. 原料事情が改善すれば再開の可能性
現在の最大の課題は、果汁価格の高騰と供給不安定です。もしオレンジ収穫量が回復し、価格が安定すれば、製造コストの面で再販が可能になります。
サントリーとしても、ブランド価値の高いオランジーナを完全に手放す理由は薄いでしょう。
2. 限定復活やリニューアル再登場の可能性
過去には「期間限定」や「特別フレーバー」で再登場した飲料も多くあります。
オランジーナも、例えば「夏季限定」や「数量限定ボトル」として復活させれば話題性も十分。ブランドの再活性化にもつながります。
3. 並行輸入やコラボ展開による再流通
すでに一部ではフランス版オランジーナが並行輸入で販売されています。国内再販が難しい場合でも、輸入ルートを活用すれば再び入手できる可能性があります。
また、他ブランドとのコラボ商品（カクテルミックスやスイーツコラボなど）として“形を変えて復活”する可能性も考えられます。
消費者の声が再販の鍵を握る
企業が商品を復活させるきっかけの多くは、「また飲みたい」という消費者の声です。
SNSや問い合わせフォーム、口コミサイトでの要望が多ければ、メーカー側も再販を検討しやすくなります。
実際、過去にはファンの声を受けて限定復活した飲料も数多く存在します。オランジーナも例外ではありません。
まとめ：オランジーナ販売終了の真相と今後の展望
ここまで見てきたように、「オランジーナ販売終了」という噂の背景には次のような流れがあります。
- 旧製品は2022年のリニューアルで生産終了
- 後継の「オランジーナ エアリー」も、原料高騰などで休売状態
- 現在は国内ではほぼ入手困難だが、ブランド自体は消滅していない
- 原料・市場環境次第で再販・限定復活の可能性あり
つまり、オランジーナは「完全終了」ではなく「一時的な休止」に近い状態。
その復活には、環境の改善と、私たち消費者の声が欠かせません。
懐かしいオレンジの香りが、再びコンビニの棚に戻る日が来ることを願いたいですね。
