「スレンダートーンが販売終了したらしい」と聞いて驚いた人も多いのではないでしょうか。長年テレビや通販でおなじみの“巻くだけ腹筋ベルト”として人気を集めたスレンダートーンですが、最近は公式サイトから姿を消しています。
この記事では、なぜ販売終了となったのか、本当にもう買えないのか、そして今後の再販予定があるのかを詳しく見ていきます。
スレンダートーンとはどんな製品?
スレンダートーンは、アイルランドのBMR(Bodyform Medical)社が開発したEMS(電気的筋肉刺激)機器のブランドです。腹部に専用パッドを装着し、電気刺激によって腹筋を自動的に収縮・弛緩させることで筋肉トレーニング効果を得るという仕組み。
「巻くだけで腹筋が鍛えられる」「運動が苦手でも続けられる」といった手軽さが受け、かつてはショップジャパンなどの通販番組でも大きく宣伝されていました。
モデルもいくつか存在し、男女兼用の「スレンダートーンアブス」や、より高出力の「スレンダートーンコネクト」、さらには腕・ヒップ用のアタッチメントなども展開されていました。家庭で簡単に“ながら筋トレ”ができるとして、幅広い層に支持されていたのです。
販売終了の背景にある「広告表現」問題
では、そんな人気ブランドがなぜ販売終了してしまったのでしょうか。最大の要因とされているのが、景品表示法違反に基づく行政措置です。
2020年3月、スレンダートーンを販売していた日本の販売代理店(株式会社オークローンマーケティング)が、消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けました。
問題とされたのは、「ベルトを巻くだけで腹筋が鍛えられる」「短期間でウエストが細くなる」といった宣伝表現。これらの効果に科学的な根拠が十分示されていないとして、優良誤認の疑いがあると判断されたのです。
この措置命令をきっかけに、販売元はテレビ通販やネット販売などの正規ルートを停止。結果的に、国内では「スレンダートーン=販売終了」という状態になりました。
効果への評価とユーザーの声
スレンダートーンの販売終了には、利用者からの“賛否両論”の声も少なからず影響していると考えられます。
SNSや口コミサイトを見ると、次のような意見が多く見られます。
- 「巻くだけで筋肉が刺激される感覚が気持ちいい」
- 「お腹が引き締まったように感じる」
- 「電気刺激はあるが、目に見える効果は実感しにくい」
- 「パッド交換がすぐ必要でランニングコストがかかる」
- 「期待ほどの変化はなかった」
EMS機器全般に言えることですが、**“効果の出方には個人差がある”**ことが大きな特徴です。体脂肪が厚い人や、筋肉量が少ない人では刺激が届きにくく、食事や運動を併用しないと結果につながりにくいとも言われています。
そのため、「簡単に痩せる」「巻くだけで腹筋が割れる」といった過剰な期待を持ったユーザーの間では、満足度に差が出やすかったのです。
現在の販売状況と入手可能性
公式サイトではすでに「この商品は販売を終了しました」と明記されています。ショップジャパンのオンラインストアでも購入ボタンは消え、サポートページのみが残っている状態です。
一方で、Amazonや楽天市場などの通販サイトでは、在庫品や並行輸入品がまだ販売されているケースも確認できます。
ただし、以下のような注意点があります。
- メーカー保証やサポートが受けられない
- パッドやケーブルなどの消耗部品が正規で入手しづらい
- 模倣品・中古品が混在している可能性がある
正規代理店経由での販売が終わっている以上、購入の際には販売元の信頼性や返品対応の有無をよく確認することが重要です。
また、家電量販店やドン・キホーテ、東急ハンズなどの実店舗でも現在はほとんど取り扱いがなく、「在庫限りで終了」との情報が多く見られます。
再販・リニューアルの予定は?
現時点(2025年時点)では、スレンダートーンの再販予定に関する公式な発表は確認されていません。
一部では、「広告表現を見直したうえでリニューアルする可能性もあるのでは」との憶測もありますが、メーカーや代理店からの正式アナウンスはありません。
EMS機器市場は年々競争が激化しており、国内メーカーや他社ブランドからも類似の製品が多数登場しています。
特に近年は、アプリ連動型・ワイヤレス設計・低周波制御技術の進化など、新しい機能を持つEMS機器が増えており、スレンダートーンが再び市場に戻るとしても、相応の改良と再ブランディングが必要になるでしょう。
スレンダートーンの代わりに選ばれている製品
スレンダートーンの販売終了後、代替品として注目を集めているEMS機器もいくつかあります。
代表的なものとしては以下のような製品が挙げられます。
- シックスパッド:MTGが展開する高級EMSブランド。クリスティアーノ・ロナウドとの共同開発で知られ、国内サポートが充実。
- アブトロニック:海外製のEMSブランド。価格帯が手頃で、初心者向けとして人気。
- コアリフト系EMS:美容・フィットネスの両面で使える新世代モデル。
- ベルト型以外のEMSパッド:スマホアプリ連動で強度調整や履歴管理が可能なモデルも登場。
いずれも“巻くだけ”“貼るだけ”で腹部の筋肉を刺激するという点は共通していますが、使用感や強度、価格帯には大きな違いがあります。
選ぶ際には、「自分の目的(筋肉強化/引き締め/姿勢改善など)」に合った製品を選ぶことが大切です。
使用時の注意点と安全面
スレンダートーンに限らず、EMS機器を使用する際にはいくつかの注意が必要です。
- 肌に異常がある部位や濡れた状態では使用しない
- 妊娠中、心臓疾患のある方、ペースメーカー使用中の方は使用を避ける
- 長時間の連続使用や過度な強度設定は筋肉疲労・肌荒れの原因になる
- 使用後はパッドを清潔に保ち、粘着が弱くなったら早めに交換する
これらは各製品の取扱説明書にも明記されています。EMSはあくまで筋肉刺激を補助するものであり、「医療機器」「ダイエット薬」とは異なります。安全に続けるためには、正しい使い方と適切な期待値設定が不可欠です。
なぜスレンダートーンは販売終了になったのか、改めて整理
スレンダートーンの販売終了は、「品質問題」ではなく「広告表現上の問題」が主な理由です。
つまり、製品そのものの安全性や動作不良が原因ではありません。
販売元が行政措置を受けたことで、リスク回避のために販売継続を断念したとみられます。
EMS機器の市場では、「簡単に痩せる」「数日で効果が出る」といった誇張表現が問題視されやすく、景品表示法への意識がより厳しくなっています。
この背景から、メーカー側が慎重な姿勢を取るのも理解できます。
まとめ:スレンダートーン販売終了の真相と今後の展望
スレンダートーンは、かつて「巻くだけで腹筋を鍛える」EMS機器として人気を博しましたが、広告表現に関する行政措置を受けたことをきっかけに国内での正規販売を終了しています。
ただし、在庫品や並行輸入品はまだ入手可能なため、完全に消えたわけではありません。
再販やリニューアルの予定は未定ですが、EMS市場全体は今も拡大傾向にあります。今後、より安全性と信頼性を高めた形で復活する可能性もゼロではないでしょう。
購入を検討している人は、現在販売されている類似機器と比較し、自分の目的や使用環境に合った製品を選ぶことをおすすめします。
そして何より、「巻くだけで痩せる」という過度な期待を持たず、生活習慣や食事の改善とあわせて取り入れるのが賢い使い方です。
以上、「スレンダートーンが販売終了って本当?理由や今後の販売予定を調査」でした。
