「プルームテックが販売終了したって本当?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。コンビニでも見かけることが少なくなり、愛用者の間では「どこにも売ってない」「たばこカプセルが買えない」と話題になっています。
この記事では、JT(日本たばこ産業)が展開していたプルームテックシリーズの販売終了理由、背景、そして今後の展開や再販の可能性について、最新情報をもとにわかりやすく解説します。
プルームテックとはどんなデバイスだったのか
まず簡単に振り返っておきましょう。
プルームテック(Ploom TECH)は、JTが2016年に発売した「低温加熱式たばこ」です。たばこの葉を直接燃やさず、専用カートリッジ内の液体を加熱して蒸気を吸う仕組みで、「においが少ない」「煙が出ない」「吸い終わりのタイミングを自分で決められる」といった特徴が人気を集めました。
当時はアイコス(IQOS)などの「高温加熱式たばこ」が主流になる前で、プルームテックは“クリーンな喫煙スタイル”として注目を浴びた存在でした。
その後、「プルームテック・プラス・ウィズ」や「プルームテック・プラス」などの派生モデルも登場し、よりコンパクトで使いやすい形に進化してきました。
しかし2023年夏、JTは突然の「販売終了」を発表。ユーザーに大きな衝撃が走りました。
販売終了の正式発表とスケジュール
JTの公式発表によると、「プルームテック」および「プルームテック・プラス」シリーズは、2023年6月29日付で販売終了が告知されました。
デバイス本体は8月上旬以降、在庫がなくなり次第終了。専用たばこカプセルについても12月以降、在庫売り尽くしをもって終売とされています。
さらに、「プルームテック・プラス・ウィズ」などの派生モデルも2023年7月下旬〜8月にかけて順次販売終了。店頭・オンラインともに、現在は在庫限りの状態が続いています。
つまり、シリーズ全体として「段階的な撤退」が行われた形です。では、なぜJTは人気のあったプルームテックシリーズを終了させたのでしょうか。
販売終了の主な理由①:ユーザー期待とのギャップ
最も大きな要因は、「ユーザーの期待と実際の体験のズレ」だといわれています。
プルームテックは、“においの少なさ”“軽い吸い心地”を重視して開発された製品でした。
しかし、市場が成熟するにつれて、ユーザーの多くは「もっとたばこらしい吸いごたえ」を求めるようになりました。
低温加熱式のプルームテックでは、その“強い満足感”を得にくいという声が増えていったのです。
JTの担当者もインタビューで、「提供したい価値と、顧客が期待する体験との間にギャップがあった」と説明しています。
つまり、良い意味でも悪い意味でも“優等生”だったプルームテックは、喫煙者の変化する嗜好にマッチしにくくなっていったのです。
販売終了の主な理由②:市場環境と競合の変化
加熱式たばこの市場は、ここ数年で劇的に変化しました。
アイコスやグローなどの「高温加熱式」が主流となり、フレーバーの種類、吸いごたえ、デバイスの性能が大幅に進化しています。
一方、プルームテックは“低温加熱”という独自の路線を守り続けてきました。
この方式は、においの少なさやクリーンさで優位性がありましたが、「パンチの弱さ」「物足りなさ」といった声がネックに。
結果的に、競合製品の進化に押され、シェアを保つことが難しくなっていきました。
また、たばこ店やコンビニなどの陳列スペースにも限りがあります。
売れ行きの良い銘柄や新型デバイスが優先され、プルームテックの棚が徐々に縮小されていったことも影響したと考えられます。
販売終了の主な理由③:ブランド戦略の再構築
もう一つの大きな理由は、ブランド全体の再編成です。
JTは2023年、プルームブランドを刷新し、「Ploom X」や新ブランド「with(ウィズ)」を中心に再構築を進めました。
実際、販売終了の発表と同時に、新デバイス「with2(ウィズ2)」が登場しています。
このモデルは、プルームテック・プラス用のたばこカプセルがそのまま使える互換仕様で、加熱性能も進化。
吸った瞬間に蒸気が発生する「インフューズド技術」を採用し、満足感を高める設計になっています。
