家庭で手軽にネイルアートを楽しめるとして話題になった「コデキュア」。発売当初は、爪にかわいいデザインをプリントできる“夢のようなネイルプリンター”として注目されました。しかし、最近になって「販売終了」「生産中止」といった情報が広まり、ユーザーの間では戸惑いの声が相次いでいます。
なぜコデキュアは販売を終了したのでしょうか?その背景と今後について、わかりやすく解説していきます。
コデキュアとは?タカラトミーが手掛けた家庭用ネイルプリンター
コデキュア(Codecure)は、タカラトミーが2020年に発売した家庭用ネイルプリンターです。
「洋服をコーディネートするように、ネイルも自由に楽しむ」をコンセプトに、子どもから大人まで手軽にネイルデザインを楽しめることを目的に開発されました。
専用のデザインカードを本体にセットし、指を置くだけで爪にプリントできるというシンプルな構造。約15秒で1本のネイルが完成し、120種類ものデザインが収録されていました。
また、サンリオキャラクター USBセットなどの限定デザインUSBセットも販売され、ファン層を広げていたのです。
価格は約4万円と玩具としては高額でしたが、「家庭でネイルサロン気分を味わえる」という付加価値が受け入れられ、一時はSNSでも話題になりました。
販売終了の噂が広まったきっかけ
販売終了の兆候が見え始めたのは2024年ごろからです。
ヨドバシ・ドット・コムなど大手量販店サイトでは「販売を終了しました」と表示され、Amazonや楽天市場でも「在庫なし」「入荷予定なし」といった表記が増えました。
さらに、利用者の間では「インクカートリッジが手に入らない」「専用コートが売っていない」という声が急増。タカラトミーの公式サポートに問い合わせたところ、「生産終了している」という返答を受けたという投稿も見られます。
こうしたユーザー発信の情報がSNSや口コミで広まり、「コデキュアが販売中止になったらしい」と話題になったのです。
コデキュアが販売終了した理由①:消耗品の供給停止
もっとも大きな理由として挙げられるのが、専用消耗品の供給停止です。
コデキュアは本体だけで動作するものではなく、「専用インクカートリッジ」「専用コート」「デザインUSBセット」などが必要でした。これらの消耗品がなければ、プリント機能を使うことができません。
しかし、2023年以降、これらの消耗品が次々と在庫切れになり、公式・正規ルートでは購入が難しくなっていきました。
結果として、「本体はあるのに使えない」「インクがないから遊べない」という状態が多くのユーザーに発生。
プリンタービジネスの根幹である“継続使用モデル”が成立しなくなってしまったのです。
タカラトミーのような玩具メーカーにとって、消耗品供給が安定しない製品を長期的に維持するのはコスト的にも難しく、結果的に生産終了の判断につながったと見られています。
コデキュアが販売終了した理由②:需要の縮小と価格帯の壁
次に考えられるのが、需要の縮小です。
コデキュアの価格は約4万円と高額で、玩具カテゴリーの中では異例の価格帯でした。
一度購入すれば長く使える製品ではありますが、「消耗品が高い」「補充が面倒」といった声もあり、リピートユーザーの拡大にはつながりにくかったようです。
また、当初のターゲットである“子どもと親”の両方にアプローチするという戦略も、やや難易度が高かった点が指摘されています。
子ども向けにしては高価すぎ、大人向けにしてはデザインの自由度が限定的。結果として「面白いけれど日常使いはしない」という位置づけに落ち着いてしまいました。
さらに、発売から数年が経過し、ネイルプリンター市場そのものがスマホ連携型やアプリ対応型などに移行。
時代の変化に合わせたアップデートが行われなかったことも、需要減少の一因と見られます。
コデキュアが販売終了した理由③:生産コストと供給体制の問題
もう一つの背景には、生産・流通コストの問題があります。
プリンター機構を搭載した玩具は、通常のフィギュアや電子玩具よりも部品点数が多く、製造コストも高くなりがちです。
加えて、半導体や電子部品の価格上昇、物流コストの増大など、近年の供給網の混乱がコストを押し上げたことも影響したと考えられます。
タカラトミーはグローバル展開を強化しつつも、製品ラインナップを効率化する方針を打ち出しています。
