長年にわたって家庭の入浴を快適にしてきた「湯名人」。
24時間いつでも温かいお風呂に入れるという便利さで、多くの家庭で愛用されてきました。
そんな湯名人が「販売終了」と聞くと、「なぜ？」「いつ終わったの？」「次のモデルはあるの？」と気になりますよね。
ここでは、湯名人が販売終了に至った理由や時期、そして代わりになる後継モデルについて、できるだけわかりやすく解説していきます。
湯名人とはどんな製品だったのか
「湯名人」は、ジャノメ（JANOME）が手掛けていた家庭用の24時間風呂システムです。
浴槽の湯を循環・ろ過・保温し、常に快適な温度を保つことで、好きなときにすぐ入浴できるというのが最大の特徴でした。
特に、高齢の方や家族の人数が多い家庭では、「お湯を張り直さずにすぐ入れる」「水道代やガス代の節約になる」という点で人気を集めていました。
また、湯名人は「湯あがり美人」といった姉妹ブランドも展開しており、家庭用ながら本格的な温浴システムとして支持されていました。
湯名人の販売終了時期
湯名人シリーズは、2021年3月末をもって新規販売が終了しています。
ジャノメ公式サイトでも、「湯名人および湯あがり美人は2021年3月末をもって在庫限りで販売を終了しました」と明記されました。
つまり、正式な販売終了の発表は2020年末ごろに行われ、実際の販売停止は翌年の春という流れです。
在庫をもって販売終了とされたため、一部店舗や販売代理店ではその後もしばらく流通していた時期もありましたが、現在はすべての新規販売が終了しています。
湯名人が販売終了になった主な理由
公式発表では「販売終了」とだけ記載されていますが、その背景にはいくつかの事情があったと考えられます。
ここでは、複数の要因を整理して紹介します。
1. 24時間風呂市場の縮小
かつては「いつでも温かいお湯に入れる」ことが魅力だった24時間風呂ですが、ライフスタイルの変化により需要が減少しました。
シャワー中心の生活が一般的になり、「毎日湯を張る家庭」が少なくなったことが大きな要因です。
また、省エネ志向の高まりで「24時間お湯を循環させる電気代や維持費が高い」と感じる人も増え、導入を控えるケースが増えたといわれています。
2. メンテナンスや衛生管理の課題
24時間風呂は常にお湯を循環させるため、フィルター清掃やろ過材交換といった定期的なメンテナンスが欠かせません。
この手間や維持費を負担に感じる人が多く、長期的に使い続けるハードルが上がっていました。
さらに、入浴装置に共通する課題として「衛生管理」があります。
循環式風呂では、適切に管理しないとレジオネラ菌などが繁殖するリスクがあるため、メーカーも安全基準の見直しを進めていました。
湯名人もこの衛生面での仕様更新が必要だったと考えられます。
3. 技術更新と製品ラインの整理
湯名人は登場から長い年月が経過しており、技術的にも世代交代が求められていました。
近年の24時間風呂装置では、省エネ性能・除菌性能・自動洗浄機能などが進化しており、旧型機をそのまま販売し続けるのは難しくなっていたようです。
また、ジャノメはミシンや生活家電を中心とする企業であり、近年は主要事業の選択と集中を進めてきました。
その流れの中で、24時間風呂事業を整理した可能性が高いとみられます。
4. 販売チャネルの変化
湯名人の販売は、かつて訪問販売や直営店を通じて行われていました。
しかし、訪問販売自体の需要が減少し、店舗型営業の維持コストも高まったことで、販売体制を続けるのが難しくなったと考えられます。
ジャノメが直営店舗の閉鎖や事業整理を進めていた時期と重なる点からも、この影響は無視できません。
現在も使っている人はどうなる？修理や部品対応について
販売が終了しても、すぐにサポートが打ち切られたわけではありません。
ジャノメの公式サイトでは、「すでにご使用中の湯名人については、修理や消耗品の注文を引き続き受け付けています」と案内しています。
つまり、現時点でもメーカー修理やフィルターなどの部品供給は一定期間継続されています。
ただし、製造終了から年数が経つにつれ、在庫部品が減少し、修理対応が難しくなるケースも出てくるでしょう。
そのため、長期使用を考える場合は早めにメンテナンスや消耗品の確保をしておくことが推奨されます。
また、メンテナンス契約を結んでいるユーザー向けには、定期点検や部品交換を含むサポートも残されているようです。
一方で、新規設置や買い替え希望の場合は、すでに入手が困難なため、後継機種や他メーカー製品を検討するのが現実的です。
湯名人の後継モデル・代替機種はある？
湯名人シリーズそのものの“後継モデル”は、ジャノメから公式には発表されていません。
しかし、「24時間風呂」というカテゴリー自体は今も存在しており、他メーカーが最新機能を搭載した機種を販売しています。
例えば、コロナ工業の「ホームジュニアi」などは、光触媒と紫外線を組み合わせた除菌システムを搭載し、衛生性と省エネ性能を両立しています。
また、最近の機種は静音性・自動洗浄機能・省電力運転などが強化されており、従来型よりも扱いやすく進化しています。
湯名人のような「家庭でいつでも温かいお風呂を楽しみたい」というニーズは根強いため、今後もこうした機能を持つ機器の需要は一定数あると見られます。
販売終了後に気をつけたいポイント
すでに湯名人を使用している方や、これから類似製品を検討する方に向けて、注意しておきたい点を整理します。
- 部品供給の確認：修理や交換用フィルターなどの在庫が減っていくため、必要な部品を早めに確保しておく。
- 定期メンテナンスを怠らない：循環式風呂は清掃やろ過材交換を怠ると衛生面のリスクが高まる。
- 省エネ性の見直し：旧型機は消費電力が高いため、最新の省エネタイプへの乗り換えを検討するのも一案。
- サポート終了時期の確認：メーカーや販売店に今後の修理受付期間を確認し、長期使用のリスクを把握する。
販売終了は残念ではありますが、メンテナンスや安全管理を続けることで、もうしばらく安心して使い続けることは可能です。
湯名人はなぜ販売終了になったのかを振り返る
改めてまとめると、湯名人が販売終了となった背景には次のような複合的な要因がありました。
- 市場の需要減少と生活スタイルの変化
- メンテナンスや衛生管理のコスト増加
- 技術更新の遅れと製品ライン整理
- 販売体制や事業構造の転換
いずれも「時代の流れ」と言えるもので、湯名人だけでなく多くの24時間風呂ブランドが姿を消しています。
しかし、「いつでも快適に入浴したい」という想いは変わらず、今はより省エネで衛生的な製品が続々と登場しています。
もし「湯名人がもう手に入らないのなら」と感じている方は、最新の24時間風呂装置や簡易給湯システムなどを比較してみると、新しい発見があるはずです。
販売終了はひとつの区切りですが、快適なお風呂時間を求める人のニーズはこれからも続いていくでしょう。
