「炭の消臭元って、最近お店で見かけなくなったな」と思った人は多いかもしれません。
あの、シックなデザインと落ち着いた香りで人気だった「炭の消臭元」。いつの間にか店頭から姿を消し、ネットでも“販売終了”や“取扱停止”の文字が並んでいます。
この記事では、「炭の消臭元」がなぜ販売終了になったのか、その背景や理由をわかりやすくまとめました。また、同じような特徴を持つ代わりの商品も紹介していきます。
炭の消臭元とは？本物の炭を使った消臭剤
「炭の消臭元」は、小林製薬が2018年に発売した消臭・芳香剤シリーズのひとつ。
名前のとおり“炭”の力を活かしたタイプで、見た目もスタイリッシュ。黒と白を基調にした陶器風の容器に、ラタンスティックを挿して使うデザインは、リビングや玄関などにもなじむインテリア性が特徴でした。
香りは「白檀（びゃくだん）」と「すずらん」の2種類。どちらも落ち着いた印象で、他の芳香剤のような強すぎる香りではなく、自然なやすらぎを演出してくれると評判でした。
また、“本物の炭”を配合して悪臭分子を吸着・除去するという機能面でも注目され、発売当初は「インテリアにもなる消臭剤」として人気を集めていました。
炭の消臭元が販売終了？実際の状況
現在、「炭の消臭元」は多くの通販サイトで“取扱終了”や“在庫限り”と表示されています。
ドラッグストアでも棚から消え、メーカー公式サイトの商品ラインナップからも姿を消しました。
ただし、小林製薬の公式ページでは「販売終了しました」という明確なアナウンスは確認されていません。
しかし、流通上は実質的に「販売終了・製造終了」と同じ状態であり、店頭やオンラインショップで新規に入手するのは難しくなっています。
一部では在庫品がオークションサイトなどに出品されているものの、定価より高騰しているケースも見られます。
なぜ炭の消臭元は販売終了になったのか？
メーカーの正式発表がないため、明確な理由は公表されていません。
ただし、市場の動向や流通の変化を踏まえると、いくつかの要因が考えられます。
1. 商品ラインナップの整理・リニューアル
消臭剤の市場は入れ替わりが激しく、メーカーは定期的にラインを見直します。
「炭の消臭元」は同社の定番シリーズ「消臭元」の派生ラインでしたが、香り・デザイン・形状を細かく分けた結果、商品数が増えすぎていた可能性があります。
そのため、販売数の少ないラインを整理し、人気の香りや新しいデザインに統合する形でリニューアルが進められたと考えられます。
特に2020年代以降、消臭剤は「ナチュラル」「無香料」「コンパクト」といった方向に需要がシフトしています。
その流れの中で、「陶器容器×炭×ラタンスティック」という仕様は、ややコストが高く、主力商品として残しにくくなったのかもしれません。
2. コストや素材調達の問題
炭や陶器素材、スティック材など、ナチュラル素材を使用する製品はコスト面の影響を受けやすいといわれています。
原材料価格の上昇、製造・輸送コストの増加などにより、利益率が低下した可能性があります。
特に2020年以降は、物流費や資材価格が世界的に高騰した時期。採算が取りにくくなったことで、製造中止に踏み切ったケースも考えられます。
3. 消費者ニーズの変化
かつては「炭＝強力な消臭」というイメージが注目されていましたが、最近では“香りで癒されたい”派と“無香でスッキリしたい”派に市場が二分しています。
「炭の消臭元」はどちらのニーズにも完全には合わず、香りもやや控えめで、香り重視派には物足りなかったという声もありました。
一方で、無香派からは「スティックタイプは香りが出すぎる」という意見もあり、結果的にターゲットが曖昧になってしまった可能性があります。
4. 流通・店舗側の事情
ドラッグストアやホームセンターの棚は限られています。
各メーカーが新商品を出すたびに、売上の低い商品から順に入れ替えが行われるのが一般的です。
つまり、メーカーが販売を続けていたとしても、店舗側の判断で「炭の消臭元」の取り扱いを終了したケースもあり得ます。
こうして流通量が減ることで「販売終了した」と感じる消費者が増え、実質的な終売状態になるのです。
炭の消臭元の代わりになる商品
「炭の消臭元がなくなって困っている」という人のために、似た特徴を持つ代替商品をいくつか紹介します。
香りやデザインの好みに合わせて選んでみましょう。
炭を使った消臭剤
・炭のチカラシリーズ
活性炭を使った消臭剤で、無香タイプも香り付きも選べます。冷蔵庫や玄関、靴箱など用途ごとに種類があり、炭の吸着効果を重視する人におすすめ。
・備長炭ドライペット
除湿と消臭を同時に行えるタイプ。湿気の多い場所での臭い対策に向いています。
・炭八
出雲発の調湿・消臭炭袋。繰り返し使えるためエコで人気。家具の下やクローゼットなどに置くだけで長期間効果を発揮します。
スティック型・インテリア型の芳香剤
・消臭力 プレミアムアロマ
上品な香りとスタイリッシュなボトルが特徴。部屋の雰囲気を壊さず香りを楽しみたい人に向いています。
・ランドリン ルームディフューザー
香水のような香りが特徴で、デザインも洗練されています。炭の消臭元と同じように、置くだけでインテリアの一部になるタイプ。
・無印良品 フレグランスオイル・ラタンスティック
ナチュラル志向の人に人気。香りの種類が豊富で、天然精油を使った自然な香りが魅力です。
消臭剤の選び方のポイント
炭の消臭元のように「香りとデザインのバランスが良い」タイプを探している人は、次のポイントに注目すると選びやすくなります。
- 香りの強さ
強め・控えめ・無香タイプなど、設置場所に合わせて選びましょう。
リビングや寝室は控えめ、玄関やトイレはやや強めが一般的です。 - デザイン・容器
インテリアになじむボトルや陶器風のものを選ぶと、生活感を抑えられます。 - 持続期間
1〜2か月のものから半年以上持つものまでさまざま。交換頻度やコスパもチェック。 - 目的に合った機能
単なる芳香だけでなく、「脱臭」「除湿」「抗菌」など目的別のタイプもあります。
炭の消臭元の販売終了は時代の流れ？
炭の消臭元が登場した2018年当時、炭や木目、陶器など「自然素材×シンプルデザイン」のトレンドが盛り上がっていました。
しかし、近年はサステナブル・低価格・無香志向といった別の流れが主流に。
消臭剤市場の中で炭の消臭元のポジションは徐々に狭まり、結果として姿を消したと考えられます。
とはいえ、“炭の力で消臭したい”というニーズは今も根強く、他社や新シリーズで同様のコンセプトが受け継がれています。
また、インテリア性を重視した芳香剤は別ブランドで進化を続けており、見た目も香りも進化したアイテムが多数登場しています。
炭の消臭元が販売終了したのはなぜ？まとめ
炭の消臭元が販売終了になった背景には、以下のような要因が重なっていると考えられます。
- 商品ラインナップの整理・ブランド統合
- コストや資材価格の上昇
- 香りトレンドや生活様式の変化
- 店舗側での取扱終了による流通減少
炭の消臭元は、「炭の力」と「上品な香り」「インテリア性」を兼ね備えたユニークな商品でした。
その終了を惜しむ声も多いですが、現在はより多様なスタイルの消臭剤が登場しています。
炭の消臭元の代わりになるアイテムを探しながら、自分の暮らしに合った“香りと空気の演出”を楽しんでみてください。
