子ども向け食品として人気だった永谷園のアンパンマン ママ、これかけて!。発売当初は「かわいいアンパンマンの顔かまぼこで、子どもの食事が楽しくなる!」と話題を集めましたが、気づけば店頭から姿を消してしまいました。
今回は、この「ママこれかけて!」がなぜ販売終了になったのか、そして再販の可能性があるのかを詳しく見ていきます。
「アンパンマン ママ、これかけて!」とはどんな商品?
「アンパンマン ママ、これかけて!」は、2018年に永谷園が発売した子ども向けトッピング用ふりかけです。1袋3g(1g×3袋)入りで、税抜138円という手頃な価格帯。
特徴は、アンパンマンの顔をかたどったかまぼこが入っている点です。さらに、かぼちゃや人参、ほうれん草など3種の野菜を練り込んだフレークやあられを組み合わせ、「料理の味を変えずに、見た目を楽しくする」ことをコンセプトにしていました。
「どんな料理にも合う」「味付けなしで安心」「お弁当やおかずの彩りに最適」として、特に幼児を持つ家庭をターゲットに開発された商品です。
永谷園のプレスリリースでも、「子どものイヤイヤ期や食べムラに悩むお母さんを応援したい」という意図が強調されていました。
たった半年で販売終了?異例のスピード終了
しかし、発売からわずか半年後の2018年7月には、永谷園の公式サイトに「販売終了予定商品」として掲載され、実質的に販売が打ち切られました。
永谷園公式X(旧Twitter)でも「2018年7月まで販売しておりました」と回答しており、短命であったことが明らかになっています。
通常、ふりかけやトッピング商品は少なくとも1〜2年はテスト販売を経て定番化を狙うことが多い中、「半年未満で終了」というのはかなり異例です。
では、一体何があったのでしょうか。
販売終了の理由①:需要が限定的だった
まず考えられるのが、「需要の限定性」です。
この商品は「トッピング専用」で、ふりかけのようにご飯にかけるタイプではありませんでした。味が付いていないため、調理済みの料理に“見た目を楽しくするためだけに使う”という特殊な用途です。
このような商品は、「毎日使う必需品」ではなく“イベント的・一時的な楽しみ”に分類されます。
そのため、リピート購入が起きにくく、長期的な売上維持が難しかったと考えられます。
子どもが喜ぶ可愛さや話題性はあっても、「日常的に買う理由」が薄かったのです。
SNS上でも「かわいいけど、一度買えば満足」「味がついてないから使いにくい」といった声が見られました。
販売終了の理由②:製造コストと価格のバランスが悪かった
次に指摘されるのが、コストと価格の問題です。
アンパンマンのキャラクター使用料(ライセンス費用)は決して安くありません。
さらに、アンパンマンの顔かまぼこを小袋に均一に封入するには、専用ラインが必要になります。
これに加え、野菜フレーク・あられ・かまぼこといった複数素材を組み合わせる構造は、単純なふりかけよりも製造コストが高いと考えられます。
一方、価格は税抜138円と低めに設定されており、原価に対して採算が合いづらかった可能性があります。
実際、永谷園は近年、原材料高騰や包装コスト上昇を理由に「不採算商品の整理」を進めており、「ママこれかけて!」もその対象となったと考えられます。
販売終了の理由③:キャラクター商品特有の短期契約
アンパンマンなどの有名キャラクターを使用した商品は、一定期間のみ契約を結ぶケースが一般的です。
例えば1年契約などのライセンス期間が終了すると、再契約をしない限り生産・販売を継続できません。
「ママこれかけて!」の場合、2018年初頭に発売し、同年7月で終了していることから、契約期間満了による打ち切りの可能性もあります。
同時期に永谷園では「アンパンマンふりかけシリーズ」など別のキャラクター商品も展開しており、ライセンスの優先順位が変わった可能性も否定できません。
販売終了の理由④:流通・販路での優先度が低かった
スーパーやコンビニでは、棚スペースが限られています。
