「昔、口内炎ができたときにケナログ軟膏を塗っていた」という人は多いですよね。あのぴたっと密着する感覚と、すぐに痛みが和らぐ効果が印象的でした。しかし最近、「ケナログが薬局で見つからない」「販売終了したらしい」という声も増えています。
そこで今回は、ケナログ軟膏がなぜ見かけなくなったのか、そして今も市販で買える代替品や同等成分の薬について、分かりやすく紹介していきます。
ケナログ軟膏とは？かつての定番・口内炎治療薬
ケナログ軟膏は、トリアムシノロンアセトニドというステロイド成分を含む口腔用の軟膏で、口内炎や舌の炎症、頬の内側の傷などに使われていました。患部に密着して炎症を抑える作用があり、食事や会話の痛みを軽減してくれるのが特徴です。
発売当初から長年にわたって定番として愛用されてきましたが、近年では製造や流通の事情により販売が終了しているとされています。そのため、今は同じような働きを持つ「後発薬」や「代替の市販薬」が注目されています。
ケナログが使えなくなった理由と背景
明確な「販売中止の理由」は公表されていませんが、医薬品業界では製造コストや原料調達、需要の変化などによって販売終了となるケースがあります。ケナログもその一つとみられ、現在は薬局で取り扱いがありません。
ただし、「ケナログ軟膏と同じ成分（トリアムシノロンアセトニド）」を使った医療用後発品が存在し、医師の処方で入手することは可能です。また、同成分を配合した市販薬も複数販売されており、実質的には代替手段が用意されています。
ケナログ軟膏と同成分の代替薬
ケナログ軟膏と同じ成分を含む後発薬として代表的なのが「オルテクサー口腔用軟膏0.1%」です。
こちらは医療用医薬品で、成分・効果ともにケナログと同等。病院や歯科で処方されることが多く、「ケナログの代わり」として広く使われています。
口内炎や口内の傷、舌炎などに直接塗るタイプで、粘膜への密着力が高く、痛みや腫れを抑える働きがあります。
「以前ケナログを使っていた人」が病院を受診した場合、医師からこのオルテクサー口腔用軟膏0.1%が処方されることが多いでしょう。
市販で買えるケナログ軟膏の代替薬
薬局やドラッグストアでは、ステロイド系・非ステロイド系を含めて多くの口内炎治療薬が販売されています。ここでは、特にケナログの代替として注目されている市販薬を紹介します。
トラフル軟膏PROクイック
有効成分にトリアムシノロンアセトニドを含むステロイド軟膏。患部の炎症や痛みを素早く抑え、即効性があります。口内炎の痛みが強い人、食事がつらい人におすすめです。
アフタッチA
こちらは軟膏ではなく「貼るタイプ」の口内炎薬。ステロイド成分を配合しており、患部に貼ることで刺激から守りながら炎症を抑えます。食事や会話で擦れてしまう人に向いています。
口内炎軟膏大正クイックケア
ステロイドまたは非ステロイドタイプがあり、軽度の口内炎にも使いやすい軟膏。ドラッグストアで入手しやすく、初めての口内炎ケアにも使いやすい製品です。
非ステロイド系の口内炎薬
ステロイドを避けたい場合は、グリチルリチン酸やアズレンスルホン酸ナトリウムなどの成分を含む非ステロイド系の薬も選択肢になります。刺激が少なく、繰り返す軽度の口内炎や予防ケアに向いています。
ステロイド軟膏を使う際の注意点
ケナログ軟膏を含むステロイド軟膏は、強い炎症を抑える作用がある一方で、使い方を誤ると副作用が出ることもあります。使用する際は以下の点に注意が必要です。
- 長期間の使用は避ける
- 広範囲に塗らない
- 感染性の口内炎（細菌・カンジダ・ヘルペスなど）には使用しない
- 妊娠中・授乳中・小児は医師または薬剤師に相談する
患部が改善しない、繰り返し口内炎ができる、痛みが強く長引く場合は、早めに歯科や口腔外科を受診することが勧められます。
口内炎薬を選ぶときのポイント
- 痛みの強さをチェック
強い痛みや腫れがある場合は、ステロイド系の軟膏が効果的。軽い炎症なら非ステロイドでも十分な場合があります。 - 患部の場所を確認
頬の内側・舌・唇の裏など、場所によって塗りやすさが違います。口の奥や動きやすい場所には、貼るタイプの薬が便利です。 - 使用時間と生活習慣を意識
塗布後はすぐに飲食せず、少し時間をおくと効果が持続します。口の中を清潔に保ち、ビタミンB群を意識的に摂るのも効果的です。 - ステロイドを避けたい場合の選択肢
子どもや敏感な体質の人、妊娠中の方は非ステロイド系の軟膏やうがい薬が安心です。
症状別のおすすめ例
- 痛みが強い・口内炎が大きい場合
→ トラフル軟膏PROクイック、アフタッチAなどのステロイド製剤。 - 軽度の炎症・繰り返す口内炎の場合
→ 非ステロイド系の軟膏や洗口液タイプ。 - 会話や食事のときに痛みやすい位置の口内炎
→ 貼るタイプのアフタッチAで患部を保護。 - 子どもや妊娠中の人
→ ステロイドを含まない製品を選び、使用前に薬剤師へ相談。
ケナログ軟膏を使っていた人へのアドバイス
かつてケナログ軟膏を常備していた人にとって、「もうあの薬が買えない」と感じるのは不安かもしれません。ですが、今は代替薬が豊富にあり、用途や症状に応じてより自分に合った治療法を選べる時代です。
「すぐ治したい」「刺激が少ないものがいい」「貼って保護したい」など、自分の生活スタイルに合わせて選ぶのがポイントです。
また、口内炎が頻発する人は、ストレス・睡眠不足・栄養バランスなどの生活習慣が影響している場合も多く、根本的な見直しも大切です。
ケナログ軟膏の代替品まとめ
ケナログ軟膏はすでに販売終了となっていますが、同成分を含む医療用後発薬「オルテクサー口腔用軟膏0.1%」や、市販の「トラフル軟膏PROクイック」「アフタッチA」などが代替として利用できます。
いずれもトリアムシノロンアセトニドというステロイド成分が口内の炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。
ただし、ステロイド軟膏は使い方を誤ると副作用のリスクもあるため、短期間の使用を守ることが大切です。
軽い口内炎なら非ステロイド系の薬を選ぶ、症状が重いときは医療機関を受診する、というように状況に合わせて上手に使い分けましょう。
ケナログ軟膏の代替品はこう選ぶ
結論として、「ケナログ軟膏の代替品」は複数あります。
同成分の後発薬を処方してもらう方法も、市販のステロイド軟膏を使う方法も、いずれも有効です。
重要なのは「症状の程度」「使用期間」「体質」に合わせて選ぶこと。
痛みを早く和らげたいならステロイド系、刺激を避けたいなら非ステロイド系、会話や食事のときに痛むなら貼付タイプと、状況ごとに最適な選択肢があります。
ケナログ軟膏が手に入らなくても、代わりとなる薬はしっかり存在します。
自分に合ったケアを見つけて、つらい口内炎を早めに治していきましょう。
