「iPhone12、もう買えないの？」
そんな疑問を持った人も多いかもしれません。かつては主力モデルとして人気を集めたiPhone12ですが、現在Apple公式サイトでは新規販売が終了しています。では、なぜ販売終了になったのか。その理由をAppleの方針や市場の動き、在庫状況などから詳しく見ていきましょう。
iPhone12の登場と人気の背景
iPhone12が発売されたのは2020年10月。
A14 Bionicチップや5G対応、そしてMagSafeという新しい磁気アクセサリ規格の採用など、当時としては大きな進化を遂げたモデルでした。角ばったデザインの復活も話題を呼び、iPhone5世代を思わせるスタイリッシュさで人気を集めました。
ラインナップは「iPhone12」「iPhone12 mini」「iPhone12 Pro」「iPhone12 Pro Max」の4モデル。
中でも「無印iPhone12」は性能と価格のバランスが取れた“ちょうどいいモデル”として、多くのユーザーに支持されました。
iPhone12が販売終了となった時期
Appleの公式サイトからiPhone12が姿を消したのは2023年9月頃。
ちょうどiPhone15シリーズが発表されたタイミングです。
これは毎年恒例の流れで、新しいモデルが登場するたびに、数世代前の機種が公式販売終了となります。
iPhone12 ProやPro Maxはすでに2021年のiPhone13登場時に販売終了していました。
つまり、iPhone12シリーズはおおよそ「発売から3年」で公式販売を終えたことになります。
この期間は、Appleの製品サイクルとしてもごく自然なタイミングです。
なぜiPhone12は販売終了になったのか
1. Appleの製品ライン整理と世代交代のため
Appleは毎年新しいiPhoneを発表するたびに、ラインナップを整理します。
古いモデルを残しすぎると、価格や機能のバランスが崩れてしまうためです。
例えば、iPhone12が残っていると、より高性能なiPhone13やiPhone14と価格が近くなり、消費者がどれを選ぶか迷ってしまいます。
そこでAppleは、上位モデルの販売促進と製品体系の整理を目的に、古いモデルを段階的に終了させるのです。
実際、Appleは「3年以上前のiPhoneを店頭に残さない」という方針を取っています。
iPhone12もそのサイクルに従い、次世代モデルにバトンタッチしたというわけです。
2. 部品供給・製造コストの最適化
販売を続けるためには、部品の在庫確保や製造ラインの維持が欠かせません。
しかし、旧モデルを作り続けるのはコストがかかります。
部品の調達が難しくなったり、工場の生産ラインを新製品向けに切り替える必要が出てきたりするのです。
iPhone12のように3年以上前のモデルは、部品供給の効率が下がるため、一定時期で製造を終了するのが合理的です。
これにより、Appleは新製品の開発・生産にリソースを集中できます。
3. 新モデルとの価格バランスを取るため
販売戦略の観点でも、旧モデルをいつまでも残すことは難しい側面があります。
価格を下げ続ければ安価な選択肢にはなりますが、その分、新モデルの販売が伸び悩むリスクもあるのです。
Appleは価格帯を明確に整理し、ラインナップの混乱を避けるようにしています。
たとえばiPhone13やiPhone14が登場した際、価格面でiPhone12が競合する状況になっていたため、あえて販売を終了して整理したと考えられます。
4. 特殊な要因：電磁波（SAR値）問題
もう一つ注目されたのが、2023年9月にフランスの規制当局がiPhone12の販売停止を命じたニュースです。
理由は「人体に吸収される電磁波（SAR値）がEU基準を超えた」とされたためです。
Appleは「世界各国で安全基準を満たしている」と反論し、ソフトウェアアップデートによる対応を行いました。
結果的にこの問題は限定的なもので、世界的な販売終了の直接原因ではないとされていますが、少なくともヨーロッパ市場では販売縮小の要因の一つになりました。
販売終了＝もう買えない、ではない
ここで誤解されがちなのが「販売終了＝入手不可能」というイメージです。
実際には、Apple公式ストアでの販売が終わっても、キャリアや家電量販店では在庫が残っている場合があります。
また、Amazonや中古スマホ専門店などでは、整備済み品・未使用品として流通が続いています。
つまり、販売終了は「Appleが新品を出荷しなくなった」という意味であって、「市場から完全に消える」わけではありません。
在庫限りではありますが、まだ手に入るチャンスは残されています。
修理サポートと今後の使用期限
販売終了後でも、iPhone12のサポートがすぐ終わるわけではありません。
Appleでは販売終了からおおよそ5〜7年間、修理用部品を供給し続けます。
そのため、iPhone12の修理サポートは2028年前後まで継続する見込みです。
また、iOSアップデートについても、現時点では最新のiOS18（2025年時点）まで対応しています。
Appleは比較的長くアップデート対象に含める傾向があるため、あと数年は現役で使えるでしょう。
iPhone12 miniの販売不振も影響
iPhone12シリーズ全体を振り返ると、特に「iPhone12 mini」の販売不振も販売終了の一因とされています。
小型軽量モデルとして期待されたものの、実際にはバッテリー持ちの短さや画面サイズの小ささから、需要が伸び悩みました。
この結果、Appleは後継のminiモデルをラインナップから外し、「Plus」サイズへシフトしています。
シリーズ全体の再編という意味でも、iPhone12販売終了は自然な流れといえるでしょう。
iPhone12を今買うのはアリ？
2025年時点でも、iPhone12は十分に使える性能を持っています。
A14 Bionicは依然として高速で、5G通信にも対応。日常使用ならストレスを感じにくいレベルです。
ただし、これから購入する場合は「価格」と「サポート期間」を考慮することが重要です。
中古や整備済み品なら安く手に入りますが、バッテリーの状態や保証内容を必ず確認しましょう。
Apple認定整備済製品や、信頼できる販売店を選ぶことをおすすめします。
iPhone12が販売終了になった理由と今後のまとめ
改めて整理すると、iPhone12が販売終了となった主な理由は以下の通りです。
- 新モデル登場による製品サイクルの更新
- 製造・部品供給コストの効率化
- 価格帯の整理と販売戦略上の判断
- 一部地域での規制問題（SAR値報道）
- miniモデルの販売不振によるシリーズ整理
販売終了は寂しく感じるものの、Appleの明確な戦略に基づいた自然な流れといえます。
今後も修理サポートやOS更新は数年間続くため、すぐに買い替える必要はありません。
ただし、新しいモデルへの移行を考えている人は、今後のアップデート対応期間を見ながら検討すると良いでしょう。
iPhone12 販売終了 なぜ：これからの選び方
「販売終了になったからこそ、今が買い時」という考え方もあります。
価格が落ち着いた今、中古市場で状態の良い個体を狙うのも一つの手です。
一方で、最新モデルのiPhone15やiPhone14ではカメラやバッテリー性能が大幅に向上しています。
自分の用途や予算に合わせて、「今買う」「次を待つ」を冷静に判断していくことが大切です。
販売終了のニュースに惑わされず、iPhone12の魅力と現状を正しく理解したうえで、最適な選択をしていきましょう。
