長年コンタクトレンズを使っている人なら、一度はお世話になったことがある「AOセプトクリアケア」。強力な洗浄力と手軽さで人気を集めていたこのレンズケア用品が、突然「販売終了」というニュースに。SNSやネット上では「もう買えないの？」「代わりはあるの？」といった声があふれています。
この記事では、なぜAOセプトクリアケアが販売終了になったのか、その背景と愛用者が感じる困惑、そして代替品や後継製品の情報をわかりやすく解説します。
AOセプトクリアケアとは？人気の理由をおさらい
「AOセプトクリアケア」は、アルコン社が販売していたソフトコンタクトレンズ用の過酸化水素タイプ洗浄・消毒液です。
こすり洗い不要で、専用ケースにレンズと液を入れておくだけで、泡の力で汚れをしっかり落とし、6時間後にはレンズが清潔になるという簡単ケアが特徴でした。
また、消毒力の高さに加え、保存液や防腐剤を使わない安心感から、長年多くのユーザーに支持されていました。「もうこれ以外は使えない」と言うほどのリピーターも多く、実際に国内外で高いシェアを誇っていた製品です。
AOセプトクリアケアが販売終了になった理由
では、なぜ多くの愛用者に惜しまれながら販売終了となったのでしょうか。
結論から言うと、「製品のリニューアル（仕様変更）」が主な理由です。ただし、その背景にはいくつかの要因が重なっていると考えられます。
1. 製品リニューアルによる刷新
アルコン社は公式サイトで、AOセプトクリアケアの販売終了を発表しました。同時に「後継商品として新しい『クリアケア』を発売する」と案内しています。
つまり、「販売終了＝完全廃止」ではなく、「旧バージョンの終了と新バージョンへの切り替え」という流れです。
新しいクリアケアでは、レンズケースの形状や目盛り線の見やすさなど、ユーザーの声を反映した改善が行われています。さらに環境配慮として、添付文書を箱の内側に印刷するなど、紙資源の削減にも取り組んでいます。
見た目は少し変わっても、基本的な「過酸化水素による泡洗浄」や「6時間つけ置きでしっかり中和」といった仕組みはそのまま。つまり、性能面では引き続き安心して使える内容です。
2. 原材料や物流コストの上昇
もうひとつの背景には、原材料費や物流コストの高騰があります。
ここ数年、円安や輸送費の上昇が続き、製造コストが大きく変化しました。さらに、消毒液やボトルに使用される化学素材の一部が供給不安に陥った時期もあり、製品の安定供給が難しくなっていたようです。
そのため、価格を据え置いたまま旧製品を維持するより、仕様を見直して新製品に移行した方が現実的だと判断された可能性が高いでしょう。
3. 製品ラインの整理とシリーズ統合
アルコン社では、同時期に複数のレンズケア用品を終売しています。
「AOセプト」「クリアケアプラス ハイドラグライド」などが公式の販売終了リストに並び、ブランド全体の再構築を進めていることがわかります。
多様なラインナップを整理し、よりユーザーに分かりやすいシリーズへ統一する意図もあると考えられます。これにより、販売・流通・サポート面の効率化も進められるでしょう。
愛用者が感じた「困惑」とその理由
ニュースを聞いて、ネット上では「いきなり終売ってどういうこと？」「どこにも売っていない」といった声が多数。
実際に愛用していた人たちは、次のような点で困惑しているようです。
品薄と価格高騰による混乱
販売終了の発表前後から、店頭やネットショップで在庫が急減しました。
その結果、在庫がある店舗では価格が高騰し、以前の倍近い値段で取引されるケースも。
「まとめ買いしておけばよかった」「在庫があっても高くて買えない」という声が相次ぎました。
「終売」と「リニューアル」の違いが分かりにくい
多くの人は「販売終了＝もう作られない」と受け止めます。
しかし今回の場合は、旧仕様の終了と新仕様の切り替え。ところが、公式発表がやや分かりにくく、「同じ製品名の新旧が混在」する時期があり、混乱を招きました。
