「最近スーパーでとり野菜みそを見かけなくなった」と感じた人は多いのではないでしょうか。北陸地方を中心に親しまれてきたこの鍋用味噌は、寒い季節に欠かせない定番調味料。そんなとり野菜みそに「販売終了」「生産中止」という噂が広がり、ファンの間でざわつきが起きています。今回は、その真相と背景、そして再販や代替商品の情報まで詳しくまとめます。
とり野菜みそとは？北陸の家庭で愛され続けた鍋の味
とり野菜みそは、石川県かほく市の老舗メーカー「まつや」が製造する味噌鍋の素。
江戸時代から続く味噌屋の知恵を生かし、野菜と肉を一緒に煮るだけでコク深い鍋が完成する便利な調味料です。北陸地方では冬になると冷蔵庫に常備されるほど人気で、「家族の味」として長年愛されてきました。
味の特徴は、鶏や野菜の旨味を引き立てるまろやかな味噌ダレ。定番の「とり野菜みそ」に加え、「ピリ辛とり野菜みそ」「ごまとり野菜みそ」「担々ごまとり野菜みそ」など多彩なバリエーションがあり、家庭ごとにお気に入りの味が存在します。
販売終了の噂は本当？公式発表を確認
まず結論から言うと、「とり野菜みそ」シリーズの一部商品は実際に販売終了（取扱終了）しています。
2023年末、加賀味噌食品工業協業組合が公式に「まつや とり野菜みそシリーズの取り扱いを終了する」と発表しました。対象商品には、以下のような代表的ラインナップが含まれています。
- とり野菜みそ（200g・500g）
- ピリ辛とり野菜みそ
- ごまとり野菜みそ
- 担々ごまとり野菜みそ
- とり野菜みそスパウトパック各種
- 詰め合わせセット など
取扱終了日は令和4年（2022年）12月末と明記されており、これ以降は組合経由での流通が停止しました。
また、まつやの公式オンラインショップでも「鍋スープ」シリーズの販売終了が複数回発表されています。
たとえば2024年2月には「ピリ辛とり野菜みそ鍋スープ」、2025年8月には「とり野菜みそ鍋スープ」「とり野菜みそ胡椒鍋スープ」が在庫限りで終了すると案内されています。
このため、店頭や通販で見かける機会が減っているのは確かです。
なぜ販売終了になったのか？背景にある4つの理由
1. 原材料とコストの高騰
ここ数年で味噌の主原料である大豆や米、包装資材、物流費が軒並み値上がりしています。
とり野菜みそは多品種・多容量展開をしていたため、コスト上昇がそのまま負担となり、生産効率の見直しが必要になったとみられます。
2. 需要構造の変化
コロナ禍以降、家庭の食卓スタイルが変わり、外食や業務用需要が減少しました。特に「20kg業務用」「詰め合わせギフト」などの需要が落ち込み、販売数の減少が続いたと考えられます。
3. ブランド再編と新商品の登場
組合は2023年秋に新ブランド「加賀みそ鍋のもと」を発売しています。
とり野菜みそシリーズの終了と前後して新商品を投入したことから、ブランドの再構築や世代交代を意図した動きである可能性が高いでしょう。
4. 流通契約の終了
加賀味噌食品工業協業組合が「弊組合での取り扱いを終了」と明言しているため、製造・卸・販売契約の終了も直接的な要因とみられます。これにより一部の商品が市場から姿を消したと考えられます。
まだ買える？在庫・再販・通販の現状
完全に消えたわけではなく、現在も在庫分は一部の通販サイトで販売されています。
楽天市場やYahoo!ショッピングなどでは、「とり野菜みそ200g×3袋」「500gスパウトパック」などがまだ入手可能な場合があります。
ただし、これらは「在庫限り」「取扱終了」と明記されており、今後継続的に出回る保証はありません。店頭では北陸地方のスーパーなど、地域限定で在庫が残っているケースもあります。
まつや公式オンラインショップでは「在庫がなくなり次第終了」との記載があり、確実に入手したい人は早めの購入が安心です。
とり野菜みその再販や復活の可能性は？
現時点では、まつやや加賀味噌組合から「再販予定」や「復活」の正式発表は出ていません。
ただし、ブランドそのものが消滅したわけではありません。
2025年夏、イチビキから「ストレートまつやとり野菜みそ鍋スープ」や「ストレートまつやとり野菜みそ胡椒鍋スープ」が全国発売されるというニュースがあり、名称・味の系譜は今後も継続的に展開される見込みです。
つまり、“まつやの味”としてのブランドは今も生きており、別形態での再登場の可能性は十分あります。
代替商品や後継ブランドのおすすめ
とり野菜みその味を求める人に向けて、いくつか代替候補があります。
- 加賀みそ鍋のもと
まつやの協業組合が開発した新商品。加賀味噌ベースでまろやか、野菜との相性も良く、「とり野菜みそ風味」に近い味わいです。 - ストレートまつやとり野菜みそ鍋スープ
ブランド継承的な立ち位置の商品。簡単調理で“あの味”を楽しめる新シリーズとして注目されています。 - 地域味噌鍋シリーズ（信州・仙台・八丁など）
味噌鍋のベースを変えると、また違った深みが生まれます。とり野菜みそを機に、新しい味噌文化を試してみるのも面白いでしょう。
SNSの声：「売ってない！」「まとめ買いした」の反応も
X（旧Twitter）やInstagramでも、「とり野菜みそがどこにもない」「ネットで箱買いした」という投稿が増えています。
特に北陸出身者の間では、「実家の味が消えるのは悲しい」「新しい味も試すけど、やっぱりこれが一番」という声が多く、根強い人気を物語っています。
一方で、「似た味の鍋つゆが増えたから、時代の移り変わりかもしれない」という冷静な意見も見られます。
販売終了したとり野菜みそを懐かしむ前に
「もう買えないの？」と嘆く前に、まだ通販で手に入る今のうちに確保しておくのがおすすめです。
また、新たに登場した「加賀みそ鍋のもと」や「ストレートまつやとり野菜みそスープ」を試してみることで、味の伝統を未来へつなぐこともできます。
とり野菜みそは単なる調味料ではなく、家庭のぬくもりを思い出させてくれる味。
販売終了のニュースは寂しいものの、「まつやの味」はこれからも形を変えて受け継がれていくはずです。
とり野菜みそ販売終了のまとめ
・とり野菜みその主要シリーズは2022年末～2025年にかけて順次販売終了
・主な理由はコスト高騰、需要変化、ブランド再編など
・在庫分は通販サイトなどで入手可能（在庫限り）
・後継商品加賀みそ鍋のもとやストレートまつやとり野菜みそ鍋スープが登場
・再販の正式発表はなしだが、ブランドとしての継続は確認
寒い季節になると恋しくなる“とり野菜みそ鍋”。
これまでの感謝を胸に、今後の新商品にも期待したいですね。
