「キリン メッツ グレープフルーツが販売終了したらしい」という話を、最近ネット上で見かけた人も多いのではないでしょうか。
長年親しまれてきた炭酸飲料だけに、「本当に終売なの？」「もう買えないの？」と気になる方も少なくありません。この記事では、販売終了の真偽や背景、そして再販の可能性までをわかりやすくまとめていきます。
メッツグレープフルーツとは？長年愛されたロングセラー炭酸
「メッツ グレープフルーツ」は、キリン メッツが1979年に発売した「キリン メッツ」シリーズの代表的なフレーバーのひとつです。
当初は京浜地区限定の250ml缶からスタートし、若者向けの「都会的で刺激的な炭酸飲料」として注目を集めました。翌1981年には全国販売が開始され、フルーティーな香りと爽やかな苦味のあるグレープフルーツ風味が人気を呼びました。
当初は果汁10％未満の炭酸飲料として発売され、その後は時代の流れに合わせて何度もリニューアル。果汁入りから無果汁、果汁1％、再び無果汁へと仕様を変えつつ、味のバランスや刺激感を追求してきました。
長く愛され続けてきた背景には、「ちょっと大人の炭酸」というブランドイメージが確立されていたことも大きいでしょう。
販売終了の噂は本当？現在の販売状況を確認
近年、「メッツ グレープフルーツが店頭から消えた」「通販で見かけなくなった」という声が増えています。実際に、主要な通販サイトでは以下のような状況が確認されています。
- ヨドバシ.comでは「キリン メッツ グレープフルーツ 350ml×24本」が“販売を終了しました”と明記されている。
- 同サイトの他容量（190ml缶や1.5Lペットボトル）も同様に「販売を終了しました」との表記。
- キリン公式サイトの製品一覧にも「メッツ グレープフルーツ」の名前は掲載されていない。
これらの情報から、現行の「メッツ グレープフルーツ」はすでに出荷・販売が終了している可能性が高いと考えられます。
ただし、キリンから公式の「終売発表」が出されたわけではなく、販売終了時期や理由は明確に公表されていません。メーカー公式サイトでも該当製品のページが削除されており、在庫がなくなり次第終売扱いとなったとみられます。
なぜ販売終了になったのか？考えられる背景
明確な発表こそありませんが、「メッツ グレープフルーツ」が姿を消した背景にはいくつかの要因が考えられます。
1. 長期ブランドによる需要の減少
1979年の発売から40年以上が経ち、消費者の嗜好は大きく変化しました。
炭酸飲料の定番といえばコーラやレモン系が主流になり、グレープフルーツ味の需要は次第に縮小傾向に。特に健康志向の高まりとともに、糖分を抑えた「ゼロカロリー」や「炭酸水」へ人気が移ったことが影響していると考えられます。
2. 商品ラインナップの整理
キリンでは「メッツ」ブランドを長く展開していますが、時代ごとにラインナップを見直す動きがあります。
売上が低迷した商品や、製造コストのかかるフレーバーは順次整理される傾向があり、メッツ グレープフルーツもそうした「ブランド再構築」の一環として整理された可能性があります。
3. コスト・原料・製造の課題
果汁入り炭酸飲料は、安定した品質を保つためにコストがかかります。
実際、メッツ グレープフルーツも果汁10％未満→無果汁→果汁1％→再び無果汁と仕様変更を繰り返してきました。これは、果汁価格の高騰や製造ラインの効率化を意識した変更とも見られます。
4. 市場トレンドの変化
現在の炭酸市場は「機能性」や「刺激感」に注目が集まっています。
“甘くない爽快系”の炭酸やエナジードリンク、無糖炭酸水などが伸びており、クラシックな果汁風味炭酸の立ち位置が難しくなってきました。メッツ グレープフルーツのリニューアル版「超刺激クリア グレープフルーツ」もその流れの中で生まれた製品です。
「超刺激クリア グレープフルーツ」へのリニューアルも
実は、「メッツ グレープフルーツ」という名前は消えましたが、そのDNAを受け継いだ後継製品が存在します。
2019年には「キリン メッツ 超刺激クリア グレープフルーツ」がリニューアル発売され、より強い炭酸とクリアな後味で現代的に生まれ変わりました。
この“超刺激シリーズ”は、従来の甘さ控えめでキリッとした飲み口を維持しつつ、カロリーや糖分を抑えた現代志向の配合が特徴です。
つまり、ブランドとしての「メッツ」は今も続いており、形を変えて存続しているというわけです。
古いパッケージの“メッツ グレープフルーツ”を懐かしむ声がある一方で、「超刺激クリア版のほうが飲みやすい」と評価するファンも多く見られます。
メッツグレープフルーツの再販はある？
ファンにとって気になるのが「復活の可能性」でしょう。
結論から言うと、現時点では再販や復刻の発表はありません。
キリンの公式サイトやニュースリリースにも「再発売」「期間限定復刻」といった情報は確認されていません。
ただし、過去には「キリン メッツ コーラ」や「メッツ レモン」などが期間限定で復活した例もあり、メッツブランド全体として“リバイバル企画”が行われることはあります。
そのため、「グレープフルーツ味」が再び限定フレーバーとして登場する可能性はゼロではありません。
また、SNSでは「もう一度あの味が飲みたい」「超刺激版より昔のほうが好きだった」といった声が一定数存在しています。こうしたユーザーの声が多く集まれば、企業として再生産を検討する余地も出てくるでしょう。
メッツシリーズの今後に期待
現在のメッツシリーズは「メッツ ザ・ドライ」や「超刺激クリア グレープフルーツ」など、炭酸の刺激とスッキリ感を前面に押し出したラインが中心です。
糖分やカロリーを抑えた飲料が主流になった今、昔ながらの甘みと苦味を両立した「グレープフルーツ味」は、時代の流れの中で一旦その役割を終えたといえるでしょう。
しかし、懐かしの味を復刻する動きは他メーカーでも増えています。
キリン自身も限定復刻キャンペーンを行うことがあるため、記念年やSNSでの話題化をきっかけに、「メッツ グレープフルーツ」が再び日の目を見る日が来るかもしれません。
まとめ：メッツグレープフルーツ販売終了の理由と未来
「メッツ グレープフルーツ」は、1979年の発売以来、爽やかな苦味と甘みで多くのファンに親しまれてきました。
しかし、時代の変化により販売終了（または流通終了）となり、現在は「超刺激クリア グレープフルーツ」などの後継商品へと引き継がれています。
明確な終売理由は公表されていないものの、需要低下やブランド整理、製造コスト、健康志向の高まりといった複合的な要因が背景にあると考えられます。
それでも、長年愛されたブランドだけに、復刻や限定再販への期待は今も根強いものがあります。
懐かしいあの味をもう一度――。
メッツ グレープフルーツが再び登場する日を、静かに待ちたいところです。