通販サイトでも旧製品と新製品が並行して販売され、「どちらを買えばいいのか分からない」といった声も見られます。
後継品への移行に不安を感じる人も
レンズケア用品は目に直接関わるものだけに、使い慣れた製品からの切り替えに慎重な人も多いです。
「新しいボトルの使い方は同じ？」「専用カップは変わる？」「保存液の成分は一緒？」など、細かい点が気になるのも当然です。
特に、家族でまとめ買いしていたり、定期配送を利用していた人にとっては切り替え時期の対応が面倒に感じられたようです。
AOセプトクリアケアの代替品・後継商品
では、現在AOセプトクリアケアを使っていた人はどうすればいいのでしょうか。
ここでは、後継商品や代替品として検討できる製品を紹介します。
1. アルコンの新「クリアケア」
まず最も自然な選択が、同社の後継製品「クリアケア」。
見た目やパッケージが刷新されただけでなく、容量が増え、操作性や使いやすさが向上しています。
主な変更点は以下の通りです。
- 内容量が360mLから480mLに増量（ショップによって異なる場合あり）
- 目盛り線が太くなり、液量が確認しやすくなった
- カップの上部が平らな形状になり、乾燥時に安定しやすい
- 添付文書を箱の内側に印刷し、紙の削減を実現
機能面では旧AOセプトクリアケアと同様に「過酸化水素タイプのつけ置き洗浄」であり、使用感もほぼ変わりません。
旧ユーザーであれば、ほぼ違和感なく乗り換えられるでしょう。
2. コンセプト ワンステップ（ジョンソン・エンド・ジョンソン）
こちらも過酸化水素タイプの洗浄液で、「こすり洗い不要」「防腐剤不使用」という共通点があります。
泡立ちや中和の仕組みも似ており、代替品として使いやすい製品のひとつです。
価格帯も比較的安定しており、入手しやすいのが魅力です。
3. クリアデュー ハイドロワンステップ（オフテクス）
こちらはポピドンヨード系の消毒液を採用したつけ置きタイプです。
やや成分は異なりますが、洗浄力は十分。
ただし、ヨウ素にアレルギーがある人は使用を避けるなど、注意が必要です。
医師や販売店で相談の上、適した製品を選ぶのが安心です。
後継品を選ぶときのチェックポイント
代替品を選ぶ際は、次の点を確認しておくと安心です。
- 成分と消毒方式：過酸化水素かポピドンヨードかで使用方法が異なる。
- 専用ケースの有無：中和ディスク付きの専用カップが必要なタイプもある。
- 放置時間：6時間以上が目安。途中で取り出すと刺激が強いので注意。
- 保存期間：中和後は1週間以内の使用を推奨。
- 価格・容量・入手性：店頭や通販の在庫状況も確認しておく。
これらを踏まえ、自分のライフスタイルや使用頻度に合うものを選ぶことが大切です。
今後の販売状況とユーザーへの影響
旧AOセプトクリアケアは、2025年春頃までにほぼ流通が終了する見込みです。
それ以降は在庫販売のみとなり、順次「新クリアケア」へ切り替えが進むと予想されます。
定期購入サービスを利用している場合、販売店によっては自動的に後継商品に変更されるケースもあるので、契約先の案内を確認しておきましょう。
また、ストックを持っている人は「使用期限」を必ず確認してください。
消毒液は成分が安定しているとはいえ、期限を過ぎたものを使うと効果が低下する可能性があります。
まとめ：AOセプトクリアケア販売終了の理由とこれからの選び方
AOセプトクリアケアが販売終了になったのは、「旧仕様の刷新」と「新クリアケアへの移行」が主な理由でした。
原材料や物流の問題も影響していますが、完全な廃止ではなく、むしろ“進化した形でのリニューアル”です。
突然の終売に戸惑う声は多いものの、後継製品の新クリアケアや他の過酸化水素タイプを選べば、同じような使い心地を維持できます。
今後はリニューアル版を試しつつ、自分に合ったレンズケア習慣を見直す良い機会になるかもしれません。
レンズケアは毎日の視界と快適さを守る大切なステップ。
焦らず、正しい情報を確認しながら、安心できる代替品を選びましょう。
