「ぎゅぎゅっと」という名前を聞くと、懐かしい気持ちになる人も多いのではないでしょうか。ロッテから発売されていたあのハンディタイプのアイス、いつの間にか店頭から姿を消していました。「そういえば最近見かけない」「もう販売してないの?」と感じている人も多いようです。この記事では、ぎゅぎゅっとがなぜ販売終了になったのか、その背景や再販の可能性までを詳しく解説していきます。
ぎゅぎゅっととは?かつて人気を誇ったロッテのアイス
ぎゅぎゅっとは、ロッテが2008年頃に発売した果汁系のアイスバーです。特徴的だったのは、筒状のパッケージに入っていて、中央部分で折って2人でシェアできる仕様。ひとりで食べてもよし、友達や家族と半分こしてもよしというコンセプトが話題になりました。
シャーベットのような食感と濃厚な果汁感があり、特に子どもや学生の間で人気が高かった商品です。さらに、テレビCMでは当時人気の女優・堀北真希さんが出演していたこともあり、「あのCMを覚えている」という人も少なくありません。
ぎゅぎゅっとが販売終了した時期と公式の発表
実はぎゅぎゅっとは、2016年をもって公式に販売終了となっています。これはロッテ広報がJ-CASTトレンドの取材に対して明言したもので、「商品ラインナップの見直しにより販売を終了した」と説明しています。
つまり、突然の終売というよりも、企業全体で商品整理を行う中で自然に姿を消したというのが実情のようです。当時からSNSでは「いつの間にか売ってない」「近所のコンビニで見かけなくなった」という声が多く上がっており、ファンにとっては残念な知らせでした。
なぜ販売終了になったのか?その背景を探る
公式な理由は「ラインナップ見直し」ですが、そこにはいくつかの要因が重なっていたと考えられます。以下に主な背景を整理します。
1. アイス市場の変化
2010年代中盤以降、アイス市場では「プレミアム志向」や「高付加価値化」が進みました。ハーゲンダッツやスーパーカッププレミアムなど、少し高くてもリッチな味わいを求める傾向が強まったのです。
その中で、ぎゅぎゅっとのような“手軽で低価格なアイス”は相対的に存在感が薄れていったと考えられます。単価の安い商品は流通コストや生産効率の面でも不利になり、企業としては利益率の高いブランドを優先する方向にシフトした可能性があります。
2. 消費者ニーズの変化
昔は「友達とシェアして食べる」ことが楽しいという価値がありましたが、近年は個包装・マイペース消費の流れが強まっています。衛生意識の高まりや生活スタイルの変化により、「分けて食べる」スタイルがあまり好まれなくなったのも一因でしょう。
また、コンビニのアイス棚では、クーリッシュやパピコなどの定番ブランドが常に新フレーバーを展開しており、消費者の選択肢が広がったことも影響していると見られます。
3. ブランド整理と生産コスト
ロッテは「爽」「クーリッシュ」「モナ王」など人気シリーズを多数抱えています。限られた工場ラインや流通スペースの中で、売上や将来性を見ながら商品を整理することは避けられません。
ぎゅぎゅっとは一定のファンを持ちながらも、販売量や利益の面で主力ブランドに及ばなかったと推測されます。
「ぎゅぎゅっとが消えた」と話題になった背景
実際に販売終了から数年が経った今でも、「ぎゅぎゅっとが食べたい」「あの味をもう一度」といった声がSNSで散見されます。特に、2020年代に入ってから“懐かしのアイス”を取り上げる投稿が増えており、ぎゅぎゅっともその一つとして再び注目を集めています。
また、堀北真希さんが出演したCMが「懐かしすぎる」「青春時代を思い出す」として再共有されることも多く、ノスタルジー消費の文脈で語られることが増えています。
懐かしさや当時の思い出と結びつくことで、「もう一度食べたい」という気持ちが強まっているのです。
現在販売されている類似アイス・代替商品
「ぎゅぎゅっとがないなら、代わりになるアイスは?」と探す人も多いでしょう。実際、同じようなコンセプトのアイスはいくつか存在します。
- パピコ(江崎グリコ)
2本入りのチューブ型で、まさにシェアしやすい代表格。ぎゅぎゅっとよりもクリーミーですが、同じような楽しさがあります。 - クーリッシュ(ロッテ)
“飲むアイス”として知られる人気商品。ぎゅぎゅっとの果汁感とは異なりますが、手軽さという意味では共通点があります。 - セブンプレミアム シャーベット系アイス
果汁感重視で、期間限定フレーバーも豊富。ぎゅぎゅっとのフルーティーさを求める人におすすめです。
このように、ぎゅぎゅっとのような爽やかな果実感を味わえるアイスは今でも市場に存在しています。
完全に同じ味ではなくとも、「こういう系統のアイスが食べたい」というニーズには十分応えてくれるでしょう。
再販や復刻の可能性はあるのか?
気になるのは「ぎゅぎゅっとはもう二度と食べられないのか?」という点です。
ロッテ広報は過去の取材で、「『また食べたい』というお声をうれしく思います。今後の商品開発に生かしてまいります」とコメントしています。つまり、現時点で再販の予定はないものの、消費者の声次第では今後の企画に反映される可能性もゼロではありません。
実際、ロッテや他社でも「懐かしのアイス」が期間限定で復刻される例があります。たとえば「雪見だいふく」の特別版や「チョコモナカジャンボ」の復刻パッケージなど、過去商品を再び販売する動きは増えています。
その流れを考えれば、ぎゅぎゅっとも“令和版リメイク”として復活する可能性は十分あると言えるでしょう。
懐かしのアイスが愛され続ける理由
ぎゅぎゅっとのような商品が今も人々に記憶されているのは、単に味だけでなく“思い出”が紐づいているからです。夏の部活帰り、友達と分け合って食べたあの時間。パッケージを開ける瞬間のワクワク感。そうした記憶が、時間を経ても鮮明に残っている人が多いのです。
近年の「昭和レトロ」「平成レトロ」ブームの中で、過去の食品・飲料・お菓子が再注目されているのも同じ理由です。ぎゅぎゅっともその象徴的な存在といえるでしょう。
ぎゅぎゅっとが販売終了した理由まとめ
最後に、ぎゅぎゅっとが販売終了した理由を整理します。
- 2016年頃にロッテが商品ラインナップを見直し、正式に販売終了。
- 市場の高付加価値化・プレミアム志向により、低価格系アイスの需要が減少。
- シェア文化の変化や衛生意識の高まりにより、コンセプトが時代に合わなくなった。
- 主力ブランドとの棲み分けの結果、ぎゅぎゅっとは整理対象となった。
ただし、ロッテは「再販を完全に否定していない」ため、今後の消費者の声次第では再登場の可能性もあります。
ぎゅぎゅっとが販売終了した理由は?再販を望む声が止まらない
ぎゅぎゅっとが販売終了してからすでに数年が経ちますが、「また食べたい」という声は今でも根強く残っています。
夏の思い出を彩ったあのアイスが、もう一度私たちの手に戻る日は来るのでしょうか。
ロッテが再び“ぎゅぎゅっと”の名前を掲げる日を期待しつつ、今は似た味わいのアイスで懐かしい気分を楽しむのも良いかもしれません。