永谷園の主力商品である「お茶づけ海苔」や「ふりかけミニパック」などの定番商品と比較すると、「ママこれかけて!」は季節・用途が限られ、回転率も低かったと考えられます。
小売側にとっても「短期で売り切れる商品より、長く売れる定番を優先したい」という判断が働きやすいため、結果的に棚から姿を消していったとみられます。
販売終了の理由⑤:市場全体の環境変化
2018年以降、家庭用ふりかけ市場は横ばい状態が続いています。
一方で、冷凍食品や惣菜など「手軽に栄養が取れる食品」への需要が高まったことで、“ふりかけやトッピング”のような補助食品の成長が鈍化しました。
また、食物アレルギーや減塩志向といった健康志向も進み、食品メーカー各社が原材料や製造ラインを再編する流れもあります。
そうした中で、「見た目を楽しくする」ことを重視した本商品は、やや時代の流れとズレていたのかもしれません。
SNSでも話題に「もう売ってないの?」
販売終了から数年が経っても、「あのアンパンマンの顔かまぼこ、どこで買えるの?」「ママこれかけて、また出してほしい!」という声はSNSで散見されます。
特に幼児向けのキャラ弁を作る保護者層からの人気は根強く、今でも復活を望む投稿が見られるほどです。
しかし、公式には再販やリニューアルに関するアナウンスは出ていません。
Amazonや楽天などでも新品の流通はなく、フリマアプリでまれに旧パッケージが取引されている程度です。
再販の可能性はある?
では、「ママこれかけて!」が再び登場する可能性はあるのでしょうか。
現時点で再販情報は確認されていませんが、条件次第では可能性はゼロではないと考えられます。
1. 限定再販という形での復活
アンパンマンは今も根強い人気を誇り、永谷園も長年ライセンス商品を展開しています。
したがって、周年企画や期間限定キャンペーンとして「限定復刻」として発売される可能性はあります。
2. リニューアル品として再登場
「トッピング用途」ではなく、「味付きふりかけ」や「お弁当専用デコ素材」など、より日常的に使える形に変えて再登場する可能性もあります。
同社が推進する“子どもの食育支援”や“アレルギー配慮商品”の流れに沿えば、新たな企画として復活しても不思議ではありません。
3. コラボ・イベント企画
近年、キャラクター食品は「限定パッケージ」や「キャンペーン同梱品」として再利用されるケースが増えています。
「アンパンマンカレー」や「アンパンマンふりかけ」のように既存商品の派生企画として登場する可能性も考えられます。
代替できる商品はある?
「ママこれかけて!」のように、アンパンマンの顔が入ったトッピング商品は現状ほとんどありません。
ただし、近い用途のものとして以下のような選択肢があります。
- アンパンマンふりかけシリーズ(丸美屋)
ご飯に直接かけるタイプで、カルシウム入りなど栄養面にも配慮されています。味も複数展開があり、定番人気です。 - キャラデコ用かまぼこ・デコ弁グッズ
スーパーやネット通販で「キャラ弁用デコかまぼこ」「海苔パンチ」などが販売されています。アンパンマン柄ではありませんが、見た目を楽しくするには十分。 - 永谷園の他の子ども向け商品
「アンパンマンミニパックカレー」「アンパンマンラーメン」など、シリーズ内でバリエーション展開が豊富です。
こうした代替品を活用することで、「ママこれかけて!」のような“かわいい食卓”を再現することはできます。
まとめ:アンパンマンの「ママこれかけて!」は短命でも記憶に残る名品
永谷園のアンパンマン ママ、これかけて!は、見た目のかわいさとユニークな発想で注目を集めたものの、販売期間はわずか半年ほどでした。
需要の限定性、コスト構造、流通・契約上の事情など、さまざまな要因が重なり、惜しまれながらも姿を消したと考えられます。
それでも、SNSや育児ブログでは今も「また売ってほしい」という声が絶えません。
もし再販されれば、あのころ小さかった子どもたちが今度は“親として”手に取るかもしれませんね。
かわいい食卓を彩った「アンパンマン ママ、これかけて!」。
その再登場の日を、楽しみに待ちましょう。