こうした企業戦略のなかで、販売数が限定的な高コスト製品を継続するのは難しくなった可能性があります。
つまり、ビジネス上の合理化の一環として、コデキュアが“整理対象”となった可能性が高いのです。
コデキュアが販売終了した理由④:市場環境とライフスタイルの変化
ネイル業界そのもののトレンド変化も無視できません。
近年は、セルフネイルの主流が「シール」「ジェル」「スマホ連携デバイス」など多様化し、ユーザーはより簡便でコスパの良い方法を求める傾向にあります。
コデキュアは「プリントする楽しさ」という独自性があった一方で、インク管理や設置の手間があり、ライトユーザーにはややハードルが高かったといえます。
また、コロナ禍以降に広まった“おうち美容”の流行が一段落し、リアルサロンやジェルネイル人気が回復していることも影響しています。
市場トレンドが変わる中、ニッチなガジェット系商品の需要が減少し、製造終了に拍車をかけたと見られます。
ユーザーの声:「使いたいのに使えない」「インクが手に入らない」
販売終了が広まる中、もっとも多いのが「使いたいのに消耗品が手に入らない」という声です。
レビューやSNSでは以下のような投稿が見られます。
- 「子どもが気に入っていたのに、インクがどこにも売っていない」
- 「専用カートリッジがないから本体がただの置物になった」
- 「タカラトミーに問い合わせたけど、もう再生産の予定はないと言われた」
こうした口コミは多く、ユーザーの落胆が伝わってきます。
一方で、「本体自体はしっかり動く」「デザインのクオリティは高かった」といった評価もあり、製品としての完成度は決して低くなかったようです。
今後コデキュアは再販される?代替品や中古市場の動向
現時点で、タカラトミーから正式な再販・後継モデルの発表はありません。
そのため、コデキュアを新たに手に入れたい場合は、中古市場を探すしかありません。
ただし、中古品を購入する際は以下の点に注意が必要です。
・インクカートリッジが残っているか
・専用コートやUSBセットが付属しているか
・本体が動作確認済みか
これらが揃っていないと、購入しても実際に使えない可能性が高いです。
また、フリマサイトでは定価を超える高額転売も見られ、消耗品単体でプレミア価格がつくケースもあります。
代替品としては、スマホ連携型の家庭用ネイルプリンターや、シール型・ジェル型のセルフネイル商品が選択肢に挙げられます。
ただし、完全にコデキュアと同じ体験ができる製品はまだ少なく、「かわいくプリントできる玩具としての唯一性」は失われつつあります。
販売終了の背景を踏まえた今後の展望
コデキュアの販売終了は残念ですが、玩具業界や美容家電業界では珍しいことではありません。
新しい技術やトレンドが生まれる中で、数年周期で製品が入れ替わるのは自然な流れです。
むしろ、コデキュアが示した「ファッション×テクノロジー×遊び」という融合は、今後の市場にとって重要なヒントになったとも言えます。
タカラトミーはこれまでにも「メイクトイ」「ビューティー家電玩具」などの新シリーズを展開しており、コデキュアのコンセプトを受け継ぐ新製品が登場する可能性もあります。
家庭で楽しめる美容エンタメ商品は、今後も一定のニーズがあります。
よりスマートで使いやすい新モデルが開発されれば、“ネイルをコーデする”という楽しさが再び注目される日も来るかもしれません。
コデキュアが販売終了したのはなぜ?まとめと今後の注目点
改めて整理すると、コデキュアが販売終了した理由は以下の通りです。
- 専用インク・コートなど消耗品の供給停止
- 高価格帯ゆえの市場縮小
- 生産・流通コストの上昇
- ネイルトレンドやユーザー需要の変化
これらが重なり、継続的な販売が難しくなったと考えられます。
ただし、製品そのものの評価は高く、「もう少し続けてほしかった」という声が多いのも事実です。
もし再販や後継モデルが登場する場合は、消耗品の入手性や価格設計を見直し、より長く安心して使える形になることが期待されます。
現時点では、中古市場を利用するか、他のセルフネイル商品に切り替えるのが現実的な選択肢となるでしょう。
コデキュアが築いた“家庭で楽しむネイルカルチャー”は、確実に多くのユーザーの記憶に残りました。
今後、どんな形で進化していくのか、その動向に引き続き注目していきたいところです。
