カブレステープとは？どんな特徴があった製品？
「カブレステープ」という名前を聞くと、医療現場や介護の現場で使われていたあの肌に優しい粘着テープを思い出す人も多いかもしれません。
正式には「カブレステープU」などの型番で販売されており、共和株式会社（KYOWA）をはじめとする医療関連メーカーが製造・供給していました。
このテープは「軟質ポリ塩化ビニルフィルム製」で、肌に直接貼ってもかぶれにくいことが特長。医療用ガーゼやパッド、チューブなどを固定する際に使われ、「手で簡単に切れる」「油性ペンで文字を書ける」など、使い勝手の良さでも評価されていました。
一方で、ここ数年「どこにも売ってない」「在庫が見つからない」といった声が増えており、調べてみると実際に販売終了・製造中止の情報が確認されています。
では、なぜ人気があったカブレステープが販売終了してしまったのでしょうか？ここからは、その背景や代わりになる商品について詳しく見ていきます。
カブレステープが販売終了した理由
1. メーカーによる製造中止・取扱停止
まず一番大きな理由として挙げられるのが、メーカーによる製造中止です。
医療材料卸のカタログや業界団体の資料には、「ミリオン カブレステープU LMBシリーズ 製造中止のため」と明記された文書が存在します。
実際、2012年時点で「LMB38106UN」「LMB19106UN」などの型番が正式に取り扱い終了になっており、その後も再開の動きは見られていません。
通販サイトのアズワンや松吉医科器械などでも、「取扱停止」「販売中止商品です」という注記が掲載されており、メーカー側の生産終了が流通全体に波及していることがわかります。
2. 原材料やコスト、法規制の影響
カブレステープの素材は「軟質ポリ塩化ビニル（PVC）」。
この素材は柔軟で扱いやすい一方、環境負荷や通気性の面で近年見直しが進んでいます。
医療・衛生材料では、不織布やポリエステル系、アクリル系粘着剤など、より通気性・低刺激性に優れた新素材へと移行が進んでおり、旧素材のままではコストや安全性の面で競争力が下がってしまったと考えられます。
また、薬機法や景品表示法の運用強化により、粘着製品でも「医療機器」や「薬機法対象外」などの表示・管理区分がより厳格化されました。
メーカーとしても、旧規格製品を維持するより新シリーズへリソースを集中させる方針を取った可能性があります。
3. 市場ニーズの変化と技術の進化
医療や介護の現場では、長時間貼ってもかぶれにくく、剥がすときに痛くないテープの需要が高まっています。
かつては「カブレステープ=低刺激テープの定番」でしたが、現在ではさらに進化した製品が数多く登場しています。
例えば、通気性に優れた「不織布タイプ」や、皮膚の角質を傷めにくい「アクリル系粘着剤」を採用した製品が主流となり、従来のPVCタイプよりも快適に使えるようになっています。
こうした市場の流れの中で、カブレステープの需要が減少し、新製品への置き換えが進んだことも販売終了の一因と考えられます。
4. 製品ラインナップの整理・後継シリーズへの移行
メーカーが製品シリーズの整理を進める過程で、旧製品の一部が廃止されることは珍しくありません。
カブレステープの場合も、後継シリーズや新ブランドへの移行を意図したラインナップ再編が行われた可能性があります。
共和（KYOWA）では現在、「スキニックス」や「スキナゲート メッシュ」など、低刺激タイプの医療用テープが主力ラインとして展開されています。
これらの製品はカブレステープと似た用途を持ちながら、より通気性・伸縮性に優れており、実質的に後継品の位置づけと見ることができます。
現在の流通・在庫状況
カブレステープは、主要な医療機器通販サイトやドラッグストアではすでに在庫がほとんど確認できません。
一部の小規模販売店やオークションサイトなどで在庫限りの出品が見られる場合もありますが、安定供給は事実上終了しています。
Amazonなどでも検索結果には表示されるものの、実際は旧在庫や類似商品（別メーカー製）のみが出てくる状態。
「型番指定で取り寄せ」も難しく、購入を希望する場合は代替品への切り替えを検討したほうが現実的です。
カブレステープの代わりに使える後継・代替製品
販売終了後、多くのユーザーが探しているのが「代わりになるテープ」。
ここでは、カブレステープと似た使い心地・用途を持つ代表的な代替品を紹介します。
● スキナゲート メッシュ
通気性が非常に高く、長時間貼っても蒸れにくいタイプ。
皮膚への刺激が少なく、剥がすときの痛みも軽減されています。
医療機関でも広く採用されており、「カブレステープから乗り換えて肌トラブルが減った」という声も。
● 優肌絆（やさはだばん）
低刺激タイプの不織布テープで、貼り直しができる点が人気。
「手で簡単に切れる」「肌にやさしい」といった特長があり、在宅医療や介護現場でもよく使われています。
● マイクロポアTM サージカルテープ
世界的にも定番の医療用テープ。
通気性が高く、肌トラブルを起こしにくい設計。固定力と剥離のしやすさを両立しており、ガーゼ固定やチューブ固定など幅広い用途に対応します。
● ミリオンエイド 不織布サージカルテープ
以前カブレステープを扱っていた系列メーカーによる不織布タイプ。
粘着力がありながらも、はがす時に痛みが少ない設計で、後継候補として名前が挙げられています。
これらの製品はいずれも「肌へのやさしさ」「通気性」「作業性」に優れており、カブレステープの使用目的を十分にカバーできる性能を持っています。
カブレステープが「売ってない」ときの対処法
もし今もカブレステープを探している場合は、まず以下の点を確認してみましょう。
- メーカー公式サイトや医療機器カタログで「製造中止」「取扱停止」の表記があるか
- 型番（例：LMB19106UN）を検索しても在庫が出てこない場合は、完全に流通終了している可能性が高い
- 在庫を見つけた場合も、長期保管による粘着劣化や変色に注意
- 新しい製品への切り替え時には、肌質や使用部位に合ったタイプを選ぶことが大切
医療・介護用途で使う粘着テープは、肌への負担やアレルギー反応のリスクもあるため、「代替製品でも同じように使えるか」を事前に確認するのが安心です。
特に敏感肌の方や高齢者の介護現場では、「低刺激タイプ」や「貼り直しができるタイプ」を選ぶとトラブルを防ぎやすくなります。
まとめ：カブレステープ販売終了の理由と今後の選び方
カブレステープが販売終了した背景には、
- メーカーの製造中止決定
- 素材の変化や法規制対応
- 低刺激・高機能な新製品への移行
といった複数の要因が重なっています。
すでに流通が止まってから長い年月が経っており、今後再販される可能性は低いと見られます。
ただし、「かぶれにくく肌に優しいテープが欲しい」というニーズは今も根強く、スキナゲート メッシュや優肌絆などの後継商品がその役割をしっかり引き継いでいます。
カブレステープを愛用していた方は、これを機に最新の低刺激テープを試してみるのもおすすめです。
機能性が進化した今の製品なら、より快適で安全に使えるはずです。
カブレステープ販売終了の理由を知って、後継品選びを賢く！
「カブレステープが売ってない」「販売終了になった理由を知りたい」という人は多いですが、その背景を理解すると納得できる点も多いものです。
旧製品の役割をしっかり引き継ぐ代替品は数多くあるので、自分の用途に合ったテープを選び直すことで、今まで以上に快適に使うことができます。
もし手元のカブレステープがなくなってしまったら、焦らず代替品を探してみてください。
低刺激・通気性の良い製品がきっと見つかるはずです。
