最近「iPhone SE（第3世代）が販売終了した」というニュースを耳にした方も多いのではないでしょうか。Appleの中でも手頃な価格帯で人気のあったこのモデルが、なぜラインアップから消えたのか。そして、これから購入を検討している人はどのモデルを選ぶべきなのか。ここではその背景と今後の選択肢を、わかりやすく整理していきます。
iPhone SE第3世代は本当に販売終了したのか？
結論から言うと、iPhone SE（第3世代）はすでにApple公式サイトのラインアップから姿を消しています。2025年2月に新モデル「iPhone 16e」が発表されたタイミングで、SE（第3世代）を含むいくつかの旧モデルが販売終了となりました。
国内ではApple Storeや大手キャリアのオンラインショップでも「在庫限り」と表示され、カラーや容量が限定されている状況。家電量販店の一部店舗ではまだ在庫を見かけることがありますが、流通在庫が尽きれば完全終了と見られています。
発売から約3年。SEシリーズとしては比較的短いサイクルでの終了ですが、実はこの動きには明確な理由があります。
販売終了の理由1：Appleのラインアップ整理
Appleはここ数年、ラインアップの簡素化を進めています。かつては「Pro」「Pro Max」「Plus」「mini」「SE」と幅広い展開でしたが、近年はシリーズを統合し、モデルごとの役割を明確にしています。
iPhone SE（第3世代）は2022年に登場した“廉価モデル”。A15 Bionicチップを搭載しながらも、ホームボタンとTouch IDを残すことで手頃な価格を実現していました。しかし、Appleが2025年に発表した新モデル「iPhone 16e」は、まさにSEシリーズを置き換える位置付け。最新仕様のUSB-Cポートを採用し、ディスプレイも全面化されています。
つまり、iPhone SE（第3世代）は「役目を終えた」というより、後継モデルに引き継がれたと見るのが自然です。
販売終了の理由2：EUの規制と技術トレンドの変化
EUでは2024年末から、スマートフォンなどの電子機器にUSB-Cポートの搭載を義務づける法律が施行されました。Lightning端子を採用していたiPhone SE（第3世代）は、この新しいルールに適合しません。
Appleはこの対応をきっかけに、すべてのiPhoneをUSB-Cへ統一する方針を明確化。結果として、Lightning端子を持つ最後のモデルの一つであるiPhone SE（第3世代）は、EU市場から先行して販売終了となり、日本でも同様の流れが続いたというわけです。
技術的にも、Face IDやフルスクリーンデザインが主流になりつつあります。ホームボタンを残す旧設計のまま製造を続けるのは、コストや生産効率の面でも難しくなっていたと考えられます。
販売終了の理由3：コストと製造体制の最適化
Appleは最新モデルで採用している部品や製造ラインを共通化することで、効率的な生産を進めています。しかしiPhone SE（第3世代）は、ディスプレイサイズやTouch IDなど、独自仕様のパーツが多く、製造コストが高止まりしていました。
加えて、スマートフォン市場全体でも“廉価モデルの価格競争”が激化。単に安いだけでは差別化が難しくなり、「価格を下げるよりも、次世代モデルで機能を刷新して付加価値を高める」方向へ舵を切ったのがAppleの戦略です。
現在の在庫状況と販売店の動き
販売終了後も、一部の量販店や中古ショップではまだiPhone SE（第3世代）を扱っています。
特徴的なのは、在庫処分としての値下げ販売が行われている点。SIMフリーモデルが5万円前後にまで下がっているケースもあり、価格重視の層には“今が最後の買い時”とも言えます。
ただし、Apple公式ストアではすでに販売ページが削除されており、今後はキャリア・中古市場が主な入手経路となります。保証期間や修理対応の有無など、購入前に確認しておくことが大切です。
iPhone SE第3世代は今後も使える？
「販売終了」と聞くと「もう使えないの？」と不安になる方もいるかもしれませんが、現時点ではまったく問題ありません。iPhone SE（第3世代）はA15 Bionicチップを搭載しており、最新のiOSにも対応しています。
Appleのサポート方針として、販売終了後も5～6年程度はOSアップデートが提供される傾向があります。したがって、2025年時点では少なくとも2030年頃までは安心して使い続けられる見込みです。
修理サポートも同様で、部品供給がある限りはApple正規店での修理が可能。つまり、「販売終了＝すぐに使えなくなる」ではなく、サポートは今後数年間しっかり継続されると考えて問題ありません。
次に買うならどのモデル？おすすめ比較
iPhone SE（第3世代）を買い逃した、またはそろそろ買い替えを考えている人向けに、次の候補を見てみましょう。
iPhone 16e（新登場）
Appleが2025年に発表した最新のエントリーモデルです。USB-Cポート、Face ID搭載、A17チップなど、SEシリーズから大幅に進化。価格は従来よりやや高めですが、性能面では中位機種に匹敵します。
「SEの後継」として位置づけられており、長期的なサポートを重視するならこのモデルが最有力です。
iPhone 15 / iPhone 15 Plus
少し予算を上げられるなら、iPhone 15シリーズも有力候補です。
USB-C対応・Dynamic Island搭載で、デザインと使い勝手の両面が刷新されています。特にPlusは大画面ながら軽量で、動画やゲームを楽しみたい人に向いています。
中古・整備済みのiPhone SE（第3世代）
すでに販売終了モデルとなった今でも、中古市場では人気があります。整備済み品（Apple認定リファービッシュ品）なら保証も付き、価格も手頃。ただし、バッテリー状態やOSサポート期間を確認した上で選ぶことが大切です。
iPhone SE第3世代をまだ使い続ける人へ
もし今SE（第3世代）を使用中で、特に不便を感じていないなら、慌てて買い替える必要はありません。
A15チップの性能は依然として十分高く、日常使いはもちろん、動画編集やゲームも快適にこなせます。
むしろ、「Touch IDが使える最後のiPhone」として根強い人気もあります。
ただし、将来的にアプリがFace ID前提の仕様に移行したり、Lightningケーブルが手に入りにくくなったりするリスクはあるため、数年以内の買い替え計画を立てておくのがおすすめです。
販売終了の背景から見えるAppleの方向性
今回のiPhone SE（第3世代）販売終了は、単なるモデル整理ではなく、Appleが「時代を次へ進める」ための一歩とも言えます。
USB-Cへの完全移行、Face IDの標準化、ディスプレイデザインの統一。これらの動きは、Appleがエントリーモデルにも最新技術を広げるという意思表示です。
“安いiPhone”から“長く使えるスタンダードiPhone”へ。
その変化を象徴するのが、SE（第3世代）終了と16e登場のセットなのです。
まとめ：iPhone SE第3世代の販売終了と今後の選択肢
iPhone SE（第3世代）は、2025年2月のラインアップ刷新により販売終了となりました。
理由は、
・新モデル（iPhone 16e）への切り替え
・USB-C義務化などの規制対応
・旧設計のコスト・供給面での限界
といった複合的な要因です。
今後も当面はサポートが続くため、現在使用中の人は慌てる必要はありません。
ただし、新規購入を検討するなら「在庫限り」のうちに購入するか、もしくはUSB-C対応の最新モデルを選ぶのが賢明です。
テクノロジーの移り変わりは早いものですが、iPhone SE（第3世代）は間違いなく“名機”のひとつでした。
これからの選択は、機能か価格か、それともTouch IDか。
ぜひ自分のスタイルに合ったiPhoneを選んでください。