つまり、プルームテックの終了は「終わり」ではなく、新ブランドへの世代交代でもあったのです。
技術的な限界とユーザーニーズの変化
プルームテックは、たばこの葉を約30℃〜40℃という低温で加熱する仕組みを採用していました。
そのため、「焦げ臭くない」「クリーンな味わい」が特徴でしたが、同時に“たばこ感の薄さ”が弱点でもありました。
高温加熱式(約300℃前後)のアイコスやプルーム・エックス・アドバンスドが主流になった今、ユーザーの求める「煙量」「喫味」「フレーバー感」に差が開いてしまったのです。
技術革新が進む中で、プルームテックの構造ではアップデートが難しく、機能面でも限界が見えていたといえます。
在庫整理と販売終了の段階的実施
JTは「在庫がなくなり次第終了」という形を取ったため、コンビニやオンラインショップによって販売終了のタイミングに差がありました。
特に、人気のフレーバーやスターターキットは早期に完売し、地方では入手困難な状況が続きました。
また、たばこカプセルの終売も段階的に進み、2023年12月以降は公式サイトでも販売を終了。
現在は在庫を扱う一部通販サイトや中古市場でのみ見つかるケースが多くなっています。
ただし、加熱式たばこは法律上の「たばこ製品」に該当するため、非公式な転売や中古取引には注意が必要です。
再販はある?今後の展開と後継モデル
結論から言うと、**プルームテック**の再販予定はありません。
JTも「在庫売り尽くしをもって販売終了」と明言しており、旧モデルの再生産・再発売は行われない見通しです。
その一方で、後継ブランド「with(ウィズ)」シリーズが登場しており、実質的な“後継機”として位置づけられています。
「with2(ウィズ2)」では、従来のプルームテック・プラス専用カプセルを使用可能で、機能面も改善。
軽量デザインや充電効率の向上など、ユーザーの不満を解消する仕組みが導入されています。
また、JTは今後も「Ploom X」などの高温加熱式デバイスを軸に、新しい加熱技術を展開していく方針です。
つまり、ブランドとしてのプルームテックは幕を閉じましたが、DNAは次世代モデルに引き継がれているといえます。
愛用者が今できる選択肢
プルームテックユーザーにとって、突然の終売は困惑の種でしょう。
もし今も手元にデバイスがある場合、以下のような対応が考えられます。
- 公式サイト「CLUB JT」や一部店舗で、在庫のたばこカプセルを早めに確保する。
- 後継機「with2(ウィズ2)」や「Ploom X」への移行を検討する。
- 互換カプセルやリキッドなどを非公式に購入する場合は、法令・安全性を十分に確認する。
特に、「with2(ウィズ2)」はプルームテック・プラスからスムーズに移行できる設計なので、使い勝手を変えずにアップグレードしたい人に向いています。
プルームテック販売終了の背景をどう捉えるか
プルームテックの販売終了は、一見すると「撤退」に見えますが、実際はブランド再編の一環でした。
低温加熱式という独自路線は一定の支持を得たものの、市場の主流が高温加熱式に移ったことで、製品戦略の見直しが求められたのです。
一方で、「においが少ない」「持ち運びやすい」といったプルームテックならではの魅力は、今も評価されています。
そのDNAは、新ブランド「with(ウィズ)」や「Ploom X」の中で確実に生き続けています。
プルームテック販売終了のまとめ
改めて、今回のポイントを整理します。
- プルームテックシリーズは2023年夏に販売終了。
- 理由は「ユーザー期待の変化」「競合の進化」「ブランド再編」の3点。
- 再販予定はなく、後継ブランド「with(ウィズ)」が事実上の後継機。
- 旧カプセルの在庫は終了済み、今後は後継機への移行が推奨。
加熱式たばこの市場は今後も変化していきます。
新ブランドがどんな進化を見せるのか、JTの次の一手に注目したいところです。
プルームテックが販売終了した理由を知ることで、加熱式たばこ市場の流れや技術の進化も見えてきます。
時代の変化とともに選択肢は増えています。
あなたに合ったスタイルを見つけて、より快適な喫煙ライフを楽しんでください。
