突然ですが、みなさんは「Nintendo Labo」を覚えていますか？
ダンボールを組み立てて、Nintendo Switchと組み合わせて遊ぶあの工作キットです。発売当初は「つくる・あそぶ・わかる」というキャッチコピーとともに大きな話題になりました。
そんなニンテンドーラボですが、最近ネット上では「販売終了」や「生産終了」という言葉をよく目にします。この記事では、なぜそう言われているのか、そして再販の可能性はあるのかをわかりやすく整理してみましょう。
ニンテンドーラボとはどんな商品だったのか
ニンテンドーラボは2018年に発売された、任天堂ならではの“遊びと学び”を融合させた商品でした。
Switch本体とJoy-Conをダンボールで作った「Toy-Con」に組み合わせて遊ぶという、非常にユニークな体験が特徴。
「ピアノ」「バイク」「釣り」「ロボット」など、現実の動きをゲームに反映させることで、子どもから大人までが楽しめる“体験型ゲーム”として登場しました。
発売当初は世界的にも注目を集め、「教育ツールとしても使える」「親子で楽しめる」など、ポジティブな評価が多く見られました。
ところが、時間が経つにつれ販売の勢いは落ち着き、現在では多くの店舗や公式オンラインストアから姿を消しています。
任天堂が「販売終了」と明言していない理由
まず押さえておきたいのは、任天堂が公式に「ニンテンドーラボを販売終了します」と発表したわけではないという点です。
ただし、任天堂のサポートページでは「一部のダンボールシートは販売を終了しました」といった記載が確認されており、修理部品や交換用パーツの販売も順次終了しています。
また、公式オンラインストアでの在庫がなく、再入荷予定も掲載されていないため、実質的には「販売終了状態」と見られています。
このように“公式な終了宣言はないが流通在庫が尽きた”という状況が、「販売終了」として認識されているのです。
ニンテンドーラボが販売終了になった背景
1. 予想よりも伸びなかった販売実績
発売当初は話題性が高く、Switchの販売促進にもつながると期待されていました。
しかし、実際の販売は想定ほどの爆発力を見せず、任天堂の経営報告でもLaboシリーズの売上は大きな柱にはなりませんでした。
“ゲーム機にあまり触れない層”や“親子で遊ぶ層”を狙ったコンセプト自体は評価されたものの、その層が思ったほど市場として広がらなかったのです。
2. 工作のハードルが高かった
ニンテンドーラボは「つくってあそぶ」ことが醍醐味ですが、裏を返せば「作らないと遊べない」商品でもあります。
ダンボールを組み立てる作業には集中力と時間が必要で、小さな子どもだけでは難しく、親が手伝う必要があるケースも多かったようです。
「面白いけど大変」「遊ぶまでが長い」という声が増え、ライトユーザー層にはややハードルが高い商品になってしまいました。
3. 大きくかさばるパッケージと在庫リスク
Laboは内容物が多く、箱も大きめ。そのため流通や店舗の在庫スペースを圧迫する要因になっていました。
ゲームソフトの多くが小型パッケージやダウンロード販売に移行していく中で、ダンボール工作キットという“物理的に大きい商品”は流通コストの面でも不利だったと考えられます。
販売終了は、こうしたコスト構造の見直しも関係しているとみられます。
4. シリーズ展開の収束
最初の「Variety Kit」や「Robot Kit」に続き、「Vehicle Kit」など複数のシリーズが発売されましたが、2年目以降は新作が登場していません。
新しいキットの展開が止まったことで話題性が薄れ、売り場での注目度も下がりました。結果として、シリーズ全体の勢いが衰えたのです。
任天堂としても「Labo」を次のフェーズへと移行させるタイミングだったのかもしれません。
5. 継続ユーザーの定着が難しかった
「一度作って遊んだら満足してしまう」「他人と共有する仕組みが弱い」といった意見も多く、リピート需要を生みにくかった点も指摘されています。
例えば、プログラミングツールのように他の人の作品を共有したり改造したりする場が少なく、ユーザー同士の交流が限定的でした。
結果的にコミュニティが広がらず、長期的な人気維持が難しかったと考えられます。
ニンテンドーラボの教育的価値は今も評価されている
販売が落ち着いた現在でも、「Nintendo Laboが教育現場で使われた」「プログラミング学習に応用された」という報告が国内外であります。
実際、Laboには「つくる楽しさ」と「仕組みを理解する面白さ」があり、STEAM教育（科学・技術・工学・芸術・数学）の教材として優れた側面を持っています。
つまり、商品としての販売は終了しても、教育・体験という意味での価値は今も残っているのです。
この点を考えると、Laboの理念は次世代の製品に引き継がれていく可能性があります。
再販や復刻の可能性はある？
「また遊びたい」「子どもが大きくなったら買いたい」という声も多く、再販を望むユーザーは少なくありません。
とはいえ、任天堂から「再販予定」や「新バージョン発売」に関する正式な発表はありません。
ただし、Switchの次世代機が登場するタイミングで、Laboのような“体験型シリーズ”が復活する可能性は十分あります。
任天堂はこれまでもWiiリモコンやDSタッチペンなど、新しい遊びの形を常に提案してきました。
Laboが完全に終わるのではなく、そのDNAが別の形で受け継がれる――そんな未来も考えられます。
中古市場とコレクター需要の高まり
販売終了が広まったことで、中古市場ではニンテンドーラボの価格がじわじわ上昇しています。
特に「Variety Kit」や「Robot Kit」はプレミア価格になることもあり、未開封品はコレクターアイテムとして扱われるようになっています。
一方で、開封済みや一部パーツ欠品の中古品も多く、購入時は内容の確認が重要です。
再販がない現状では、欲しい人は早めに確保しておくのが安心でしょう。
今後の任天堂の展開に期待
Laboの販売終了は寂しいニュースですが、任天堂は常に新しい遊び方を模索してきた企業です。
Switch Sportsやリングフィットアドベンチャーなど、身体を動かすゲームも引き続き人気ですし、
「遊びの再発明」という理念は変わっていません。
ニンテンドーラボで培われたアイデアが、次世代Switchや新コンセプトのゲームへ発展することを期待しているファンも多いでしょう。
ニンテンドーラボが販売終了した理由を振り返って
改めてまとめると、ニンテンドーラボが販売終了した理由には次のような背景があります。
- 売上が想定ほど伸びなかった
- 工作の手間と難易度が高かった
- パッケージサイズと在庫コストの問題
- シリーズ展開が止まった
- コミュニティ拡大が難しかった
これらの要因が重なり、結果として販売が縮小し、在庫限りの形で市場から姿を消していったと考えられます。
しかし、その革新性や教育的価値は今も多くの人の記憶に残り、「任天堂らしい実験的プロジェクト」として高く評価されています。
ニンテンドーラボの販売終了と再販の可能性を考える
任天堂が公式に終了を宣言していない以上、「いつか何らかの形で復活する」余地は残されています。
Switch後継機が登場すれば、新しい技術を取り入れた“Labo 2.0”のようなシリーズが再び出るかもしれません。
販売終了は終わりではなく、次の挑戦への通過点。
これまでの経験が、未来の任天堂製品にどう生かされるのか――今後の動きを静かに見守りたいところです。
