「におわなっとうがなくなった」と嘆く声が、今もネット上で多く聞かれます。
朝食の定番として愛されてきた“においが少ない納豆”が、2025年に販売終了となった今、同じようににおいを抑えた納豆は存在するのでしょうか？
今回は、「におわなっとう」の代替品として注目されている商品や、そもそも無臭納豆を作る技術、そして“次に選ぶべき納豆”について徹底的に調べてみました。
におわなっとうが販売終了した理由と背景
ミツカンの「金のつぶ パキッ！とたれ におわなっとう」は、におい控えめ納豆の代名詞とも言える存在でした。
しかし、2025年8月末をもって製造・販売が終了。公式サイトでも「長年のご愛顧に感謝し、販売を終了しました」と発表されています。
終了理由について明確な説明はありませんが、考えられる要因はいくつかあります。
まず一つは、原材料費や物流コストの高騰。加えて、発酵・脱臭という特殊な製造工程を持つため、通常の納豆よりもコストがかかっていた可能性があります。
また、消費者の間で「納豆はにおいがあってこそ」といった意見も根強く、需要が限定的だった点も一因かもしれません。
とはいえ、「匂いが少なくて助かっていた」「外出前でも食べられたのに」と惜しむ声は多く、いまや“におわなっとうロス”という言葉さえ見られるほどです。
無臭納豆の仕組みと“におい”の正体
納豆のにおいの主成分は「低級分岐脂肪酸」と呼ばれる物質。これが発酵過程で生成され、特有のツンとした香りを生み出します。
「におわなっとう」は、発酵温度や菌株を調整することで、これらのにおい成分を抑えていたと言われています。
つまり、完全に“無臭”というよりも、“発生量を最小限に抑えた納豆”というのが正確な表現。
においを抑えながらも、納豆菌やナットウキナーゼなどの栄養成分はしっかり残すという絶妙なバランスが評価されていました。
現在、市場に出回る「におい控えめ納豆」も同様のアプローチを取っています。
発酵温度を下げたり、空気接触を減らしたりするなど、メーカー独自の工夫で“におわなっとうに近い食べやすさ”を再現しています。
におわなっとうの代替品として注目される納豆たち
販売終了後、SNSや口コミで「これが代わりになる」と話題になっている商品がいくつかあります。
ここでは、特に“においが少ない”“食べやすい”と評価されているものを紹介します。
おかめ納豆 ひきわり
納豆が苦手な人でも食べやすいと評判なのが、タカノフーズの「おかめ納豆 ひきわり」。
豆を細かく砕くことで発酵面積を減らし、においが控えめになります。
たれのだしが強めに設計されており、香りよりも旨みが前に出るため、におわなっとうに近い“軽さ”を感じられるとの声も。
スマイルライフ 北海道産大豆 小粒納豆
スーパー・ライフのプライベートブランド商品。
実際に「におわなっとうしか食べられなかったが、これなら大丈夫だった」という口コミが複数見られます。
豆の粒が小さく、ふんわりとした食感で、においよりも甘みが先にくる点が特徴。
ふわりんやわらか納豆
“におい少なめ”をうたうシリーズ。昆布やかつおのだしを利かせたたれで、納豆特有の発酵臭をやわらげています。
粘りは軽めで、ご飯にからめても重たくならないタイプ。朝食や弁当にも使いやすいと評判です。
粉末納豆・乾燥納豆という選択肢も
「無臭」に徹底的にこだわるなら、粉末納豆やフリーズドライ納豆という選択もあります。
たとえば「こな納豆」シリーズは、納豆菌を生きたまま乾燥させた粉末タイプ。
におい・粘り・糸引きがほとんどなく、味噌汁やヨーグルト、スムージーに混ぜて摂取できます。
見た目や食感は完全に別物ですが、ナットウキナーゼなどの栄養はそのまま。
「納豆の匂いが苦手だけど、腸内環境を整えたい」「ナットウキナーゼを摂りたい」という目的なら、非常に理にかなった代替品です。
同様に、フリーズドライの「サラサラ納豆」や「乾燥ひきわり納豆」なども、においをほとんど感じずに使える食品として人気を集めています。
ただし、通常の納豆のような“ご飯のおとも感”は薄いため、栄養補助としての利用がおすすめです。
“におわなっとうロス”後の市場とメーカーの動き
におわなっとうが姿を消したことで、他メーカーが“におい控えめ路線”を強化する可能性もあります。
特に大手3社（ミツカン、タカノフーズ、あづま食品）は、それぞれ異なるアプローチで“におい対策”を研究してきました。
- タカノフーズは「だし系たれ」「軽めの発酵」でにおいを和らげる。
- あづま食品は「国産大豆100%・ひきわり・小粒」でクセを抑える。
- ミツカンは「発酵菌株の制御」で臭気を物理的に低減していた。
現在、明確に「無臭」をうたう商品は少ないものの、ひきわりや小粒タイプ、だし強めタイプなど、“におわなっとう難民”に寄り添う製品は確実に増えています。
一方で、SNSでは「冷凍してから食べるとにおいが減る」「たれを変えるだけで匂いがましになる」など、消費者自身の工夫も多く見られます。
たとえば、納豆を一度冷凍してから解凍すると、発酵成分が落ち着き、匂いが弱まるという裏ワザも知られています。
“無臭納豆”を選ぶときのポイント
完全に無臭の納豆は存在しませんが、「においが控えめな納豆」を探すときの基準をまとめます。
- ひきわりタイプを選ぶ
表面積が減る分、発酵臭が軽くなります。 - たれの風味が強い商品を選ぶ
昆布・かつおなどのだしが前に出ると、においが気になりにくい。 - 冷蔵庫から出してすぐに食べない
常温に置く時間を短くすると、においが広がりにくい。 - 密閉容器に移して保存する
開封後すぐに食べきれない場合は、においの拡散を防げます。
こうしたちょっとしたコツで、「におわなっとうがなくても快適に食べられる納豆ライフ」を取り戻すことができます。
それでも“におわなっとう”が恋しい人へ
ファンの中には、「代替品では満足できない」「もう一度復活してほしい」との声も多く見られます。
実際、ミツカン製品の中には過去に期間限定で復刻された商品もあり、需要次第では再販の可能性もゼロではありません。
また、納豆業界では無臭化技術の研究が進んでおり、「におわなっとうの再来」と呼べる新商品が登場する日も遠くないかもしれません。
それまでは、各社の“におい控えめ”商品や粉末納豆などを試しながら、自分に合う“第二のにおわなっとう”を探すのが現実的です。
におわなっとうの代替品まとめと今後の展望
におわなっとうの販売終了は残念でしたが、「におい控えめ」「無臭」「食べやすい」納豆は、今も複数のメーカーから販売されています。
・おかめ納豆 ひきわり
・スマイルライフ 北海道産大豆 小粒納豆
・ふわりんやわらか納豆
・こな納豆
これらはそれぞれ特徴が異なり、“どの程度においを抑えたいか”“納豆らしさを残したいか”によって選び方が変わります。
におわなっとうがなくなっても、納豆を楽しむ道はまだまだあります。
日々の食卓や健康維持の一助として、自分にぴったりの“無臭納豆”を見つけてみてください。
